うさどんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

うさどん

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シモーヌ フランスに最も愛された政治家(2022年製作の映画)

3.9

強制収容所を生き延び、女性への社会的差別に抗い、自国とEUの人権問題に立ち向かい勝利。
驚異的な意志力と実行力、突破力を2時間余りの映像からだけでも感じることができた。
翻って、海外研修問題や金銭的不
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恋とスフレと娘とわたし(2007年製作の映画)

2.6

本日の巣ごもり鑑賞。
過干渉の母親と三人娘、特に未婚の三女を巡るロマンティックコメディ。
母親と三人娘の場面も少し多過ぎ・盛り過ぎ感、三女への母親の絡みも途中から面倒くさくなるほど。
結果的にスフレ、
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.8

地元広島が舞台の【広島編】、県西部の身近な場所が主なロケ地となっていて、迷うことなく鑑賞。
限られた範囲の地域、小さな一族間での事件に終始する2時間強のストーリー展開もテンポ良くて苦にならない。
ネイ
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

1.5

アガサ ・クリスティの1960年代の代表作『ハロウィン・パーティ』が原作とされているけれど、場所も時間もイタリアに置き換えられて、ポアロも既に引退している身。
原作をほとんど無視した脚本(ほん)、ケネ
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トップ・ハット(1935年製作の映画)

3.8

本日の巣ごもり鑑賞。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの「すれ違い」ミュージカルコメディ。
バーリンの音楽5曲はどれも最高。
中でも『Cheek to Cheek』で踊る二人は年齢的に最も美
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ほつれる(2023年製作の映画)

3.8

この若い監督・脚本家 加藤拓也さんが少し気になっていたこともあって、見逃さないように鑑賞。
漂う微妙な雰囲気を作り出そうとする過剰な音楽や演出もなくシンプル、門脇麦、田村健太郎、染谷将太の三人の演技が
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劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)(2023年製作の映画)

3.1

いつもながら、「ギャグ」と「シリアス」のギャップとバランスをどうとらえるが好き嫌いや評価の分かれ目。
今回は(話の進行役となっていて残念だけれど)『キャッツ♥アイ』パートをもう少し増やして深度を持たせ
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.8

原作者の強い意向で再編集され、カットされたシーンなど追加。
公開から半世紀も経っているのに、現在まで続編たち、類似作品、模倣作品が作られて続けている凄さだけでなく、恐怖映画、オカルト映画の原型を作った
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ローマの休日 4K レストア版(1953年製作の映画)

5.0

レストア前から数えきれないほど観ている大好きな作品。
セリフも暗唱できそうなほど、タイトルバックからエンディングまでの背景やロケ地の多くに何度も行ってみた。
けれどスクリーンにかかったら必ず観てしまう
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ジェーンとシャルロット(2021年製作の映画)

3.9

娘シャルロット・ゲンスブールが母ジェーン・バーキンを撮るドキュメンタリーではあるものの、ジェーン・バーキンその人が1960年代から今日まで映画、音楽、社会的活動を通して「一つの時代を作ってきた」人。>>続きを読む

気分を出してもう一度(1959年製作の映画)

3.2

本日の巣ごもり鑑賞。
ブリジット・バルドーの魅力が溢れる推理サスペンス。
軽いユーモアも交えながら進む犯人探しが、途中から少し間延びして残念。
バルドー狙いの方には、彼女のダンス姿まで見れる本作はお得
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ローラ(1961年製作の映画)

3.9

本日の巣ごもり鑑賞。
小さな港町ナントで錯綜しすれ違う恋。
やがてその恋がひと段落する頃、また新たなドラマの予兆が語られる。
『シェルブールの雨傘』の前に観ておいた方がいいなと思える『シェルブールの雨
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SAND LAND(2023年製作の映画)

3.9

絵もストーリーも最初から最後まで安心して観れる「鳥山明」ワールド。
他作品で時々ある、耳に痛い絶叫も、圧の強い台詞や煽り立てる絵も無く、しかしいつの間にかともに旅しているような親近感でいっぱいに。
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遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.3

『釘』までの間、場面から離れて死生観を中心にふと考えてしまう作品だった。
差し込まれる映画(映像)と全編通してモノクロの統一感がある反面、考えてしまってて、我に返って、みたいな置いてきぼり感も少し。
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.6

川沿いに建つ旅館の別館を中心に、狭いエリアで起こるわずか2分のタイムループ。
この「2分」が観る側をドラマに引きずり込み、集中させ、突き放してまた引きずり込む。
タイムループものとしてはなかなかの完成
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小説家の映画(2022年製作の映画)

3.3

丁寧な(少し丁寧すぎる)会話、熱い(時にはくどい)議論でモノクロの中、人が出会い物語が進んでいく。
心の折れた作家が、銀幕から姿を消した女優を撮った短編映画、その行方や評価にも余韻を残す不思議な作品。
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放課後アングラーライフ(2023年製作の映画)

3.5

「女子高生」と「釣り」との組み合わせ以外はいたって普通の関西の海辺の町で起こる物語。
登場する4人の会話から描き出される微妙で繊細な心の動きに共感して感動してしまった。
ミニシアターだけの上映にするに
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テノール! 人生はハーモニー(2022年製作の映画)

3.3

住む世界、社会の対局にあるオペラの才能を見出されて開花していく姿が、人種差別、身分格差、を織り交ぜながら描かれていく。
中でも、オペラ座の華麗な舞台・客席と、ラップバトル会場、ストリートファイトの場面
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.2

