このレビューはネタバレを含みます
「船ではトイレ係でもここ(島)ではキャプテンよ」
金持ちばかりが乗る豪華客船が難破し、島のサバイバル生活でトイレの清掃婦が無双する話。
「汚いタイタニック」の評判に恥じない怪作。デートの奢り奢られ論争から入ってパルムドール獲れる作品が他にあるのだろうか?登場人物全員が絶妙に好きになれないのに、なぜか面白いのが凄い。
偽艦長(ロシア人)の「この船は沈む」コールがこだまする船内で、ゲロと糞尿が飛び散りまくる船酔いシーンもカオスで良かったけど、カーストが逆転する島でのくだりが特に面白かった。初めて尊敬の眼差しとイイ男を手にした清掃婦のアビゲイルが、最後この状況を逃したくなくてモデル美女を殺して口封じしようとするくだりはTHE・人間って感じで良い。遭難した島が実はリゾートだったってオチはめぞん一刻で見たことあるのでそんなに驚けず。高橋留美子はやはりすごいなという謎の感想を抱いた。
以下、セリフメモ。
「"悲しみの三角形"をリラックスさせて。ほら、眉間のここ」
「お金の話はセクシーじゃない」
「どこがセクシーじゃないのかな?性別の役割に縛られすぎじゃない?君のメニューには値段さえ書いていない」
「お客さん、闘いなよ。愛してるなら闘いな。俺にも経験がある。対等になるか奴隷になるか」
「私はかなり得意なのよ。人を操るのが。モデルを引退するのはセレブの妻になる時だけ」
「見てろ。僕に惚れさせる。セレブ妻を忘れて、僕にのめり込ませる」
「有機肥料を売ってるのさ。俺はクソの帝王だよ」
「船内でロレックスを売ってる。君たちに買ってやるよ。君たちの親切にお礼がしたい。それに私は…金持ちだ。金なら腐るほどある。会社を売却したんだ!」
「ロシアの資本主義者とアメリカの共産主義者が、2億5000万ドルの豪華客船で出会った」
「アビゲイル、どうしてタコを独り占めするの?忘れたの?私たちは船会社に雇われてる」
「彼女とボートの中でなにするの!?性的なことはダメよ。キスもダメ!」
「連中に正直に言いなよ。"いいことした見返りにいいものをもらってる"って」
「僕の立場がどうなるか分かる?どんな理由でも誰も納得しない。セックスと食べ物が引き換えだなんて」
「初めての夜なんて言ったか覚えてる?」
「…"愛してる。魚をくれ"」
「あなたの島での行動力にマジ感動してるの。女のリーダーが誕生するなんて。大富豪を飼い慣らした」
「アビゲイル!エレベーターがある!ここはリゾート地だったのよ!」
(後ろで石を振りかぶるアビゲイルに対し)「アビゲイル、あなたの力になりたい。私が雇ってあげる。付き人になってよ」