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オットーという男のeのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.1
たくさん笑えて、たくさんウルウルさせてくれました。
頑固ジジイのオットーに胸がいっぱいです。

自死というセンシティブなテーマで始まりますが、軽い語り口と、テンポ良い編集でコメディタッチで観れました。劇場内も笑い声多めでした。

死にたい老人のオットー。そこに至るまでのドラマチックな半生が描かれました。
しかし自死と向き合う物語ですので、笑えない方も少なくないかもしれません。

効率や利益優先の社会による一方化や関係の希薄化と、愛と笑顔に溢れる隣人像が対比されますが、懐古趣味的な正しさにも感じられました。
しかし、いくら自動化の発展が必然でも目的が欠けていれば意味を見失うことも分かります。
フラットを突き詰める、誰もが主人公という発想は、誰もが主人公ではないとも言えますし、行き過ぎた配慮では孤独死を含む問題は解決しないのだろうと想像させられます。

それでも感動へ繋がったのは、それぞれの過剰さゆえでした。
パワフル過ぎる隣人愛と、寡黙で深い愛にコロッといってしまいました。
かわいい猫も出ますし、僕もピンク好きです。
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