shikibuさんの映画レビュー・感想・評価

shikibu

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異人たち(2023年製作の映画)

3.8

エレベーターのショットが美しい。
クラブのシーンからどんどんシーンが展開していって時制がシャッフルされていくのすごく怖かったし、ベットを振り向くと家族じゃなくて恋人がいるのめちゃくちゃ怖かった。いるの
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

2分間だけのあいだでどこまで逃避行できるかと車に乗ったり、逃げ始めたりする男女のシークエンスが刹那的ですごく良かった。ひとの生き死にが関わってくるところで、もっと尖ったことができそうな気もするが、まあ>>続きを読む

アイスと雨音(2017年製作の映画)

3.2

記録残してなかったことに気づいた。
当時のTwitterの感想から。

全編長回しのせいか、74分より遥かに長く感じた。演劇的ウソはいっぱいあったけど、映画的ウソがあんまなかった。ココロが役者と稽古し
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.8

本当に良かった。人生ベストに入るかもしれない。
ロケーションが相変わらず良い。昼時に暗いトンネルを歩く松村北斗と、夜に明るいトンネルを歩く2人の対比。
音響設計も最高。頭とラストのナレーションの対比。
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

目が見えないとはいえ、お母さんを妻のていにするのはバレそうだと思うけど、そういうコンゲーム的な要素が重要な映画じゃないから、よかった。ある種の寓話なのかなと。
不倫相手の男性を車内で撲殺しようとする瞬
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.5

面白かったけど、ずっと山場見せられてる気分で、どれが山場か分からないのはちょっと辛かった。
キリアンマーフィーの瞳。ゲイリーオールドマンが最高。
アインシュタインが、戦メリのロレンス役と知って驚く。

ほかげ(2023年製作の映画)

3.7

姉にも、母にも、店主にも、売春婦にも見えてくる趣里のカメレオンっぷり。
森山未來の虚無感。狂った帰還兵に手を当てるシーンが魔術的に素晴らしい。

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.9

演出、古っー、説教臭えって思うところがあるけど、それゆえに物語がどっちに転ぶか読めない良さがある。サイコパス岡田将生が慌ててるのおもろすぎる。
主人公の男の子めちゃくちゃ上手かったなあ。星乃あんなの振
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

これは笑っていいのか、ようわからんが、そういう感覚の映画をフィンチャーが撮ったことに驚いた。あんなに仕事論語った後にミスるの可笑しすぎるやろ。ラストの万事終わりよければ全てよしです的なナレーションも笑>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.7

"TOKYO"という、やたらと東京に似てる街のファンタジーと思うと、とても楽しかった。
主人公の姉が出てきて、家の前で話す時のライトがよかった。清貧の虚しさ。ラストのずっと顔写したカット見て、PERF
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

期待値低くしてたからか、思ってたより遥かに良かった。ゴジラが怖かったし、戦後の復興したての日本が壊れていくから、けっこう絶望感がすごかった。熱線のあとのキノコ雲とか黒い雨はやはりキツい。絶対的な暴力=>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ好き。
マウステテュトットの曲が流れるシーン、めちゃくちゃエモーショナルだった。ここでこの曲いれるセンス、ほんとすごい。みんなが聞き入ってるの映してるだけなんだけど、それだけですげえ心打た
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(2023年製作の映画)

3.7

面白かった。戦国時代の価値観を、暴力だけじゃなくて、男色の愛憎と絡めたのが新しかったし、たんなる物珍しさで描いてるだけじゃなくて、登場人物を動かす原動力として機能していたのが良かった。豊臣秀吉と、その>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

3.7

描写が全部嫌な痛さがあって辛かった。
ガラスの破片、靴の中に入れてるのが、嫌な痛み描写。

血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.7

面白い。木口は腕を刺され、週刊誌の記者は腕を折るという対比。
フレーミングかっこよいー。
追い詰められた木口が、ラウンジで喋ってる時に、前面に先輩の金井が出てくるカット、すごい構図で撮るなと思った。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.7

