本好きなおじぃ

アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~の本好きなおじぃのレビュー・感想・評価

3.6
人気グループ「オーガスト・ムーン」の交流イベントに娘のイジーや友人たちと行くことになったソレーヌ。彼女は夫と別れたシングルマザーだ。
イベント会場で男性のトレーラーハウスのトイレに入ってしまい急いで出ようとしますが、なんとそこにはオーガストムーンの一員、ヘイズ・キャンベルがいた。彼から誘われ、ライブでも曲をプレゼントされ、少し喜ぶソレーヌだった。
数日後、ソレーヌの経営するギャラリーに現れたのはヘイズだった。ヘイズは、ギャラリーのものを買い上げたあげく、他のものもほしい、とつかの間のデートを楽しむ。
ソレーヌはやがて、オーガストムーンのヨーロッパツアーに随行するが、他のメンバーとの会話の中で引っかかることが出てきて―――

まずは、アン・ハサウェイが美しい。劇中では40歳になったばかり、いまこの評を書いている時点では実際には41歳。劇中に出てくる彼女の姿は、とても美しい。娘イジーを大学を出たあとにすぐ産んだ、と言っていた。そういう歳だ。いつか「プラダを着た悪魔」で観た時と同じとは言わないが、あこがれの水準を維持、あるいは昇華していると思う。
そんなアン・ハサウェイに惚れない男子はいないだろう!しかし、大スターと恋に落ちるとは、ソレーヌ自身も予想外。おそらくヘイズ自身もこれまであまたの女性と恋に落ちてきたが、この恋は予想外だったのではないか。そんな二人の様子が、もどかしくも、真っすぐで、うらやましい。
一方、本当にこんな年の差でいいのか、と思うわたしたちもいるし、その姿が画面の向こうに多数の人の声となって浴びせられる。実際、このカップルは年の差を乗り越えようと努力している(途中イジーはちょっとかわいそうではあった。ソレーヌも謝っていたけど)。

娘のイジーや友人たちも愛らしい。特にイジーとソレーヌの、歳が近いが故の親子関係は見てみて安心する。
元夫のダニエルもありがちな夫像だが、娘思いなのがよくわかる。あるいはそういいところを見せてアピールする系男子を演じさせている筆者の妙、かもしれない。

2017年にロビンヌ・リーが書いた原作は「Nominee for Best Debut Goodreads Author (2017)」を受賞しているという。これをアン・ハサウェイのプロデュースのもと、アマゾンオリジナル映画として制作されたようだ。
ヘイズ役のニコラス・ガリツィンは新進気鋭の若手俳優、という役回りのようで、過去主演作が現在AmazonPrimeVideoで閲覧できる(※この表記は広告ではありません)。

ラスト、大スターと一般市民の恋は成就するのか。否、最後までその関係自体が続くのか波乱がある。ハラハラしながらも、自身の胸に手を当てながら、二人が目が合った瞬間のお互いの表情に、私たちも思わずうまくいってほしい、と願わずにはいられないのだ。