ゆうさんの映画レビュー・感想・評価

ゆう

ゆう

悪の神々(1970年製作の映画)

3.3

あまりおもしろいとは思えなかった。

出てくる女、みんなやさぐれてるなと
(ハンナ・シグラもイングリット・カーフェンも常に娼婦感や悲壮感が出ているのが魅力ではあるけど)

撮ろうという欲望のまま撮影を
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小カオス(1967年製作の映画)

3.4

同世代のリア充に対して映画のみが救いだと、お前らよりこれに気が付いている俺のほうが尊い的な
20代はこれで良し、
爽快感あり俺も理屈になく映画を結びつけるような短編撮ってたよ。
でも許されるのは20代
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都会の放浪者(1966年製作の映画)

3.5

ゼンゼン覚えてなかった。
突拍子もないがこういう短編は好き。

この頃のドイツは荒んでるなって感じ。
死を望むも、乱入者が出てきて死すら選択が出来なくなる絶望。

「愛は死より冷酷」もだけど拳銃に対す
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愛は死より冷酷(1969年製作の映画)

3.4

10年ぶりくらいにファスビンダーを見返す。

この辺りのファスビンダーはあまり印象に残っていなく、初見の時の印象とは変わらず。

ファスビンダーの青臭さが目立つ。
長廻しで喋るのを記録するより後年のバ
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栄光(1926年製作の映画)

4.2

恋敵同士、喧嘩するけどもラッパが鳴ったら連帯する。
整列し、列を成してそれを見送る女。
シンプルだが全く飽きさせない。

これが3回反復されるが、いずれも撮り方が違う。

同ポジの寄り、ほぼ照明を変え
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ミスミソウ(2017年製作の映画)

2.6

人はあんなに死なないし、指も取れたりはしないかな。
人を殺すことだって中々大変なんだよっていうのはヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」だとか生きようとする。
がしかし、致命傷を負ったら一気に痙攣した
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.0

話しは単純なのと苦しんでいくところも思っているより普通かなと。

普通を普通に撮るというのすら現在では難しいかもしれないが、ケイト・ブランシェットに対する対立構造が弱いかなと

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

1.0

実は初見

ひとまず冒頭の渋滞の部分は良い、悪いの意見が分かれていましたがも私は良くないと思います。

車が単に置かれているだけで、本来描きたいと思われる、渋滞への鬱憤や夢に繋がる運動の疾走を感じられ
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歌うつぐみがおりました(1970年製作の映画)

3.4

人たらしで色んな女の子や友達に声掛けたらいつの間にか失ってしまったという話しで、少しくらいは約束守れよ派なので個人的にはイライラしたけど

出てくる女の子が微妙にタイプが違う子だけど皆、彼をほんとうは
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スペイン狂想曲(1934年製作の映画)

3.6

これは初見
いかにディートリッヒを撮るかに掛けているんだと思った

若者が初めてディートリッヒに会うところなんてまるでアイドルコンサートで私と目があった的な出鱈目な切り返しだからね。
確実に視線がズレ
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中国は近い(1967年製作の映画)

3.5

2組の男女が入れ替わり立ち替わりする空間設計が良かった。
クロスカッティングしかり、しっかり見ていくとカメラのカット割りとか結構計算されている。

空間を接続するために例えば爆発物騒ぎを起こす青年と政
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王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

3.0

単に本読みと言ってもちょっとおもしろいと思ったのは、終盤でようやく通しのシーンの本読みを行うけどト書きは目で追ってセリフのとこだけ読み合っているけれども場面に登場していない人間にカメラを向けているとこ>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

3.8

終盤、花が行方不明になってから良くなってきたけど良いショットとその他人間の観察としてのカメラとの距離感がどうも合っていない気がする。

運動が撮れているかどうかは横に置いておいて、濱口さんの戦略的な部
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フィフィ・マルタンガル デジタル・レストア(2001年製作の映画)

3.5

ロジエとしては、本意で撮っているかどうかは分からないけどどちらかというと閉鎖的な空間や設定の中では良くやっている気もするけど彼に求めているものじゃないかなと。

だってカジノに向かう車の後方からチルト
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湖のランスロ(1974年製作の映画)

4.5

実は初見

顔の芝居を兜で否定して、それでいて劇中で繰り広げられる試合ではランスロの顔なんて一ミリも写っていないのにも関わらず、観客席で見ていた者は「ランスロ」っと呟いてしまうところに感動してしまった
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

