金宮さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.5

『RRR』でもうっすら感じていたのですが、インド映画になるとたとえ大味でもみんなちょっぴり判定が甘くなるところがありますよね。

主人公が直情型がゆえに感情移入に迷いがなくなり「まいっか!」ってなるか
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しゃぼん玉(2016年製作の映画)

3.5

今週の情熱大陸が林遣都さん回なので、なんとなく予習的なつもりで観てみました。なんともまっすぐな作品で素直に感動しました。

ケレン味のまったくない作品なので、役者さんの演技が際立ちますね。特に市原悦子
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あんた(2022年製作の映画)

3.0

俳優さんが短編映画を監督するアクターズ・ショート・フィルム。どれからいくかーと思ったところで、『アンメット』で最近お会いした千葉雄大さんの作品にしました。

千葉雄大さん演じる男のセクシャリティを微妙
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

3.5

ちびまる子ちゃんに求められてるものをきちんと真正面で提供してくれつつ、「歌」というストーリーテーマを背景に、絶妙な選曲によるMV風の音楽パートを唐突に挟むのが最大の個性。

まるちゃんとシティポップを
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.5

いわゆる「賞狙い」の作品を蹴散らしてのオスカー受賞。ホラー作品としてはいまの時代に至っても依然唯一の栄冠。サイコスリラーの金字塔を打ち立て、そのジャンルの格式を確実に底上げたエピソードに胸は湧くものの>>続きを読む

インスタント沼(2009年製作の映画)

3.0

いつだって最高なんですが、やはりこの時期の麻生久美子さんは無双してますね。

正直、途中うとうとしちゃったんですがそれでもいいかなと思わせてくれるリラックスムービー。

三木聡監督、復活してくれーー。

別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

エリート刑事男と殺人事件被疑者女がガチ恋(不倫)しちゃう。もちろん被疑者側はとっても怪しいので、捜査にあたり「不倫の熱情」or「警察としての矜持」の葛藤に苦しめられる。

あらためてプロットを書き起こ
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.5

こんなにも苦しくなる追体験はこれまでなかったかもしれない。予備知識なく観はじめたがゆえに、一見ファンシーな様相に反して、じんわりと迫ってくる不安。それは的中してしまいそこからは家族という地獄が展開され>>続きを読む

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

『少年の君』のデレク・ツァン監督作品。今作ではっきりしたんですが、この監督は王道を下敷きにそこは充分すぎるほど楽しませておきつつ、さらに一味加えてスパイシーにする天才ですね。

自由奔放な安生と保守的
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劇場(2020年製作の映画)

4.0

又吉さんは創作系こじらせの痛々しい描写がほんとうに上手い。自身の感じたものを発露しているのだろうからとってもリアルだしグサグサ刺さる。

そして、そういった負の要素を鑑賞者にも伝わるかたちでアウトプッ
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

2.5

孤独シニアから財産を搾り取る悪徳法定後見人のドタバタ奮闘劇。

「奪う者と奪われる者がいるなら、奪う方を選ぶ」の冒頭モノローグ。誰もがどこかで聞いたことのある台詞。であれば相応の信念や、奪うことの葛藤
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赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

4.0

たまにもったりしたり、訳がわからん演出も多く確かにしんどい。でも途中で急展開するプロットとそこに日常的ノスタルジーと天文学ファンタジーを混ぜてくるコンセプトが抜群によい。

がまんして鑑賞していくとあ
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阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

3.5

森田芳光監督の中では間違いなく当たり枠。でも、期待値が高すぎたのはあったかも。

愛憎や不倫がにょきにょき出てくるプロットに「あ、これラストで関係者大集合しちゃう?」「怪演対決やっちゃう?」とずーっと
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ムカチノカチカ(2020年製作の映画)

3.5

宣伝会議が絡んだビジネス系映画祭のキャンペーンムービーで、内容は特になんてことないのだが監督脚本キャスト音楽の座組がとっても豪華。

しかも割といつもはひねくれてることが多い個性を爽やかに全振りしてい
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キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

よしもと芸人のイタいファンがちょっぴり話題になっていたので、過激ファン系ストーカーといえばでおなじみ&『ジョーカー』の元ネタとなったこちらを鑑賞。

思ったより『ジョーカー』はまんまやってましたね。デ
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殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ラスト桜井日奈子さんが生きる意味を見出すところで単なる感動ともいえない気持ちに揺さぶられる。

その前フリとなっているのが、乱暴すぎる言葉づかいで表現される主役2人の厭世感だと思うのだが、流石にやりす
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なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)

4.0

『ひらいて』の首藤凛監督の初期自主制作映画ということで鑑賞。素晴らしかったです。

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女子高生主人公あきちゃんのほぼ初恋の相手である岡田には、なっちゃんという彼女がいた。無神経な岡
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.5

