朝井リョウさんの同名小説が原作。未読。
マイノリティを描いた作品なので、水フェチと言われても、理解に苦しむ検事(吾郎ちゃん)が間違ってるように感じつつ、それが世間の反応なのだと思い直す。
しかし、その検事は自分には理解できないものを理解しようとしない人だった。
多様性を認めようと言われる世の中でも、様々な嗜好があって、理解し合うのは難しい。
理解されないことに苦しみ、孤独で生きづらさを感じる人はきっと、私の想像を超えて多く存在するのだろう。
常に孤独を感じ、『無事に死ねるために生きている』というセリフが重すぎる。
理解できなくても、否定したり、自分の価値観を他人に押し付けてはいけない。
ここでふと思い出し、以前観た『そばかす』という映画の自分のレビューを読み返すと
「人は人と違って当たり前。」
「自分の価値観こそが正しいのだと信じて疑わない人間にはなりたくない」
同じことを思った。
そして『そばかす』で主人公の同僚が言った
『おんなじような人がいて、どっかで生きているのならそれでいいやって思えました。』
という言葉。
まさに本作の“おんなじような人”として描かれる2人。
明日を生きてみたいと思える、心の支えになれる相手との出会いがどんなに大切なことか。
理解や共感ができるかできないかではなく、世の中には色んな嗜好の人がいるのが当たり前なのだから、自分と違ったり大多数の人と違っても、理想を言うならば、いちいち敏感に反応する必要はないし、そもそも理解も共感もできなくていいのではないか。
自分の普通は他人の普通ではないのだと、皆が思えたら、もう少し生きやすい世の中になるのかな。
