うさどんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

うさどん

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女のみづうみ(1966年製作の映画)

2.8

本日の巣ごもり鑑賞。
川端康成『みずうみ』が原作、というよりも『みずうみ』での脇役的登場人物・水木宮子(岡田茉莉子)の目線で、小説では主役の桃井銀平(露口茂、映画では桜井銀平となっている)を脇役に置い
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

『キングスマン』シリーズの監督だけあって、シーンのキレと舞台転換が絶妙。
出演者にも無駄な役割や演技が無く、全員それぞれの個性とバックボーンがしっかりと描かれているため、夢物語や妄想、想像の域を超えて
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

去年から楽しみにしていた作品。

登場人物たちの過去に加えて、その時々の心理状況、置かれた立場、家族の秘密が法廷で明らかになっていく。

作り込みがしっかりした、心理サスペンス、法廷劇で、最初から最後
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劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血(2024年製作の映画)

2.5

今流行りのマーダー・ミステリーの本作、何を書いてもネタバレになりそうで。

確かに役者の力量がダイレクトに伝わるのだけれど、その分、ギクシャク感が拭えなかった。

セットや設定の粗さが気になって、ギク
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フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-(2023年製作の映画)

3.6

複数展示の2000年の大阪、2018年の上野に行き、1枚の来日だけでも観に行き、コロナ禍前の2019年にはオランダまで観に行ったのに、急激な円安で行くタイミングを失った2023年 オランダでのフェルメ>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

3.8

本日の巣ごもり鑑賞。
1945年・第二次世界大戦の終結と1949年・中華民国の直接統治開始までの間の、基隆の林一家の盛衰を中心に、歴史に翻弄される台湾社会を描く。

1987年7月の台湾の戒厳令解除に
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ハッピーフライト(2008年製作の映画)

3.4

本日の巣ごもり鑑賞。
ANA全面協力のドキュメンタリー風の空港・飛行の群像劇。
華やかなパイロットやキャビンアテンダント、グランドスタッフと、裏方の整備士、管制官、オペレーター、バードパトロールまで、
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戦場のアリア(2005年製作の映画)

3.1

本日の巣ごもり鑑賞。
第一次世界大戦時、クリスマス・イブの英、仏・独軍の休戦実話をもとにしたフィクション。
休戦で一旦平和な状態となり、戦争のことを忘れ、安心と喜びと敵への友情に身を浸してしまった各国
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ブルーバック あの海を見ていた(2022年製作の映画)

3.7

海中シーンがたっぷりあって、ブルーグローパー(役名:ブルーバック)が可愛くて愛おしい。
大自然や海と共に暮らす姿、迫ってくる開発と環境破壊、抵抗、保護活動が、受け入れやすい濃度で描かれて、そこに家族と
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女優は泣かない(2023年製作の映画)

3.7

『不倫(疑惑)スキャンダルのため、「故郷に錦」ではなくて「故郷にこっそり」と帰ってきた女優の、再起をかけたドキュメンタリーを撮る』姿を中心に置いたドキュメントチックな作品。
話の展開、登場人物の性格、
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

スクリーンで観れるとは思っていなかった(ので、DVDも買っていた)ところの今回の期間限定上映に感謝。
同じ日、同じ時間の異なる5つの都市の夜のタクシーの中、それぞれの土地柄やお国柄が、タクシードライバ
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17歳の肖像(2009年製作の映画)

3.0

本日の巣ごもり鑑賞。
原題『An Education』のとおり、まだ保守的な気配が残る1960年代のイギリス、郊外に住み保守的な学校に通う才色兼備の女子高生の少し早い社会「勉強」。
シンプルでテンポよ
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北の零年(2004年製作の映画)

1.8

本日の巣ごもり鑑賞。
吉永小百合さん、やはりどの映画に出ても「吉永小百合」で、今作の「小松原志乃」にはなれない。
子供の年齢から20 代半ばから30代頃までの話のようだけれど、撮影当時60歳手前、役年
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.7

それぞれ、豊かではなく、安定した生活でもないけれど、目立つことなく、地味で質素に暮らす男女の出会いとすれ違いの物語。

映画で描かれるどこにでもいる普通の二人の日常の一コマが、今のこの瞬間にも世界の片
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怒りの葡萄(1940年製作の映画)

2.8

本日の巣ごもり鑑賞。
1930年代にアメリカの農村を襲う天候不順と不況。
地主から追い出された小作農一家が、働き口がある(?)カリフォルニアに向かう。
映画の大部分がカリフォルニアへの旅・ロードムービ
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.8

主人公の二人が抱え、もがき、向き合うパニック障害とPMS(月経前症候群)。
周囲の人々の優しさと見守りに支えられ、また主人公同士でも無理ない距離感で助け合いながら、思いどおりにならない日々を何とか過ご
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美しさと哀しみと(1965年製作の映画)

3.4

本日の巣ごもり鑑賞。
川端康成の描く怨念と情念の世界を、静謐な京都、鎌倉を背景に描く。
当時20代前半の加賀まりこの、美しさと魔力的な妖艶さを併せ持つ姿が、師匠(女流画家)・八千草薫の人生を狂わせた作
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風花 kaza-hana(2000年製作の映画)

3.1

酒で性格や行動が一変、その酒癖で人生を棒に振ってしまった若手官僚、不慮の事故で壊れてしまった幸せな家庭を引きずりながら暮らす風俗嬢の、偶然の出会いと旅が、北海道を舞台に描かれる。
ふとした瞬間に現れる
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台風クラブ 4Kレストア版(1985年製作の映画)

