「告発したいんです。NYタイムズ紙は助けてくれる?」
NYタイムズの女性記者2名が、ハリウッドの大物プロデューサー・ワインスタインの数十年にわたる性加害を記事で告発するお話。
面白かった!頑なに心を閉ざしていた被害者女性たちが、次の犠牲を出さぬようにと記事への署名を申し出ていく様が泣ける。
『永遠の0』のような感じで当時性被害を受けた女性を取材して回っていく構成だが、一つ一つのエピソードがあまりにもリアルで吐きそうになる。ワインスタインのやり口の醜っぷりがヤバい。
一見フェミニズムっぽい映画にも見えるが、育児と仕事に奮闘する主人公2人を支える夫たちは良き理解者として描かれているし、NYタイムズの同僚も告発のために身を粉にして戦ってくれる。主人公二人も育児でズタボロな状態の中、このニュースが世界を変えると信じて全力で駆けずり回る。その姿が胸を打つ。
この映画を見ると今世間を騒がせている吉本問題も見え方が変わるかもしれない。
以下、セリフメモ。
「トランプタワーで頬と口にキスをされたと…」
「覚悟してたけど排泄物が届くとは…!」
≪お前をレイプし殺してやるからな。死体はハドソン川に捨てる≫
「被害者たちはみな怯えている。心を開くのは難しいわ。だけど私はこう言った。"あなたに起きたことは変えられない。だけど力を合わせれば、他の女性たちを救うことができる"」
「君たちの通話は録音され、尾行もされていると考えるべきだ。ワインスタインと話す時は必ずオンレコで。前に彼と対峙したが、醜悪な人間だぞ」
「頼む。何もしない。子供にかけて誓うよ。私は有名人だぞ」
「ジョディ。問題はワインスタインではなく、性加害者を守る法のシステムにある。(示談の条件を書いた手紙など)全てを託す。有効に使って」
「ジョディ、なぜ古い話ばかり聞く?全て90年代の話だ。彼は最近でも多くの罪を犯している」
「悪事の大海原ね。世の中には"ハーヴェイ"が何人いるのかしら?」
「彼は私の両足を広げてこう言いました。"頼む。ひと突きさせてくれたらすぐ終わる"と」
「せめて一人オンレコで話せば…。一人でいいのに…」
「あなたの記事に名前を出して。私の義務よ。女として、キリスト教徒として」
「被害の後に笑う女がいるか?ゆすって金を手にした女だぞ」
「ワインスタインから回答が届いた。(記事公開で)いくぞ」
「もう一回みんなで読み直そう」
≪翌月、82人の女性がワインスタインを性加害で告発。彼女たちの記事が世界中で#MeToo運動に火をつけた。≫