よーぴさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

忘れじの面影(1948年製作の映画)

4.3

大抵、古い映画を見ていると文化の違いや映画文法自体が見慣れないものだったりして理解が遅れることがあるけど、オルフュスの映画はすんなり話が理解できる。
物語と映像演出のマッチ具合が半端じゃない。決して浮
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.4

ありがとうドゥニ、これがみたかった!!
シャラメ主演の進撃の巨人みたいなストーリー。もっぱら権力側によって作り上げられた神話=英雄譚から「降りる」という行為に(本作ではまだ為されないが)カタルシスを持
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快楽(1952年製作の映画)

4.3

自由自在に動くカメラ、人の動き、奥行きを意識した構図にフェリーニと同じものを感じる。でも何でだろうか、こっちの方が圧倒的に情報が入ってきやすい。こんなにゴタゴタ人もカメラも動くのに、一つ一つの情報が整>>続きを読む

赤い砂漠(1964年製作の映画)

3.5

苦手な監督アントニオーニ、眠い。抽象的なのは良いのだけれど、演出があまり好きではないので退屈。blow upよりはカメラ頑張ってた

ピクニック(1936年製作の映画)

4.2

ここまで単純な舞台設定、ストーリーを映画的な豊かさを持って、見応えあるものにしてて良かった!

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.7

PMS、パニック障害、家族の死、何か内側の大切な部分を成していたモノを失ってしまった者たちが、互いに支え合うネットワーク。5回くらい泣いた。
自転車を送る、車を洗う、差し入れを買ってみる、分かり合えな
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.1

演出的にはロメールに近いものを感じた。こういう映画を見ていると、「人間は何を見て“面白い”と感じるのだろう」と疑問が湧く。勿論、この映画は面白いのだけれど、人は映画のどこを見て“面白さ”を体験するのか>>続きを読む

の・ようなもの(1981年製作の映画)

4.2

80年代倫理観バグりすぎだろ!!高校生に手出しちゃあかんよ。
またそれはそれとして、森田芳光はヘンな監督だなあとつくづく思わされる映画。逆説的だけど、森田映画の良さって「ダサさ」で構成されている気がす
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市子(2023年製作の映画)

4.9

去年、この映画を見ることを渋った自分を恥じる。こんなに凄い映画だったとは….

まず脚本の構成力凄まじすぎる。結婚を前に突如失踪した市子の生い立ちに、彼女の人生に関わった人物の視点から多角的に迫ってい
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田舎司祭の日記(1950年製作の映画)

3.3

この手の映画は苦手だ。『ラ・ポワント・クルート』を見た時と同じ退屈さがある。まああの映画よりは楽しめたけども。
よそ者に好奇の目を向ける片田舎に越してきた司教の、愚痴のような日記を淡々と描く序盤は、独
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.4

とにかくこの映画は「食べる」という行為の異様さを執拗に映し出す。一列に並んだ食卓で、目の前の料理をただただ貪る。なんだか分からないけど怖い。目の前の欲望に気を取られて、全く周りにいる人に関心を向けない>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.8

もう少しで、現実世界で全く同じことが起きそうでほんとに怖い。
この世で最も愚かなことは、人間が恐怖に支配されることだと思う。恐怖に支配された人間にとっては、良き隣人や恋人ですら敵に変質する。恐怖に取り
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.6

怪談×人間ドラマ このタイプの作品はあまり少ないからオカルト好きとしては嬉しい。怪奇小説とかだとよくあるんだけどね。
この類の怪談をよく聴くせいか、ややひねりが足りない気がしたし、音楽がやけに扇状的な
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

3.8

金城武がイケメンすぎる映画。
鬼才は広角でとりがち

乱雑なカット割に外連味のあるカメラ。この映画は物語に奉仕する機能的な演出だけで構成されるのでなく、自由で意味のない魅力でコーティングされている(怒
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.8

全編カーニバルのように、夢幻的な印象を与える流れるカメラワーク、ここしかないというタイミングでフレームイン、アウトを繰り返す人々。こんなに複雑な動きをしているのにも関わらず前景、中景、遠景と奥行きがあ>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.7

アキカウリスマキは北欧の福祉社会で取り残された底辺に住む人間を描くことが多いけど、今回も例に漏れず。あまりにも過去作と展開が同じなので、若干先が読めて退屈するも、歳食った登場人物たちのしょうもない行動>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.8

この監督の映画、登場人物がみんなに弱点があって、それを隠すように時に見栄を張ったりするけど失敗したり、そう言う人間らしさを持っていて、愛嬌がある。そこに作為的に感情を排した演技をのせることで独特のリズ>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

4.3

極端に様式化された演出は、まるで歌舞伎などの伝統芸能を見てるよう。主人公不憫で可愛いからめちゃくちゃすき

エル・スール(1982年製作の映画)

4.5

アフターサンのシャーロッドウェルズは、この映画を観たのだろうか。映画自体は静かなはずなのに、息をするのを忘れるほど美しい映像と、不可逆な「ある事件」へと進んでいく物語に魅入ってしまった。

お茶漬の味(1952年製作の映画)

4.1

小さな行動の重なり合いが、些細な感情の会話が他者と他者を繋いでいく。中心にあるドラマは心に訴えるものがあるけども、少し古くて押し付けがましい価値観があるのも事実。
あと毎回思うけど、小津は本当にバック
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渇き(2009年製作の映画)

3.3

あまりにプロットの奇抜さに重点を置きすぎて人物描写が弱く見えた

友だちの恋人(1987年製作の映画)

4.2

アマチュアとは思えないほど自然な演技は毎度のこと、ロメールのいいところはやってること殆ど大学生の恋バナと同じってとこだよな。飲み屋で大学生が話してる「男女の友情は成立するのか!?」的な議論を一時間半面>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

この手の思考実験的な面白さのある作品は、その我々の常識をかいくぐるような知的な面白さだけ不十分になることが多い。この作品もそう感じた。
いや、めちゃくちゃ面白いんだけどね。やっぱりこんなに長いとあとも
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.5

序盤は面白かったのに!!!
最後の謎解きパートなくても面白くできたんじゃないかこの話

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.9

2023年ラスト映画。
主人公がマジで許せない。この悲劇が起きた原因はミアにあるけど、主人公が自分と起こしたことの責任を果たす物語はたくさんあるのでそこ自体にはムカついてない。ただ大概その手の話は主人
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

パーフェクトデイズというタイトルで、評判を見てると主人公の東京での美しい日々を素晴らしい撮影で捉えた作品という声をよく見かけた。でもこれ「パーフェクトな日々は永遠じゃないよ。全部変わっていくんだよ」っ>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.6

Xで話題になっていたので鑑賞。監督はMr.Robotなどの人らしい。
豪華キャストで送る世界崩壊シュミレーション。オバマ夫妻がプロデュースしてるかなのか、国家転覆までのシナリオがかなりリアルで、テスラ
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東京物語 4Kデジタル修復版(1953年製作の映画)

4.3

相変わらず原節子が凄い。時間によって人は変わっていき、時間に追われて他人への思いやりすら持てなくなるかもしれない。紀子はそれを自覚しているが故に亡き夫を忘れていく自分を悲しんでいる。そんな彼女に最後渡>>続きを読む