たまたま出会った、余命いくばくもない男2人が、死ぬ前にまだ見たことのない海を見に行く。やけっぱちな2人は窃盗やら強盗やら、はちゃめちゃやらかすので、警察やアウトローも交えた逃避行となる。

余命モノで
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やがて海へと届く(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

大切な人を失った喪失感。観客にのみ「素直に打ち明けていれば違う未来もあったかも」をうっすら伝え、切なさを倍増させる仕掛けをしている。終盤のアニメーションパートも、死後の浜辺さん視点で陸前高田を訪れた岸>>続きを読む

SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者(2012年製作の映画)

5.0

2012年はR-指定がMCバトル大会3連覇する初年度。いまやフリースタイルバトルも地上波放送されるほど。アンダー寄りのヒップホップはお馴染みのものとなりましたが、公開当時はまだまだこれからの黎明期です>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.0

キャッチコピーに寄ると、映画史を塗り替えたらしい今作の世界を美しいと思えるかどうか。

作品の高尚っぷりに対してとても下劣な感想になってしまいます。すみません。私のイカれた審美眼では、メイン2人、引い
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

3.5

なにか爽やかな映画観たくてチョイス。ジョン・カーニー監督なんで、平均点以上になるのは約束されてるようなもの。その期待にばっちり応える佳作でした。

キーラ・ナイトレイの歌声は透明感ある感じが素敵で、日
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羅生門(1950年製作の映画)

5.0

登場人物の主観によって、ひとつの出来事が好き勝手に姿を変える。「蔑んだ目の夫」「うっとりする妻」「赤ちゃんの肌着まで盗もうとする」は自分の心がそう見せてますよね。

後に「羅生門効果」と呼ばれるほどお
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The Spirit of Wonder チャイナさんの憂鬱(1992年製作の映画)

3.5

ジャケットにひかれて鑑賞。内容は多国籍な感じが不思議な設定のトンデモSFって感じで、のんびり楽しめました。というか原作が鶴田謙二さんなのをエンドロールで気付きました。

こういう系の作品って今だとトー
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.5

とにかく映像美に全振り。
ウォン・カーウァイらしさが炸裂している。

グリーンとオレンジを差し色とした画が、接写や斜め画角の多用でより印象的に。それらをカット割の連続で乱打し、唯一無二の疾走感を発生さ
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僕たちは変わらない朝を迎える(2021年製作の映画)

3.0

『市子』の監督が、自分の作家性を丸出しにしたらこんな作品になるのが意外だった。

映画監督は私生活で発生した別れをどのように脚本に反映させるべきか?「理想ではなく希望を書け」と先輩に言われてしまう。な
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少年の君(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いじめ問題に抗うべく真正面から描く。
直球勝負が個性とも言える大名作。

中盤の2人が幸せそうに遊ぶ一連のカットは繊細なピアノの劇伴もあってとっても美しいシーン。多幸感に溢れすぎて、このまま終わるわけ
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ブリグズビー・ベア(2017年製作の映画)

4.0

多幸感に溢れ、凄過ぎる完成度。100分に満たない時間でたくさんのメッセージが詰め込まれ、しかも押し付けがましくない。鑑賞者はフラットに受け止められる。

「好きなことを諦めない」
「偏見なき友情の素晴
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の・ようなもの(1981年製作の映画)

3.0

森田芳光監督のデビュー作。なんだか意外な作風だった。

とにかく軽妙な雰囲気でとりとめのない会話がぽんぽんっと連続していく。ところどころ破茶滅茶な演出もはさまり、とっても不思議な作品なんだけど雰囲気は
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恋は光(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いい年してこんなに恋について考えるとは。でも作品のつくりのおかげで思ったより恥ずかしくなかったです。

「恋をしている女性が光って見える」は特殊能力でもなんでもなく「あ、この人そのモードだ」と勘づいた
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.0

芸術をとるか?家族をとるか??その葛藤の象徴が「母親の不倫を撮っちゃいました、、それで家庭がぶっ壊れちゃいました、、」ということで合ってるのかな??

だとしたら単純に思春期の子どもには可哀想なだけで
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.5

ミステリー要素は中盤あたりで大体の決着がつく。それ以降は争点を、陣治の言動が「無償の愛」なのか「孤独を恐れた打算」なのかどっちだ?として観てみた。

衝撃的なラスト。そっか別に二項対立にしなくてもよい
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ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公ウィリーはハンガリー名前からの改名で、ニューヨーカーであることをやたらと主張する。要はかぶれ野郎。アメリカには何かあるはずと漠然と思っていそうだ。

でも見つからない。真っ先に向かうのはハンガリ
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