3.3

様々な家庭的な事情や人間関係で不安定に揺れる中学3年生たち。
台風の接近に合わせたかのように、不安定な感情にスイッチが入り、火がついて、弾けた一夜を過ごす。
「何これ?」っていう評価もあるかもしれない
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ポテチ(2012年製作の映画)

3.2

本日の巣ごもり鑑賞。
東日本大震災後、オール仙台ロケされた作品。
仙台市在住者にはたまらない作品なんだろうな、ストーリーも上映時間も簡潔で、かつ、面白い。
亡くなった大物女優のカメオ出演観たさに観たけ
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しのび泣き(1945年製作の映画)

3.5

本日の巣ごもり鑑賞。
娘の幸せを願う父親の恐ろしいばかりの(正確な)予感によって引き裂かれた二人が、その後16年の間に何度もすれ違い、再会・再燃し、また離れていく。
言葉や実際の「影」、「陰り」=om
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モニカ・ベルッチ ジュリア(1998年製作の映画)

2.0

本日の巣ごもり鑑賞。
まもなく新年となるローマのマンション各戸で巻き起こるコメディ。
エロ、グロ、バイオレンス、ホラー?と何でもあり、看板モニカ・ベルッチの登場時間は思いのほか、わずか。(なお、原題は
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オール・ザ・キングスメン(1949年製作の映画)

3.1

本日の巣ごもり鑑賞。
政治と行政の不正と腐敗と不合理を厳しく追求して、3度目の挑戦で州知事に当選した男、やがて自らも不正と腐敗、不合理、暗殺、不倫と、限りなく堕ちていく。
堕ちていく男をある時は慕い、
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エンドレスナイト(1971年製作の映画)

1.9

本日の巣ごもり鑑賞。
アガサ ・クリスティの名作『終りなき夜に生れつく』の映画化、それも日本未公開とのことで期待したのだけれど、残念。
クリスティの組み上げた心理サスペンスの精緻なパーツが全て中途半端
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八甲田山(1977年製作の映画)

3.3

新田次郎の原作『八甲田山 死の彷徨』を読んでいたので、遭難事件の経過や結果はわかっていたが、やはり指揮命令系統の混乱と状況判断の誤り、条件変化の軽視と硬直した判断…。
いろいろと遭難死の原因は語られる
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日本沈没(1973年製作の映画)

3.2

今から50年前の大ベストセラーを、出版とほぼ同時に映画化。
年初の能登半島地震もあって、今から思えば拙いセット、撮影映像ながら、悲惨さや恐怖が胸に迫ってくる。
公開当時の人々は「ほぼフィクション」とし
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

この世に突然、成人の肉体を持って生まれた無垢なベラが、旅に出、社会に触れ、人間社会の明暗を見聞、体験しながら、自由に目覚め素直に、そして論理的に人として成長していく。
やがて、彼女の成長を助けていた周
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新しき土(1937年製作の映画)

2.1

本日の巣ごもり鑑賞。
早川雪洲、原節子の大和家の日本庭園内に、地元広島の厳島神社がある、家から見える噴煙を上げている浅間山(標高2,568m)の火口に和服姿や靴を履かない靴下で登る、など荒唐無稽さが際
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ステート・フェア(1961年製作の映画)

1.9

本日の巣ごもり鑑賞。
先日観た1945年の『ステート・フェア』のリメイク作品。
1945年作品では、農家、農業の質素で素朴な生活と、フェアの華やかさとフェアでの新たな出会いのトキメキが見事に対比され、
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千年女優(2001年製作の映画)

4.1

40代半ばで早逝した今監督の代表作にして、個人的に日本アニメを代表する作品と考えている。
「大人のためのアニメ」「アニメーションならではの構成、ドラマ展開」「ビジュアル完成度の高さ」、普通の「楽しめる
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.4

老いること、死への不安や絶望感、虚無感、無常、けれど一方で残る生(性も)への執着が溢れ、かなり重い映画だけれど、二分割画面と旅立ちのホワイトアウトで少し和らげられた。
少しでも幸せに老い、終焉を迎える
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

2.2

ウディ・アレン監督お得意のコメディ映画。
いつものように冴えない男(今作ではウォーレス・ショーン演じるモート)と、不釣り合いな魅力的パートナー(今作ではジーナ・ガーション演じるスー)とのすれ違いが軸で
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.3

原作もアニメも見てないけれど、今一番期待し推している山田杏奈さん見たさに初日鑑賞。
特撮駆使のアクション映画の中に、ストーリーの面白さ、スピード感もあって、あっという間にエンドロールまで。
対極となっ
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ステート・フェア(1945年製作の映画)

3.1

本日の巣ごもり鑑賞。
州のステート・フェア(共進会・品評会・審査会)への出品(家畜や家庭料理など)を楽しみに、そして励みに暮らす、父・母・息子・娘の農家一家。
家族それぞれが期待や悩みを胸に遊園地や競
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007/ リビング・デイライツ 4Kレストア(1987年製作の映画)

3.3

新しいボンド、ティモシー・ダルトンの登場、メモリアルな15作目。
ジブラルタル、チェコスロバキア、オーストリア、モロッコ、アフガニスタン、パキスタンと贅沢に世界を飛び回る。
過剰にお祭り騒ぎ的な007
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007/ サンダーボール作戦 4Kレストア(1965年製作の映画)

3.5

バハマを舞台にシュノーケリング、スキューバダイビング、豪華ヨット等々満載の海洋スパイアクション。
007らしい派手めなアクションと、ウィット&シニカルな一言が確立された作品かも。
水中アクションが少し
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