俳優さんが短編映画を監督するアクターズ・ショート・フィルム。どれからいくかーと思ったところで、『アンメット』で最近お会いした千葉雄大さんの作品にしました。
千葉雄大さん演じる男のセクシャリティを微妙に描くことで、恋愛か?友情か?の単純な二項対立とはせず、「嫉妬心」のやり場のなさがより際立つ仕掛け。何への嫉妬?と聞かれると意外と説明が難しく、もやもやレベルが上がって切なさマシマシ。
「あんた」の呼称は性自認の曖昧さを増幅させるだけでない。親密さを感じるくだけた呼び方だけど「おまえ」程の高圧さがなく、関係性の表現としてベストチョイスで真似したくなるかも。
でも流石に連呼しすぎで、脚本はちょっと粗いかな?と思ったところ伊藤沙莉さんがそれをかき消す。いつも思うのだが演技が抜群に上手いというより、脚本の臭みを消す達人だなあと唸らされることが多い。