ゆう

湖のランスロのゆうのレビュー・感想・評価

湖のランスロ(1974年製作の映画)
4.5
実は初見

顔の芝居を兜で否定して、それでいて劇中で繰り広げられる試合ではランスロの顔なんて一ミリも写っていないのにも関わらず、観客席で見ていた者は「ランスロ」っと呟いてしまうところに感動してしまった。

ただライバルたちを次々となぎ倒すだけでなく身につけた兜のさきにある動作というのが見る者をランスロとしか思わせないんだろう。
だけど、ショットでは一切馬の下半身と上半身を境に分断されていて、それを見ることすら許されない。それが機能としてその後サスペンス性を帯びさせるだけのために撮ったわけではないだろうけど

撮影エピソードで歩く時と乗馬する際の甲冑の軋む音を正確に撮りたいとブレッソンが言っていたらしい。
そもそもホンモノの甲冑を着させて芝居させようとしたらしいけど(重たすぎて役者からは不満が溜まったとか)
嘘だと思うけど、頭に矢が刺さった馬の何故か目を冒頭のインサートと同じくショットを差し込んじゃう人だからね。

血については意味が分からないが、甲冑が倒れただけだと絵が持たないからなのかな。
普通は動かなくなった目をインサートで撮るか、身体の一部でもいいけど、
そこをブレッソンは反撥した。

その結果モデルには血を吹き出させ動物の目を撮ったのではという推測。
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