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イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜のsoopenのレビュー・感想・評価

4.0
毎週ジリジリ週末を待ちながら、楽しんだ本作。どうして土日配信と言いながら、本当の配信は日月の0時なんだろう?
それはさておき、ツッコミドコロ満載で、とても面白かったです❗️

塾の講師として一流を極めると、それはもう芸能人扱い。大学入試を控える受験生のサポートコーチとして、有名塾で数学を教えるチェチヨル(チョンギョンホ)。その名も顔も知れ渡り過ぎていて、ママ達のSNSでは常に上位ランキング。SNSは好意も悪意も抱き込んだ世界。少しでも隙を見せれば、誤った解釈を広められる、それは現実社会も同じ…
振り回されて身も心も疲れて、睡眠・摂食障害を抱える危うい講師を常に支えるチヨルの事務所のチ室長。彼に全てを委ねていくチヨル…いえ、そういう話ではなく…
彼を身も心も救ったのは、過去に関係のある惣菜店『国家代表』の社長、ナムヘンソン(チョンドヨン)だった。食べ物をほぼ受け付けない自分の胃袋が、何故かこの惣菜屋のご飯はいくらでも食べられる…『胃袋を掴まれた男』というタイトルでも良かったかと。太陽のように明るく前向きで、優しくておせっかいで、健康そのものの象徴で、今まで会ったことがない女性、恋に落ちるのにそんなに時間は必要なかった…

恋に落ちてからがまた大変で。子供も巻き込んで、母親達やら無関係なSNSの社会で、散々いじられ叩かれ、その間に受験生の親の不正やら、自殺やら他殺やら未解決事件に加えて、本当の親問題も起きたりで、とにかく忙しい。あちこちで恋の花が咲きそうなのに、殺人事件なんて気にしてる場合じゃない⁉️いえいえ、よく考えるととんでもない事件が身近で色々起きているのに、この人達不安じゃないの⁉️とサスペンス要素が霞みまくりなラブモード。

サスペンスパートのラストが雑扱いなのが少し残念だったのと、ラストに登場する人物が、本当に必要だったのか、という意味で、期待し過ぎただけに、ラスト2話が拍子抜けな所はありましたが、全体的には満足です!

チョンドヨンさんが謎なファンシーファッションで、特にブルーの水玉のダウンコートを着られた日には、てるてる坊主にしか見えなかったけど、最後のシンプルな服装に可愛らしいポニーテールは素敵でした。チョンギョンホは、細いながらも、最初からカッコ良過ぎて、保護者説明会で思わず告白した時には、こんな所でバカじゃないの⁈と思いながらも、その恋に落ちた男の美しい表情にはウットリしました。娘役のナムヘイも芯が通った正直者の家族思いで、イケメンの幼馴染達との三角関係や、親友の存在が、親世代とは違う青春の輝きを放っていました。

以下ネタバレあり。










チ室長が悲惨な生い立ちから、頼りとなる大人は、姉の信用していた、チヨルだけだと思って、必死で勉強してチヨルの助手に上り詰めて、邪魔者は削除する方向に気持ちが向いた、というのはよく分かったけど、割と中頃で犯人と目星がついていたのに(最初はゲイなのかと思っていた)、最後は簡単に自殺ですか?自殺を許してしまう展開が安易だなと思ったのと、最初の被害者が報われないままだし、チヨルは衝撃を受けていたけど、他の人達はすぐに立ち直るし、自殺した理由の深掘りがなかったのが残念です。チ室長は恐らく、チヨルに対しては信頼だけではなく、歪んだ愛情も持っていたんじゃないかなぁ。誰も信じられない、何も食べられないチヨルをこの上もなく愛したのも、自分だけを信じて欲しかったから…だからチヨルが人間としてまともな方向に生き始めたのも面白くなく、一層ナムヘンソンを憎しみの対象にしたんだろうと思うのです。その辺の余韻を描かずに、誰も期待していなかった、ナムヘイの本当のオンマを突然出す必要があったのか、割愛しても良かったのではないかと思っています。
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