4.5

映画リハビリ鑑賞
再見

限られたショットや身振りの中に一際、モノが目立ってみえた(革靴、新聞、本の一部、青酸カリ、チョコの箱、グラス)

たぶんブレッソンはサイレント映画を思考しているのだろうね。
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

1.1

映画を利用して哲学やら、社会学、アカデミズムがネタに泣いて喜びそうな貢献以外何物でもない。
180分も使って作るものでもないし、キャラクターも立ち上がっていない。
不要な時系列の切替と不毛な音響で誤魔
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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

1.9

途中で断念。

映画を利用して何かを作ろうとしている。
その事については否定しないが自分の考え方と違うので

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

3.0

こういうものだとは思ってたけど
遺作としてはイメージの本でいいんじゃないかな。

コンテの台紙にCanonにしているのは笑った。
どこで売ってんの。まさか大判写真の裏とか

イメージを縦横無尽に組み合
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

2.9

中途半端だよね。
良いところもなくはないし別に怒りを持つのは悪いことではない
画面の外の力以上に画面内の力が凌駕されれば発端は何でも良いはず

現実の限界がそのまま画面に出ているから、国会議事堂の爆破
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

2.8

冒頭のCollaborationの数にどこまでエリセが提供者と制度的なしがらみから映画を完成させたといったことも頭の隅に置いておいても決して出来の良いものとも思えない。

たとえ上海ジェスチャがスタン
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

素晴らしい。
まだ終わらない仕事のレイトショーには優しすぎる映画を見た

個人的な私情も出たのでもう一回見て少しまとめます。

見終えて思い浮かんだのは、「贈与と交換、連鎖する視線、背中、呼応、ナレー
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.8

とっても良いと思います。

オフ音やズリ上げ、下げでテンポ良く進んでいく。
清原果耶が開始40分ほどまともに写されないのが後半になって意味づけに終始するのはしょうがないけど
世界が止まってしまった風景
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三人の女(1977年製作の映画)

4.4

実は始めてみたけどめちゃおもろかった。

説明されえない不気味さを織り交ぜて時に強引さもありつつ芝居にしろ、説得力を感じる。
ちゃんとアルトマンが役者を信用している以上に役者がアルトマンを信用してない
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

2.9

う〜ん。レビューみてるとみんな優しいねって感じ。
ショットが形式の中に落とし込もうとしていて正直厳しい。

形式って何かって言ったら、舞台的
舞台的って何かとと言ったら、見させるべき人間の発話と被写体
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シャドウプレイ 完全版(2018年製作の映画)

2.5

カメラが芝居し過ぎている。
不用意なカメラの自由さは逆に画面の弱さを与える

ニコラス・ケイジの ウェザーマン(2005年製作の映画)

2.5

喋りと人物切り返しの映画だと思った。

別に仕草やカットインアクションに見応えがあれば切り返し中心でも構わないが

ニコラス・ケイジのような人間は普通にいるしさしてダメ人間でツイてないとも思わないけど
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.0

とりあえずこのくらいで映画が作れるよねというのが透けて見えるのが好きではない。
画面に緊張感を感じない。

彼らしい作品だけどこれならカウリスマキでなくても撮れる

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.0

細かいのは有識者に任せておいて、ライカートの最良とは思わず、ただほんとショットの人だと思った。
冒頭のオフ音から船を捉えてから
画面に笹が映えて犬が地面を興奮気味に掘り当てて、歴史に埋もれた2人の人骨
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.0

一言でヴェンダースらしい作品と映画好き初心者にも受けそうなバランス感覚に優れた作品。

パレルモシューティングをロードショーで見た以来だし、それ以降のヴェンダースには全く関心を持てなかったけどこれは良
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HANA-BI(1997年製作の映画)

4.8

風邪で会社休んでだいぶよくなったとはいえ少し頭がぼーっとする中でゆっくり見つめ直す特別休暇の最終日には持って来いだった。

学生時代に写真を教えてくれた先生が言ってたんだけど花を撮り出したら人は死に向
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3-4x10月(1990年製作の映画)

4.0

良い。

素振りも弾道と軌道が合えば飛ぶ。
そのためにはフリを作ってボケてツッコんで結果出すという非常にシンプルな作り。
たまに3回に1回ずらして期待を裏切る。

コマで考えるから写真が非連続みたいな
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