先生とイジメ被害者の生徒がタッグを組むって設定新しい。
毎回生徒のプライベートにまで入り込んで問題を解決していく『GTO』形式+自分を殺した犯人を突き止める『告白』形式。
人を信じていない描写が多くて観てて辛い時間も多く、生徒も家庭も極端な悪役がたくさん登場するけど、「生ぬるいこと言ってても世の中は変わらない」っていう精神が根底にあるから説得力ある。
推しの子もブラッシュアップライフもだけど、人生やり直しがすごく増えてる感覚あって、今の時代やり直したいインサイトが強いのかな。残酷な世界を少し冷静に楽しく描く手法として選ばれてるのかもしれない。
若干脚本が不安定(人格が急成長したりする)に感じるけど、大事なところの芝居がしっかりしてるから見やすい。あれだけの長台詞で独白できるの芦田愛菜ちゃんだけだし、松岡茉優の二面性も見事だ〜。
主役のバディにも男子生徒間にも『グッドウィルハンティング』の影響を感じて、「10年後に色つけて札束で殴ればいいじゃん」とかすごくそう。
「成長させてくれたのは親よりも友人だ」も刺さったし、「好きなことを好きという難しさ」もすごく共感した。逃避的で無自覚な大人の描写にも抉られる。
3年A組観てないけど、この手の企画は、ネクストブレイク俳優をたくさん出せるから通りやすいのかも。
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最近考えてること。
「人生は幸福で最高だ!」という全肯定作品も、「人類はクソで絶望的だ!」という全否定作品もあまり価値がない。
人に絶望しながらも信じたいというアンビバレントさがドラマを作る。ジブリとかはまさにそう。
だから人を過剰に悪く描くのももはやフィクションだと思うし、かと言って悪い現実から目を背けて楽観視するのも本質的な救いにはならない。