よーぴ

夜明けのすべてのよーぴのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.7
PMS、パニック障害、家族の死、何か内側の大切な部分を成していたモノを失ってしまった者たちが、互いに支え合うネットワーク。5回くらい泣いた。
自転車を送る、車を洗う、差し入れを買ってみる、分かり合えないと思っていた他者の人生を知ろうとする、そういう小さな行動の積み重ねによって、人生の絶望の淵にいるはずの二人の生が、徐々に開き始める様は、どんなに壮大なストーリーよりも力強く見る物を鼓舞する。誰かの幸せを祈ること、誰かに生きていて欲しいと願うことは、同時に自分の命を救うことにつながっている。
事務所で死んだ社長の弟の写真に向かって、社長よりも長く深く手を合わせる松村北斗や、会社に残る決断をした松村が笑う姿を見て涙する上司、全ての瞬間が美しい。いささかセンチメンタルすぎる気もするプラネタリウムの演出も、その過剰さがどうでも良くなるくらいそのシーンへの持っていきた方が丁寧で、そんな細かい違和感なんてどうでも良くなる。三宅唱凄い。
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