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ノートルダム 炎の大聖堂のeのレビュー・感想・評価

ノートルダム 炎の大聖堂(2022年製作の映画)
3.9
救助するのは文化財です。
劇場も燃えるほどのリアリティ。火災現場の目撃者となりました。

大聖堂は徐々に煙と炎に包まれていき、死を予感させる高温の中、消防士達は国家予算より高価なキリストのいばらの冠を目指します。

出火の原因は作業員の怠慢です。
警報システムを監視していたのはなんと勤務初日の職員だけ。誤報続きだという警報器に麻痺してしまった警備員達は役に立ちません。
異変に気が付いたのは、無関係な人々。大聖堂からもうもうと上がる煙はSNSにアップされ世界中を駆け巡ります。

大統領をはじめ、関係者のトップが事態の収束へ向け動き出しますが、いくつもの関門があらわれます。
行く手を阻む野次馬の群れ、交通マヒ、無線の混乱、足手纏いとなる古びた設備などなど…それも足枷となるなんてという試練の連続でした。

延焼による倒壊のタイムリミットが迫る中、必死に活動を続ける消防士たち。
その姿からは文化財を守ることは、国民の信仰心を守る事にもなるのだと気付かされました。

一番難しいのは、日々緊張感を忘れずにいることですね。
そんな中、本当に守るべきものを知っていたのは司祭様でした。その行動はキリスト教徒ならずとも感動を憶えました。
まさに事実は小説よりも奇なりのスペクタクルでした。
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