しおえもんGoGo

ザ・ボーイズ シーズン1のしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ボーイズ シーズン1(2019年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大きな力を持てば奢りが生まれ、権力を持てば維持しようと腐敗する。
だってヒーローも人間だもの。

大阪で政治家を先生と呼ぶのを止めようという提案がなされて話題になってるけど、最初は多分みんな世のため人のために力を使おうと思ってたはず。でも感謝され、持ち上げられ、目の前にいる一般人なんて簡単に出し抜けたり、一瞬で滅ぼせる力があることを自覚してしまった時、人は自分を律することができるだろうか。

世にあるヒーローたちのお行儀の良さにどこか胡散臭さを感じる人ならこのドラマはぴったりだと思うし、彼らが見せる優等生っぷりに対して一つの答えを出してるようにも思う。そりゃ彼らも四六時中あんなヒーロームーブしてるわけないよね。

また一方で彼らと対抗するザ・ボーイズ側も大概めちゃくちゃ。特にリーダーのブッチャーを筆頭にこっちも大義名分を盾にかなりやりたい放題で、ハブとマングースの戦いを見ているかのようだ。

しかしヒーロー兼ヴィランのセブンはなかなか魅力的なキャラクターで、特にホームランダーは素晴らしい演技力もあってかなり強烈。リアルサイコパスってこんな感じなんだろうなと思わせる。
女副社長との複雑な関係は切なさと気持ち悪さが等分でやってくるし、その生い立ちを知っても同情と「でしょうね」という感情がくる。

最初印象最悪だったディープも転落していく痛快さと同時にイルカ救出の顛末などを見てると愛すべきアホに思えてくるし、Aトレインも傲慢さに辟易すると同時に恋人を殺した罪悪感や世界最速から落ちるプレッシャーを見ると可哀想にもなる。

アメリカの抱えるいろんな問題がてんこ盛りで入っていて、特にAトレインが店でガードマンにマークされるシーンなんかは、アフリカ系に対する人種差別の日常を見る思いがした。

その他思った事
・スターライトがいかにもアメリカの保守的な田舎から来た敬虔なクリスチャンの白人娘という感じで良い
・その彼女が毒親と決別するシーンの爽快感
・クイーン・メイブ可哀想
・キミコの拉致された日本という設定であろう村がいろいろ面白い
・キミコとフレンチーの交流が可愛い
・MMの奥さんと交わしてる「ドラマを君が先に見たら一話ズレるだろ」みたいなしょうもなさすぎる会話
・マデリンがホームランダーと対する時にそこはかとなく流れている緊張感
・その危うい力関係が一気に崩れるラストにグッとくる
・ヒュース役の俳優さんちょっと老けすぎじゃない?
・ブッチャーの奥さんがメーガン妃かと思ったら違った
・赤ちゃんの目のレーザーで敵を殺すシーンが不謹慎すぎて最高
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