し帆

怪物のし帆のレビュー・感想・評価

怪物(2023年製作の映画)
4.4
最初は、怪物というタイトルから、
例にならったように怪物探しをしてしまって、( 癖になってる部分もあるよね、明らかな黒幕を探す感じ )
最初の安藤サクラさんの視点からだとまんまと、瑛太さんをすごい悪者のように捉えてしまっていた、学校も何してんだ!って、
でもこれが瑛太さんの話が先で、
安藤サクラさんの話があとだったら、
全く逆の気持ちになっていたんだろうなと思う
要するに人間は、いちばん先に知った情報や近しい人や感情の側面を優先的に見てしまうんだな〜と思った、
その後に登場してくる人たち、重要な本質よりも、

子どもたちのシーンは、ほんとうにいろんな気持ちになった、
ドッキリって言えばいじめじゃないとか、
何か自分も加害しないと自分も悪く言われたりとか、
なんかそういうのほんとうに面倒だったな〜って、
自分の小中時代を思い返したりした、笑 
依くんは自分の世界があり、少し変わった子だけど人にとても優しくて、
湊も主張は少ないけど人を傷つけたくはなくて、
でもこの2人が何にも邪魔されずに遊んでいるときが、正解の世界だな〜と思った
わたしがやられた、、と思ったのは、
依に引っ越すことを告げられた湊が離れたくない、、って甘えたところ、
( 湊はそんな発言をした自分を受け入れられなくて慌ててしまったけど )
うっすら気配があったけれど、そこが自分の中ではハッとした場面で、
好きという具体的な言葉を言わなくても、その一瞬で2人が好き同士( のような関係 )なんだと気づいたとき、
それまでのホリ先生のそれでも男か!とか、花の名前を知ってたらモテるモテないとか、お前女なの?みたいな無意識なセクシャリティの押し付けと、
それらのシーンのいろんな表情とか行動とかに、彼らの迷いが載っていたんだなと思って、苦しくなった、、
一つの視点でしか見れていない自分を恥ずかしいなと思った、

2回目を見た時、いろんな伏線や演出により気づくことができた、
湊の視点になる前に、あの車でのシーンの湊の繊細な動きとか、
湊が進路室からいなくなったときに、
遠くからホリ先生!って声も聞こえていたり、細かな作りが上手くて感嘆した、
安藤サクラさん目線からのときも、
ホリ先生の葛藤みたいなものがよりわかって、
あの不服そうな態度は性格なんだと受け取ってしまったけど、納得してないからこそああいう映り方をしているんだなって思ったり、

怪物、いろんな捉え方ができると思うけど、わたしは日々の中で隣り合わせしている、何か、な気がした、
自分自身を怪物と思うこともあるかも知れないし、誰かの怪物になることだってあるんだよなと、、いつだってそっち側にはなれちゃうし、意識していなくてもなっていたりするんだろうなと、
でも今回学んだのは物事を多面的に見ること、
自分や身近な人が苦しいと主観でしか見れないけど、自分にも非があったりするし、
何が正しいかは自分で判断したいなと、
でも改めてジェンダーに寛大でいたいと思った!
誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わないから!
みんな幸せであるための世界で!、、
し帆

し帆