カジノでブラック・ジャック、ポーカーで稼ぐ元軍人のプロギャンブラー。
カード・カウンティングの手法やそれを使ったギャンブルプレイは少ないけれど、過去の忌まわしい出来事をフラッシュバックしながらクライマ
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アシスタント(2019年製作の映画)

3.3

誰もが憧れる大手メディア会社の会長秘書(アシスタント)となって5週間、とある一日が淡々と描かれている。
食事や休憩もままならない早朝から深夜までの長時間労働、マイペースかつ無責任な先輩達、公私混同する
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.8

『小説家を見つけたら』(2000年・米)が底流に流れながらも、韓国の受験(内申点獲得)事情、北朝鮮からの脱北者とその差別・格差問題に加え、未解決の「リーマン予想」を絡めて、見応えあるヒューマン・ドラマ>>続きを読む

ミューズは溺れない(2021年製作の映画)

3.7

人知れず「揺れる」「もがく」「自分を見つめる」ヒューマン・ドラマを、絵画、創作、家族、友人達を軸に心地良く描いている。
こんな感じあったなぁ、とか、訳もなく似てたことしてたよなぁと、ふと自身のことを見
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竜馬の妻とその夫と愛人(2002年製作の映画)

2.7

本日の巣ごもり鑑賞。
2000年の三谷幸喜の舞台作品の映画化で、坂本龍馬の妻・お龍(おりょう)を巡るラブコメディ。
鈴木京香のお龍キャスティングは良かったものの、木梨憲武、江口洋介は今ひとつか。
特に
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苦い涙(2022年製作の映画)

3.2

主人公の中年男ピーター・フォン・カント、傲慢でプライド高い彼が、わかりやすく一目惚れ、恋に落ち、恋に溺れすがっていくようになる姿、観ている側からも憐れさを誘う。
ピーター・フォン・カントが、恋に苦悩す
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.9

かつて同胞、隣人同士の暴力で荒れ、今も記憶や荒んだ気持ちが残る北アイルランド・ベルファストの小学生(男子校)で繰り広げられる校長・教師と生徒との哲学的対話のドキュメンタリー。
対話を通じて、子どもたち
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わたしのお医者さま(1955年製作の映画)

2.9

本日の巣ごもり鑑賞。
題名、『わたしのお医者さま』とブリジット・バルドー(BB)の映画のようだけれど、主役はサイモン医師役のダーク・ボガード。
原題は『DOCTOR AT SEA』で、邦題につられて妙
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.1

恐れてはいたものの、予想どおりの単なるドタバタ映画になってしまってた。
最初からダイヤルの追っかけに終始していて、第一作や第三作のような深い考察や、目的物・結論に至るまでの思索や工夫がなく、見る側もワ
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アガサ/愛の失踪事件(1979年製作の映画)

2.3

本日の巣ごもり鑑賞。
未だに謎とされているほぼ100年前の「アガサ ・クリスティ失踪事件」を、独自に解釈して作品化。
恐慌前の穏やかで平和な1920年代のイギリス社会が見事に描かれる一方で、結局、『解
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君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.8

それぞれ異なる理由、人に言えない理由で不眠症を抱える高校生二人の、「楽しみ」や「居場所」としての『天文部』。
二人とその友人、家族を巻き込む多くのエピソードも、無理のないストーリー展開の中に盛り込まれ
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告白、あるいは完璧な弁護(2020年製作の映画)

3.8

早い段階から最後まで、意表を突かれる展開と緊張感が続いて、若干の心地よい疲れすら残った。
仮説→映像→矛盾点指摘→仮説…という展開は観る側にも論理的思考を求めてきているし、こちらの脳のトレーニングもさ
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探偵マーロウ(2022年製作の映画)

3.2

マーロウ、映像ではチャンドラーの原作とは少し感じが違うけれど、やはりハンフリー・ボガートの印象が強すぎて、リーアム・ニーソンが「体格のいい普通のおじさん」の域を越えていなくて残念。
もう少しシニカルで
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オルフェ(1950年製作の映画)

3.3

『冥界を抜けるまで振り返ってはならない』のギリシア神話、オルフェウスの物語が、現代(20世紀半ば)を舞台に幻想的に描かれる。
オルフェの職業が詩人、「詩人カフェ」から始まるストーリーになるほど、と思っ
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美女と野獣(1946年製作の映画)

3.4

実写版「美女と野獣」は本作が最初。
モノクロームで、かつ、夜のシーン、暗いシーンが多くて観にくい分かりにくい箇所もあるけれど、舞台設定の時代は電灯のない時代、野獣の怖しい?姿を見せるには明るさやフルカ
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.5

実際の連続殺人事件を下敷きに、となっているけれど、事件の底流にあるのは、男尊女卑、公権力の腐敗、歪んだ仲間・同胞意識であって、宗教教義の解釈や貧困、旱魃、精神疾患(のフリ?)などは言い訳に過ぎない。>>続きを読む

雨に唄えば(1952年製作の映画)

3.7

本日の巣ごもり鑑賞。
まもなく梅雨明けと信じて作品選択。
一方で本作、サイレントからトーキーへの大転換、1920年代からのミュージカル作品へのオマージュ。
雨中の『Singin' in the rai
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裸で御免なさい/ブリジット・バルドーの裸でご免なさい(1956年製作の映画)

3.2

本日の巣ごもり鑑賞。
BB・ブリジット・バルドー22歳、ブレイク直前のコメディ作品。
若くてかわいい彼女、作中では家族、恋人に内緒でヌードコンテストに出場、コンテスト会場に厳格な父、気の多い恋人も来場
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