ゆうさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

午後の網目(1943年製作の映画)

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見直したというより今池の名古屋シネマテークの思入れに。
高校から大学の映画鑑賞はほぼシネマテークと言っても良いです。

上京してからも地元に帰ったタイミングで寄ったりもしていたので閉館は寂しい。

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田吾作ロイド一番槍(1927年製作の映画)

4.8

傑作!!

ロイドがこんな面白いとは思わなかった。

ジョビナラルストンと最初の出会いから別れる時に見せた上昇運動然り、上下運動をどうしたら面白いかのプロットを逆算して考えられている

船舶線は水平線
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一晩中(1982年製作の映画)

4.0

まさにキャメラの客体のみでほぼ描ききった作品だった。

こんなに扉の開放より扉の閉ざされる事の方が多い映画は初めてかもしれない。

そして徹底的な客体でキャメラと被写体の男女は引き裂かれている

客体
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名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

3.5

この時期にはコナンだけは見ていて、コミックスも初版から集めている25年来の愛顧者。

近年は、真面目に犯人を追うより、コナンの事件の核に広がる事件のスペシャル版が増えているのでそこは不満。

その変わ
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殺すな(2021年製作の映画)

3.4

橋の手前に人を置いて奥に人の行き来を見せる(だが)安藤サクラは渡ることを拒絶されているというのを絵に収めるための構図なのかと思わせる事は一定範囲出来ている。

本田博太郎が過去に切ってしまった妻の傘が
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

一言で言い表せる事をわざと複雑そうに見せているし、ステレオタイプなまとめ上げ方で、さも物を語ろうとする振る舞いと浅いテーマに引っかかってアカデミー会員が喜びそうな映画だと思いました。

基本的にコイン
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最後まで行く(2014年製作の映画)

4.1

これも面白かった。

よく出来たホン。
アクションの工夫もされていて余計な蛇足もあるけど、やれることはやりきってる感がある。

新米以外が不正を冒しても隠蔽しそうな面の警官ばかり出てくるのが良いね。

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん(2015年製作の映画)

4.0

とても好感を持てる作品でした。
特徴的な作画によって流氷、蒸気、吹雪を視覚化させていることがとても良い。

氷を実写のカメラで視覚的に撮ることは簡単ではないのだけどアニメを使った作画が遺憾なく発揮して
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落葉(1966年製作の映画)

3.6

グルジア人ってこんなんなの?って思うほど少し、いじわるな奴もいればワインの醸造工程で働くおっちゃんはめちゃ良い人だったりそれなりに登場人物が面白かったが、
正直イオセリアーニが優れた作家だという結論に
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田園詩(1976年製作の映画)

3.8

グルジアの田舎にある農家に都会からの楽団が居候するがとにかくこの農家の家主やら周りの人がクズ

お酒飲みで、口達者
めっちゃ捲し立てて、すぐ喧嘩するけどもなんか穏やか。
断片的なエピソードがあり、どこ
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.4

恋愛や人種差別パートなどはう~んだけど、冒頭のカットの積み重ねや、カメラの距離感、長さ共にとても良かった。
ロジャーディーキンスははっきり言って好きでも嫌いでもないけど役者に従事しながら撮るとこは撮る
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

1.1

これはダメだと。

映画にする必然性が理解出来なかった。

LGBTなんでも良いが、あえて乱れるシーンを撮り採用するが、あからさま過ぎるのはまずいから、ショットや照明を加工して音楽を入れてオブラートに
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.6

これは非常に複雑な気持ちで見ていました。

きっと一度、映画を見る側から撮る側に回ったことがあれば理解出来ることが多い。

私も8、16の撮影、編集をやっていた事はあるけどデジタルのノンリニア編集では
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マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.3

初のドラン
映画好きな狭い世間にて思われているより悪い気はしなかった。

拙いショットも多いが同じ歳に自分の撮った短編にしたら恥ずかしくて批判はできない。

最大の欠点は母親の存在を失おうが失わないだ
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ドノバン珊瑚礁(1963年製作の映画)

4.4

気を抜いてサッと撮っているにしてはやはり凄い作品。
集団劇というか殴り合いにしろ、ふざけ合いも一斉に感染して思いっきりやるから気持ちいいけどちゃんとオチはしっかり落とすというのが見ていて気持ちいいのだ
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グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(2016年製作の映画)

