うさどんさんの映画レビュー・感想・評価

うさどん

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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.7

テンポが良いうえに、タイム・シャッフルでじわじわとドラマに引き込まれていく感じが心地よい。

モノクロの画面と無機質な街並みと登場人物が、闇堕ちしていく主人公をクールに淡々と描きつつ、ストーリーを絶妙
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不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.6

幸せの絶頂で目の前から大好きな人が突然消えてしまう辛さを何度も乗り越えるうちに、強さと心の優しさを身につけ、大切な相手にも施し、ともに幸せを実感する。

ループする感情がその人を救い強くすること、辛さ
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水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.5

水を抜いたプールの底にグラウンドから飛んでくる砂が溜まっている。

体育授業の赤点回避の補習として、溜まった砂の掃除が課せられた女子高生二人と、自主的?にその掃除に付き合う二人、補習を命じた女性教師の
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.0

実際に起きた未解決の殺人事件を原作に、主に事件を追う刑事たちの目でドラマが進んでいく。

事件の捜査・解決と同程度、並行的にプライベートな問題を抱えた刑事たちの姿も描かれ、事件も結局未解決ということも
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.9

台湾(台南市)で出会った二人の18年後(18年間)の物語。

冒頭から何となく結末は見えていたものの、挟み込まれる出来事や風景、台南、松本、長岡、只見と、訪れるわずかな時間に出会い触れ合う人々とのエピ
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.9

劇場版第27作の舞台は北海道・函館。

『ゴールデンカムイ』とか、明治〜昭和初期の北海道を舞台にした作品が最近続く感じがして、何か不思議な物語が紡がれているよう。

通常の犯罪捜査というより、今回も「
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.8

どこの街にも居る、明日を見失って日々が虚しく過ぎていく若者(ひょっとすると虚しさすら感じていないかもしれない。)を唐田えりかが自然体で好演している。

中学時代の同級生との偶然の再会と、わざとらしく無
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愛のゆくえ(2023年製作の映画)

2.8

父親の死で壊れてしまった家庭の男の子がともに暮らす父親の失踪?(逃避?)した女の子の家。

女の子の母親の死で、中学生の二人が北海道と東京とで離ればなれになってしまうところまでは共感できたものの、その
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ポーカー・フェイス/裏切りのカード(2022年製作の映画)

2.6

主人公がギャンブラー、原題が「Poker Face」だけに、もっと心理的な駆け引き、精神面での緊張ある場面、サスペンスを期待したけれど残念な結果に終わってしまった。

ポーカーシーンの深掘りも無く、場
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異人たち(2023年製作の映画)

3.2

「幼少期に突然亡くなった両親と、大人になって再会」の設定に東西の違いは無いだろうと思っていたけれど。

山田太一原作、大林宣彦監督、片岡鶴太郎、秋吉久美子、風間杜夫主演の『異人たちとの夏』とはやはり時
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熱いトタン屋根の猫(1958年製作の映画)

3.6

本日の巣ごもり鑑賞。

当時20 代半ばのエリザベス・テイラーと30代前半のポール・ニューマン二人の美しさと演技に魅了されてしまった。

ただ、夫・ポール・ニューマンの鬱屈、妻・エリザベス・テイラーを
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メメント(2000年製作の映画)

3.9

『オッペンハイマー』公開を記念して、クリストファー・ノーラン監督の四半世紀前の名作『メメント』が今日から再映。

観ている我々が、記憶障害の主人公とともに、歯がゆい思いをしながら妻殺害の犯人探し。
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オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

3.4

『オーメン』(第一作)しか観てなくて、怖いけれどかわいいダミアンの最初が観たくて鑑賞。
(実は、これまで、かなりの数のオーメン続編ができていたことも知らなかった。)

第一作のダミアンの誕生・生育の物
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.1

携帯とSNSの普及で、昔関係が途切れた二人にまた接点が持たれる。

離ればなれになって12年後の24歳、24年後の36歳と、新たなドラマの展開が期待できる年齢の話だったけれど、それぞれ(特に男性側)の
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.7

2022年6月、全米で一定週までの人工妊娠中絶を認めていた連邦最高裁判例「ロー対ウェイド事件」が覆り、各州ごとに中絶違法・合法が分かれる、まさに「時代が後戻りした」その年、2022年にアメリカで製作・>>続きを読む

卍 まんじ(1964年製作の映画)

2.9

本日の巣ごもり鑑賞。
谷崎潤一郎原作、1964(昭和39)年当時としては同性愛はスキャンダラスな話題で、映像化も観る側もかなり力が入っていたのだろう、と端々で感じる作品。

当時は、撮る側、演じる側、
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

日本での公開日である今日、ここ広島では、BBCが原爆ドーム前で朝から生中継したり、ローカル局では特番組んだりと少々ヒートアップ気味だけど、J・R・オッペンハイマーの伝記映画として冷静に落ち着いて鑑賞。>>続きを読む

コンフィデンス(2003年製作の映画)

2.0

本日の巣ごもり鑑賞。 二本目。
DVDの特典映像の日本版予告編に「アメリカが騙された」とあったけれど、話の先々が予測できて、かつ、ことごとく当たってて、残念ながら全く騙されなかった。

巨悪を騙す映画
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いま、会いにゆきます(2004年製作の映画)

