【圧倒的な映像美、そしてキリスト教への懐疑】
19世紀後半。
デンマークの若い牧師が、アイスランドへの宣教を命じられて、北の果ての島に上陸して悪戦苦闘する物語。
ちなみにアイスランドは長らくデンマ>>続きを読む
【キム・ギドク監督の才能が発揮されている】
韓国映画。キム・ギドク監督作品。
この監督の作品としては以前に「魚と寝る女」があったが、イメージ的に近いところがある。湖上の小さな寺に住む僧侶と子供。>>続きを読む
【もう一つの「去年マリエンバードで」】
デンマーク映画。クリストファー・ボー監督作品。
ちょっと 「去年マリエンバードで」 を思わせる作品で、主人公の青年が人妻と出会い恋に落ちる物語が主筋だが、>>続きを読む
【丁寧な作りの佳品】
英国映画(正確にはフランスとの合作)。
30歳を過ぎて引退を目前にしながらウィンブルドンに出場する英国人の男子選手(ポール・ベタニー)と、米国から出場する若い女子選手(キル>>続きを読む
【ヒロインの少女に尽きる】
時代設定は1981年だそうです。
テレビや車は普及しているけれど、ケータイやスマホはまだなかった時代。
場所はアイルランドの田舎。
学校でも家庭でもうまく適応できていな>>続きを読む
【巨匠アンゲロプロスの実力が遺憾なく発揮されている】
ギリシアの巨匠アンゲロプロス監督の映画。
ロシア革命後に故国を追われてギリシアに移ってきたユダヤ人たちの運命を、象徴的な手法で映像化している>>続きを読む
【監督3人による競作だが、出来栄えはイマイチ】
イタリアの名匠アントニオーニ監督の提唱により、自身とウォン・カーウァイとソダーバーグの3人の監督が「エロス」をテーマに競作したオムニバス映画。
そ>>続きを読む
【ティア・レオーニを活かせないダメなウッディ・アレン】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
ウッディ・アレンの最新作。
私はアレンは好きではない。なのになぜ見たかというと、ティア・レオ>>続きを読む
【キリスト教の野蛮(その3)】
「キリスト教の野蛮」の「その1」と「その2」は下のリンクを参照して下さい。
実在の事件を映画化したというこの作品は、19世紀半ばのイタリア・ボローニャを舞台に、>>続きを読む
【カフカの原作をロシア人が映画化】
カフカ原作の有名な小説の映画化。
ただしドイツ語圏ではなくロシアの製作で、ワレーリィ・フォーキン監督によるものである。主演のエヴゲーニイ・ミローノフもロシア人>>続きを読む
【戦後まもないドイツの様子が印象的】
ドイツ映画。
敗戦のショックが尾を曳く1950年代半ば、サッカーのワールドカップ・スイス大会で、ドイツ代表が優勝し、自信を失っていたドイツ人たちに勇気を与え>>続きを読む
【反体制運動の両面】
ドイツ映画。『グッバイ、レーニン!』で世界的に知られるようになったダニエル・ブリュール主演。
第三世界の恵まれない人々に心情的に共感し、先進国の金持ちを批判する若者たち。彼>>続きを読む
【移民はマフィアを作る】
このタイトル、ヴァーグナーの長大な楽劇『ニーベルングの指環』の前夜劇である「ラインの黄金」のこと。
映画自体は、イラン人(クルド人)移民がヨーロッパで暮らす物語なのに、なぜ>>続きを読む
【時代と群像の映画】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
2003年のフランス映画。
日本では昨年暮れに公開され、私の住む地方都市には来なかったものの、半年遅れながら東京の二番館で見ること>>続きを読む
【新しい女優を探して下さい】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
2003年のフランス映画。
夫(ジェラール・ドパルデュー)の浮気を知った中年女性(ファニー・アルダン)が、夫の性的嗜好>>続きを読む
【虚飾に満ちた新人記者を描く】
アメリカ映画。
伝統ある雑誌編集部に勤務する若い記者がでっち上げの記事を書き、それが次第に暴かれていく様を描いています。
この映画のポイントは、詐欺やそれが暴>>続きを読む
【ジャガーはクルマだけじゃなく椅子も作っている】
ジョージア(グルジア)映画、エルダル・シェンゲラヤ監督作品。
主人公はジョージアの大臣ゲオルギ(ニカ・タヴァゼ)。担当は「国内避難民追い出し省」。>>続きを読む
【消防士の生涯を描いたハリウッド映画】
アメリカ映画。消防士の生涯を描いた作品である。
火事場で危機に陥り、まさに生涯を終えようとする消防士の回想の形で話は進行する。
自らの命を省みずに人命>>続きを読む
【虻蜂取らずの韓国アニメ映画】
