腹一杯に生き血を飲まされた気分です。
目の前で次々と殺人や脅迫が行われました。死屍累々。命がいくつあっても足りない時代に投げ込まれたよう。
ある程度、覚悟して鑑賞しましたが、負けました。あまりの強烈さにクラクラし、生々しさにしばらく吐き気が治りませんでした。
切れ味鋭いオープニングタイトルから、エンディングまで、人間の美しさをバッサリとカットして、業や醜さを掻き集め、煮詰めることで見事に戦国のおぞましさを感じさせてくれました。
争いたいから争う。それもまた真理だろうと思います。そして、争いに長けた人間を崇拝する。
次々と起こり、そして終わらない惨劇を前に自分が命に対してどれだけ錆びついているか思い知らされるようでした。刃を突き付けられて。
配役、素晴らしかったと思います。会話も決め台詞級の応酬で緊張感を繋いでいたと感じました。
史実を逆手に取ったような演出は醜い綿密さで、こちらの正常をブチブチと引きちぎるかのよう。
凄惨な場面でさえ映像は美しく、妖しさすら漂っていました。
スケールも予想以上で大作でした。
今夜、悪夢の後で目覚めたら、生きて帰れた喜びを感じるかもしれません。