3.5

本日の巣ごもり鑑賞。
雨の6週間に起こるファンタジー。

単に不思議なことが起きた、だけではなくて、「反対側から見ると」とか、「実はこの時」とか「こんなことが?」とか、あらゆる角度で物語が進んでいく。
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

『瞳をとじて』の公開に併せての上映で鑑賞。

監督の50年前の長編初作品、『瞳を…』のアナ・トレント、当時5歳で主演、と今に繋がる作品ではあるが、製作時の国情、背景を考えると、製作、公開そのものが奇跡
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.3

原作を読んでいるのといないのとで、とらえが微妙に変わりそうな映画。

登場人物の変更や省略の結果、原作で感じる心理面、心の揺らぎが薄れたのはもったいない。

気をつけてはいたけれど、「これって忘れられ
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ハッピー・フライト(2003年製作の映画)

2.7

本日の巣ごもり鑑賞。
今ではあまり見なくなったコメディ&サクセスストーリーとして、何も考えずに観ることができる。
その分、特段の山場も引き込まれどころもないのだけれど。

唯一、指導教官役のマイク・マ
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花とアリス(2004年製作の映画)

3.9

本日の巣ごもり鑑賞。
ちょっとした嘘を重ねたことで生じる微妙な三角関係を、岩井監督が中だるみ無く切り取っていく。

アリスの家庭環境やオーディション活動を織り交ぜることで、単なる学園ものから、ヒューマ
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青いドレスの女(1995年製作の映画)

2.7

本日の巣ごもり鑑賞。
大戦後、1940年代後半のカリフォルニアを舞台のサスペンス、ハードボイルド。

大戦終了後の景気の減速、黒人蔑視、人種隔離や偏見、根強い人種差別や、小児性愛などの盛りだくさんの社
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張込み(1958年製作の映画)

3.5

本日の巣ごもり鑑賞。
原作:松本清張×脚本:橋本忍×監督:野村芳太郎の最強チームが結成された第一作。(音楽:黛敏郎というのもすごい。)

元恋人のところに立ち回るかもしれない殺人事件の共犯者を、刑事二
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変な家(2024年製作の映画)

2.2

原作がかなり売れているようだし、若い二人はともかく、二人の周囲は「性格俳優」としても大丈夫そうな役者さん達が固めているし、と少し期待していたのだけれど…。

以下、ネタバレしない程度に。
物語の展開促
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離愁(1973年製作の映画)

3.6

本日の巣ごもり鑑賞。
ジョルジュ・シムノン原作の映画化。

ベルギー国境に近いフランスの村から、迫り来るナチスドイツの戦禍から列車で避難することに。
さらに客車に乗る妻子と引き離され、男は最後尾の貨車
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パトリス・ルコントのドゴラ(2004年製作の映画)

3.0

本日の巣ごもり鑑賞。

音楽と雑踏音と自然音で語られるカンボジアの子供、大人、農村、工場、水上生活、カンボジア版スモーキーマウンテン等々。

あらゆる階層、年齢、職業、老若男女が音楽と共に流れ行く市井
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

3.5

まずは本作品を4Kレストア、鑑賞できたことに感謝。

過去と現在と未来、イタリア・トスカーナ地方とロシア?の故郷、ローマ、古い温泉地、廃墟となった教会、交錯する映像の中を共に漂いながら衝撃と詩的なラス
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.1

監督の30年超ぶりの新作、スクリーンで観ることができて本当に良かった。

約3時間の最初から最後まで、隅々まで丁寧に作り込まれていて中弛みすることも無く、切り取る映像も皆美しい。

エンドロールの終わ
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女のみづうみ(1966年製作の映画)

2.8

本日の巣ごもり鑑賞。
川端康成『みずうみ』が原作、というよりも『みずうみ』での脇役的登場人物・水木宮子(岡田茉莉子)の目線で、小説では主役の桃井銀平(露口茂、映画では桜井銀平となっている)を脇役に置い
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.9

『キングスマン』シリーズの監督だけあって、シーンのキレと舞台転換が絶妙。
出演者にも無駄な役割や演技が無く、全員それぞれの個性とバックボーンがしっかりと描かれているため、夢物語や妄想、想像の域を超えて
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

去年から楽しみにしていた作品。

登場人物たちの過去に加えて、その時々の心理状況、置かれた立場、家族の秘密が法廷で明らかになっていく。

作り込みがしっかりした、心理サスペンス、法廷劇で、最初から最後
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劇場版 マーダー★ミステリー 探偵・斑目瑞男の事件簿 鬼灯村伝説 呪いの血(2024年製作の映画)

2.5

今流行りのマーダー・ミステリーの本作、何を書いてもネタバレになりそうで。

確かに役者の力量がダイレクトに伝わるのだけれど、その分、ギクシャク感が拭えなかった。

セットや設定の粗さが気になって、ギク
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フェルメール The Greatest Exhibition-アート・オン・スクリーン特別編-(2023年製作の映画)

3.6

複数展示の2000年の大阪、2018年の上野に行き、1枚の来日だけでも観に行き、コロナ禍前の2019年にはオランダまで観に行ったのに、急激な円安で行くタイミングを失った2023年 オランダでのフェルメ>>続きを読む

悲情城市(1989年製作の映画)

3.8

本日の巣ごもり鑑賞。
1945年・第二次世界大戦の終結と1949年・中華民国の直接統治開始までの間の、基隆の林一家の盛衰を中心に、歴史に翻弄される台湾社会を描く。

1987年7月の台湾の戒厳令解除に
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