韓国のアニメ映画。
22世紀、人類の大半が滅亡し、一部が「エコバン」という都市の内部と、エコバンに拒まれてその周辺部で生きているという設定で、エコバン側と周辺部の>>続きを読む
【朴正熙大統領時代の韓国庶民】
韓国映画。
朴正熙大統領時代の韓国(1960~70年代)を舞台に、大統領ご指名の理髪師として勤務した男と、その息子との物語である。
当時の韓国庶民の生き方、そし>>続きを読む
【ヨーロッパから見た米国軍隊】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
2001年の英国・ドイツ合作映画。
本来はもう少し早く公開されるはずが、出来た直後に9.11のテロがあったために延び延び>>続きを読む
【あまりに現代風な考え方の主人公】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
『ロード・オブ・ザ・リング』で一躍人気者になったオルランド・ブルーム主演。
12世紀のエルサレムを舞台に、キリス>>続きを読む
【ヒロインの美貌だけか】
BSにて。
『夕陽に立つ保安官』の姉妹編だそうですが、そちらは未見。
『荒野の用心棒』のパロディだという触れ込みですけど、喜劇色はそれほど強くありません。
二人の鉱山主の対>>続きを読む
【フランス的な味付けの「熱血教師と生徒」もの】
フランス映画。
戦後間もない頃、不良少年ばかりの寄宿制学校に奉職した中年男が、少年たちに合唱を教えることで生きがいを見出させていく物語。
熱血>>続きを読む
【良識や政治的正しさが先行した映画】
幼少時代を政情不安定なアフリカの某国で過ごしたヒロイン(ニコール・キッドマン)は、長じて国連の通訳として活躍している。ところがある日、ふとしたことから、その某国>>続きを読む
【英語コンプレックスはお互い様】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
韓国映画。
勤務先の役場に外人が来たときに誰もうまく対応できなかったという理由から、英会話学校に派遣されたヒロイン>>続きを読む
【進歩がないね、ソフィア】
かのエルヴィス・プレスリーに見初められて同居し、やがて妻となって一児をもうけるものの、離婚に至った実在女性の伝記を映画化したものだそうです。
1950年代末の西ドイツ。>>続きを読む
【アメリカ映画の多様性とバランス感覚】
わりに知られた映画ですが、BSでようやく鑑賞。
第二次世界大戦終了から9年後の映画。最初小説として書かれ、次に演劇になり、それから映画、という順序だったよう。>>続きを読む
【テンポ感があれば】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
くじ運が悪い私としては珍しく試写会に当選したので一般公開前に無料で見ることができました。
さて、ウィル・スミス主演で、恋に不器用>>続きを読む
【俳優は豪華だが作りはダメ】
ジュード・ロウ、クライブ・オーウェン、ナタリー・ポートマン、ジュリア・ロバーツという、男女4人の豪華俳優がそろった注目の映画。
英国を舞台に、アメリカから旅してきた>>続きを読む
【この手の韓国映画って】
エンタメとして作られた映画です。
だからあんまり考えずに見たほうがいいんでしょう。
でも、韓国のこの種のエンタメって、どこか暗いんですよね。
フィルム・ノワールと銘打って>>続きを読む
【チェ・ジウ主演の喜劇】
(以下は2005年に書いたレビューです。)
チェ・ジウ主演だからということで見に行ってみました。俳優のインタビューなどを仕事とする雑誌女性記者(チェ・ジウ)。堅物でまだキ>>続きを読む
【第一次世界大戦前夜】
BS録画にて。
20世紀初頭のモロッコを舞台に、イスラム教徒であるベルベル人族長(ショーン・コネリー)と、アメリカ人未亡人(キャンディス・バーゲン)とその二人の子供の、奇妙>>続きを読む
【身につまされる映画】
アメリカ映画。
時々記憶喪失に襲われる少年。長じて大学で心理学を専攻するが、ある時自分が過去に体験した事柄を書き記したノートを読むと、その時代に遡行して過去を変えられるこ>>続きを読む
【IT社会の欠陥を描く?】
今年(2024年)のコナンは映画館で鑑賞したのだけれど、前年のこちらは見損ねていた。さいわい、TVで放映してくれたのでタダで見ることができた(笑)。
一見するとITを活>>続きを読む
【四国のひなびた村の様子】
三原光尋監督作品。
ダムの建設で水中に消える村の姿を残しておこうと、村で写真館を長年営業していた男(藤竜也)が役場の依頼を受け、村の家族を一軒ずつ訪ねて写真を撮ってい>>続きを読む