EnzoUkai

哀れなるものたちのEnzoUkaiのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
もうひれ伏したくなる、って言葉は鹿殺しの時のレビューに既に使ってる。
女王陛下の時にはそういう表現を使わなかったが、今回は再び、使わせて貰う。

ひれ伏して、「ランティモス様!」と崇め奉ります。

このギリシャの天才は何を我々に見せてくれるのか?
そういう期待で脳みそが爆発しそうな状態で劇場に行っても、その期待を軽く越えてくる。
あろうことか今日はエンドロール(厳密に言えばロールしてない)の時にじんわり涙が浮かんでしまった。
この感動はストーリーとかそういうものに対するシンパシーではなく、単純に私自身の想像力を揺さぶられたことへの感動だ。

今回もオリジナル脚本ではなく原作もの。ただ、もう既に巨匠の名を恣にしている彼はいつまでも低予算の不条理劇に徹することはないだろうと踏んでいる。当然、今回は予算も潤沢に、作り得る画面に仕立てている。
とにかく綺麗!!
単純に綺麗と言っても正に清濁併せ持つ美しさ。画面の中から匂い立つ、臭いが立つ、生々しさ。
荒唐無稽な設定もここまで作り込んでくれるとすんなりと話の中に入っていける。ノーモザイクの刺激ですらファンタジー。

本当は皆まで言いたい、語りたい。
でも、公開初日に流石にそれはあんまり。
皆さんに見て貰いたいから中身に関しては触れません。

もう一回見直して、時期を見て追記することにします!

是非是非、劇場へ!!!
EnzoUkai

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