1.3

評価は本作品について、テレビのインタビュー寄せ集めなので評価なし

グザビエ・ドランについてはまだ1作品も見ていない。
彼が語るように、映画とはウォン・カーウァイやクリスコロンバスやジェームズキャメロ
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逃亡者(1947年製作の映画)

3.3

ジョンフォードらしくはないが本人は気に入っているようだ。

ガブリエルフィゲロアは好きな撮影監督の一人。

ブニュエルのほぼ全盛期はフィゲロアのキャメラだし、どちらかというと師匠のグレッグトーランドの
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第十一号監房の暴動(1954年製作の映画)

3.8

ドンシーゲルの初期作品
初見

面白かった。アクションは控えめと書いてあったけど看守との上下運動。
長い独房の廊下を行った来たり駆け抜けるのはサムペキンパーが交渉して、アメリカの実際使用されていた刑務
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

2.6

なぜ、この評価かは結論、映画である必然性を感じないからである。

スラムダンク世代っちゃ世代ですがそういう事を抜きにして
いちNBAファンでもあるのでまずはPGやSG、SF、PW、Cの役割は今や昔、ス
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.0

初の鑑賞となるムーラーの代表作品

かなり重たい内容で、どこも逃げ場がないし知識でも難しい八方塞がりな状況下だが
撮影が素晴らしいと思います。
山というロケーションを生かした距離感の取り方や、ろう者の
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ボクらのホームパーティー(2022年製作の映画)

3.5

セクシャルマイノリティを持つ者と持たざる者とだけでなく持つ者同士での葛藤を80分で描いているのは好感が持てました。

全体的に視線というものを気にしていました。

カメラの猪本さんの切り返しと鏡越しの
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密使と番人(2017年製作の映画)

3.2

何故かワイルドツアーもこれも70分以内に抑える作品でこれは少し長い気がした。

蘭学者への地図を届ける者とそれを追う幕府側との逃走という古典的な映画だけどもあまりうまく行っていない気がした。

雪とい
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魔女(1922年製作の映画)

3.2

アカデミックな講義と魔女刈りの時代の劇とまたアカデミック的な講義と現代1920年代の劇という構成

面白いかというとそこまで
ドキュメンタリーでありながらフィクションもあり監督も自ら参加するのは小川紳
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ワイルドツアー(2018年製作の映画)

4.2

まず役者が良いと思いました。
出てくる人誰も成長過程の人で、ただ生まれた時、時間、土地が違っただけというものを感じた。

うめちゃんが好きな二人が中学生から高校に上がる時の人生の帰路に少し大人なうめち
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長浜(2016年製作の映画)

3.4

ダンスシーンより座ってどこか彼方を見つめる石橋静河の顔が良い。

THE COCKPIT(2014年製作の映画)

3.6

指一本でサンプリング、音作り
ナイキの箱で遊んで
即興でフリースタイルラップをして
テイクを重ねてラップを録音していく。

音楽作りと映画も似ている気がする。

そんな事より、手の動きや規則性な運動と
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.8

文句なし素晴らしいと思います。
脳梗塞は、細い血管を詰まらせて知らぬ間に身体を脅かすというが、
ケイコの聞こえないはずの外的な音声と彼女の身体との隔たりの境界線を身振りで繋ぎ止めていく

傑作。

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血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.7

吉田喜重さんが亡くなってしまった。
大学の時に日活から出たDVDと衛星放送特集で全て見れてる監督の一人。

全作みているけど煉獄エロイカやエロス+虐殺辺りは、よう分からん。

後期の作品より初期の作品
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.4

率直に良い点と悪い点があると思いました。
良い点は、旅に出始めてからのショットのレベルはやはり高い(特にかつて首を切られた女性の池の畔でのシーンなど)
あと古城に入ってからのシネマトグラフで写真を撮ら
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.3

映画なんて見てる時間はないけど映画の日なので

いうほど悪くないけど、なんかずっとずるい感じがする。

震災をイメージしたメタファーじゃなくてそのまんまだからね、緊急地震速報も、神戸の街、都内の駅、7
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フューネラル(1996年製作の映画)

3.8

良いね。平日に見る映画じゃないけど、死者を棺桶の中にいるとはいえ、3日も家の中心にいたらそりゃおかしくなりそう。
スタンダードサイズの選択が良いのだと思います。
画面に際して、窮屈なイメージを持った。
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