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ヒップタッチの女王のsoopenのレビュー・感想・評価

ヒップタッチの女王(2023年製作のドラマ)
3.0
久し振りに駄作を掴まされたのではないか、Netflix⁈
と思わざるを得ない作品でした。個人的には。
何もかもが雑。サスペンスもファンタジーもコメディもどれも曖昧で適当で、なんら深い事情がある訳でもなく、放置され回収されない伏線あり、犯人も最初のうちは、怪しい人が沢山いたのに、どんどん死んでいき、消去法であの人なのね、という捻りのなさ。
コメディはというと、人があまりにも死に過ぎて、最初のお尻を触ったらサイコメトリー出来るという、着眼点は面白かった設定も、後半に来て、あまりにも重い代償を支払わされ、一生心残りな事件がヒロインに重くのしかかった筈なのに、あれれ?もう立ち直った?という心理描写にも疑問しきりです。

ストーリーは、ソウルの刑事が田舎町に左遷されてやって来たら、次々と殺人事件が起きる中、自慢のプロファイリングで、犯人を決めつけて、執拗に追跡するイミンギ刑事。神の牛に出会ったことから、お尻を触るとサイコメトリーな超能力を授かった、獣医のハンジミン。この2人がタッグを組んで、殺人事件に挑んでいくというもの。
足を運ぶ先の容疑者未満の人間が、次々と殺されていく…無謀な捜査のお陰でソウルからやってきた広域捜査隊の刑事も無視して、独断で操作を続けるイミンギとその仲間達。市長、コンビニ店員、同じく超能力を授かった牛飼い男、胡散臭い占い師、怪しい視線、隠れた行動、疑うべき人間が多過ぎる…







ここからはネタバレ含みます!

警察が無能過ぎる!イミンギがとにかく直情型で、プロファイラーには向かない性格なのに、犯人を適当な推理で決めつけては、何の関係もない人間を、死に追いやる、を繰り返しているし(左遷されてもやむなし)、ハンジミンの能力に頼り過ぎる。そんなに長いこと他人の尻を触り続けて、よくみんな大人しく触られてるよね?犯人の占い師も、最初の殺人は奥さんでしたってナレ死なのはともかく、その後サイコ野郎になったんだったら、もっと頭脳的に動けばいいのに、思いつきと後始末のために、どんどん殺すというのは、ドラマとしては最悪な展開で深みも何にもない。
何よりコンビニ店員のスホも、確かに怪しく見えたかもしれないけれど、ハンジミンは一目惚れした上、唯一信じられる人認定を受けて喜んでいたのに、最後には、誤解されたまま、ハンジミンを助けて真犯人に殺害されるという展開には呆れました。逃げろと言われてスコップ持って戻ってくる前に、何かできなかったのかと。

ラストは多くの人間を犠牲にしての苦いハッピーエンドだったけど、イミンギとハンジミンはいい雰囲気になってるし、スホの立場は⁇葬式はしたけどそれでいいのか?捕まえられた占い師が、自分は人の目を見ると全てが読めるサイコメトラーだから、刑務所に入っても、この能力で好きなように暮らせる、と言ったのは本当だと思います。ハンジミンが目潰しを食らわせて、脅し文句を吐いて終わったけど、そんなのに効き目があるわけがない。その辺の対策が何もないまま、TVに出るほどの売れっ子になり、イミンギもソウルに返り咲きとは、つくづく雑な作品だなぁと思いました。

それでも、ハンジミンのインタビューによれば、出演した作品の中で、一番幸せだったとか…
現場が素晴らしく良かったんでしょうか…監督にも全幅の信頼を置いていたとか。

一応スホが出ていたので、このスコアです。しかし扱いが酷いので減らしても良かったかも…
あ、イミンギ本人への苦手意識が、この作品で克服出来たのは、すごい収穫?でした。
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