見終わったあとは凄いなと圧倒された。前情報なしで見たから、風立ちぬみたいなリアリティ路線か、それまでのファンタジー路線かも分からず、そのドキドキ感があったし、矢継ぎ早に情報畳みかけられる快感はあった。>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

凄い。ちょっと眠たくなったけど。。
父の誕生日を観光客みんなで祝う時の、青空バックに映された父親のショット、めちゃくちゃ綺麗な一枚絵なのに、虚無感が漂ってて凄かった。。
アンダープレッシャー流れるとこ
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怪物(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

2幕めまではめちゃくちゃ面白かった。安藤サクラも瑛太も田中裕子もすごかった。
特に瑛太の、湊を追い詰めたあとに見せる笑顔は素晴らしい。めちゃくちゃ怖かったし、ああいう表情になっちゃうのもめちゃくちゃ説
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.9

シンプルイズベスト
最高の仕事映画。
土日のオフィスの独占感と、そこに2人でいる連帯感がたまらなかった。プレゼン前に誰が迎えて、どのタイミングで人が入ってきて、ってすげえ段取り確認するのも、そのあとに
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捜索者(1956年製作の映画)

4.5

今更見たと言うのが恥ずかしくなるような、ド傑作。OPとラストショット、TwitterやYouTubeのbeautiful shots云々で散々見たけど、一本の映画の中で見ると感動が段違いだった。デビー>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

4.0

面白かった。たしかにイキウメっぽい。
訪問者の4人の造詣が、真剣なんだけど、真剣さゆえに狂信的とも受け取れるのが巧み。特にデイブ・バウティスタの落ち着いた語り口がめちゃくちゃ上手い。物語の構成は従来の
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.9

映画館で見た方がいい気がしたから駆け込みで。映画館でみてよかった!
音楽も音響も最高だった。ロトスコープは気になったし、演奏シーンの演出が終盤やや使い回しが気になったけど、とにかく音楽が良かった。はよ
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.5

風景の切り取り方が、00年代の青春映画を見ながら、田舎で青春時代を過ごした人のそれで熱くなった。
グラウンドでサッカーやってる男子の前のベンチで話し込む女子2人もよい。
調理室での一番最初のシーンのや
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神は見返りを求める(2022年製作の映画)

3.9

面白い。
露悪的で嫌いな部分もあるけど、それを加味しても、ゆりちゃんと田母神の、ひいてはこの映画のどこか不器用なところは、好きになれないけど、共感してしまう。
田保神が謝罪と思わせて、反省してねえよバ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

シン・ウルトラマンよりも、真っ当に見えるが、真っ当に見えれば見えるほど、その背後にはオリジナルの存在がちらつく。
海辺のロケーションとかめちゃくちゃいいんだけどな。
森山未來が立ったり座ったりする時の
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.6

坂本龍一追悼ということで見た。
故宮ロケが壮大。即位式も凄かったけど、城壁に挟まれた脇道を走り抜けるカットの奥行の深さに感動。
異邦人である自分の出自に苦悩するアラビアのロレンスが溥儀の家庭教師を演じ
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

めっっっっちゃよかった。
映画を撮ることの功罪を描くだけじゃなくて、ミシェルウィリアムズ演じる母親を通じて、自分の理想と家族の幸福が一致しないことの辛さも描かれてたし、一方でポールダノの父親のように自
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.6

3話目がラストのオチ含めて一番好き。変に人種差別批判に終わらないところが良い。
めちゃくちゃ話がよくできてるわけでもないけど、ついつい見てしまう。
ヘルシンキ篇の酔っ払いがタクシー待ってる時のポーズ、
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃよかった。
パクチャヌクで一番好きかも。

タン・ウェイに完全にやられた。
ファムファタールものなんだけど、男性→女性だけじゃなくて、女性→男性の愛情も描かれてたのが好き。咥えタバコしなが
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

めちゃくちゃ良かった。
キャスティングの妙。ミシェルヨーの疲れ具合がちょうどよかった。宇宙のことより、目の前の税務官との面談の方が大切なの、俗っぽくてめちゃくちゃ笑った。ラスボスの能力のでたらめさ、漫
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