ゆう

第十一号監房の暴動のゆうのレビュー・感想・評価

第十一号監房の暴動(1954年製作の映画)
3.8
ドンシーゲルの初期作品
初見

面白かった。アクションは控えめと書いてあったけど看守との上下運動。
長い独房の廊下を行った来たり駆け抜けるのはサムペキンパーが交渉して、アメリカの実際使用されていた刑務所のロケーションであり
余すことなく使っている。

ウォルターウェンジャープロデュースといってこれが単に社会派だのというわずもが

距離が列をなして前進や後進していく様や没主人公と言ってしまっても良い無機質さは、最後世間から抹消され、新聞にはもてはやされてもまた人々の記憶から忘れ去られていくであろう囚人が最後シルエットを持って影を落としていく

これこそ本作の芯の主題だし、これは後にイーストウッドに引き継がれる

伝説や理はいつだって無名性が作り上げていく
それこそアメリカの歴史だと

執務室の星条旗が翻るのもドンシーゲルからイーストウッドへ

無機質に繰り返されるブザー音、ボタンの点灯点滅は、ホークス的とも言わざるを得ない
人の進化の過程においてブザーとは行動の開始や結託を為す。
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