たかちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

たかちゃん

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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

3.6

いるね、こういう好人物そうで、実は攻撃的性格で相手を支配したがる危険な奴。本作は、そういういい人ぶりアピールの虚言癖オランダ人夫婦に目を付けられ、お泊りの招待を受けてしまったデンマーク人夫婦が遭遇する>>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.8

松居大悟作品は、いつも予想外の設定、構造をぶつけてくる。今回も多角的な解釈が可能な迷宮世界に導いてくれる。冒頭の、少女と少年のシーンが重要なキーワード、伏線である。少年に恋した少女は、高校で彼と再会、>>続きを読む

ボストン1947(2023年製作の映画)

3.9

1936年ベルリン・オリンピックのマラソンで、日本の選手として金メダルをとった孫基禎(ソン・ギジョン)。韓国では英雄扱い。1946年には孫基禎記念マラソンが開かれる。コーチのナムは、1947年ボストン>>続きを読む

FARANG/ファラン(2023年製作の映画)

3.7

土地を手に入れ、夫婦で夢をかなえようとするが、土地の持ち主はギャングだった。麻薬を運べば土地を譲るといわれ、運ぶことを承知するが、空港で麻薬犬に察知され、失敗。怒るギャング。家族は皆殺し。難を逃れた男>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.9

徳島市立高等学校演劇部生徒の戯曲の映画化。『アルプススタンドのはじの方』も面白かったが、あちらは集団劇だったのに対し、本作は4人の女子高生と女性教師(プラス野球部マネージャーの女子生徒)と少人数で、そ>>続きを読む

人間の境界(2023年製作の映画)

4.4

アグニェシュカ・ホランドの怒りが伝わってくる。ベラルーシからポーランドに逃れても、国境警備隊に捕まり、またベラルーシに。活動家に助けられても、またベラルーシ。難民、活動家、無慈悲な国境警備隊。有刺鉄線>>続きを読む

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ(2022年製作の映画)

2.3

実話の映画化。グァンタナモの収監された息子を助けようと、母親と弁護士が走り回る。コメディ仕立てにもなりそうだが、コメディではない。グァンタナモの告発にもなっていないし、アメリカ政府との闘いにもなり損ね>>続きを読む

無名(2023年製作の映画)

4.0

中国を舞台にしたスパイ劇。日本人は当然悪役。チャン・イーモウ『崖上のスパイ』の映像美、ロウ・イエ『サタデー・フィクション』の上海を舞台にした諜報員の暗躍。本作も上海を舞台にしたスパイ活動を描いているが>>続きを読む

プリンス ビューティフル・ストレンジ(2021年製作の映画)

4.0

プリンスは、映画『パープル・レイン』は観ているが、熱心なファンではなかった。本作を観て、差別の激しいミネアポリスを最後まで故郷として寄り添い続けたことを知った。そして、その地からミネアポリス・サウンド>>続きを読む

潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(2023年製作の映画)

3.6

イタリアの潜水艦が、船籍不明の貨物船を撃沈。中立国ベルギーの船であった。海上の乗組員を救助するが、船内の空気は不穏。仕方なく鉄拳制裁で対立を納める。問題は敵国イギリスの支配するジブラルタル海峡を航行し>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.8

環境破壊企業と、森を守ろうとする住民との説明会。企業側の説明役2人が、企業に嫌気がさして村人と合流する。表面上の話は、今更環境破壊問題かよ、と言いたくなるのだが、なにか隠された話がありそうだ。だが、読>>続きを読む

怪談晩餐(2023年製作の映画)

2.7

韓国の5人の監督による短編ホラー5本立て。内容は、オーディション、ペット、スポーツジム、リハビリ、大食い。どれも少女コミック的世界観で、呪いネタが多いが、ジュブナイルを意識したのか、オチは人を呪わば穴>>続きを読む

スチャラカ社員(1966年製作の映画)

3.9

尻尾の先までギャグが詰まっているが、秀逸なのは、レストラン「チャラ」における、パイ投げならぬスパゲティ投げ。食べ物は大切にしましょう、と言いたくなるほどの物量で、果てはチャラ崩壊。『ハワード・ザ・ダッ>>続きを読む

ちんころ海女っこ(1965年製作の映画)

2.8

なにもない島。海女で観光客を呼ぼうと大看板を掲げるが、効果なし。左卜全が温泉を掘り当てるが、島民は欲に浮かれる。
前田は狂騒的な人々を描いても、どこか冷めている。笑えない喜劇となったのは、善人がおらず
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陰陽師0(2024年製作の映画)

3.9

本作への佐藤嗣麻子の起用が成功している。『エコエコアザラク』のように、呪術を豊かなイマジネーションで描くことができている。面白いのは、少女コミック的なイメージに満ちており、奈緒が登場すると花が咲き、背>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.5

山田太一原作をイギリスに移しての映画化。大林版を超えていないが、クィア、ゲイを持ち込んで、主人公の孤独感協調をしようとしているが、それが逆に両親の存在感を薄くしている。大林版には、使われていない駅とか>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

1.6

観ていて、不快な気持ちに襲われた。24年も経て、ぬけぬけと会いに行く男、という設定が理解できない。夫が傍らにいるのに、韓国語で延々と会話を続ける男も無神経だが、女もそれを受け入れるのは、夫に甘えている>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.3

刀、記号の謎は早く解けて、あとはアクションが続く。謎解きをじっくり見せてほしいところだが、アニメだからアクションが見せ場になるのは仕方がないか。
北海道、土方歳三とくれば「ゴールデン・カムイ」のスピン
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.2

自然光で撮った映像は、時には逆光でプリシラを捉える。きらきらと輝くプリシラ。エルヴィスとの出会いから別れまでを描いているが、微妙な心のすれ違い、閉塞感を繊細に捉えている。アン=マーグレットに嫉妬したり>>続きを読む

虹を掴む男(1947年製作の映画)

3.0

ダニー・ケイの映画は、『五つの銅貨』、『ホワイト・クリスマス』、『シャイヨの伯爵夫人』、そして本作しか見ていないので、喜劇役者という印象が薄い。国連ユニセフ大使を務めるなど、作品、行動にヒューマニズム>>続きを読む

進めオリンピック(1932年製作の映画)

2.5

借金まみれの小国のプリンセスに恋したブラシ営業マン。借金返済案が評価され、実行に動き出す。国民あげてオリンピックに参加し、優勝しようとするのだが、重量挙げ、砲丸投げなど、能天気な描写ばかりで、ハラハラ>>続きを読む

御冗談でショ(1932年製作の映画)

3.2

マルクス・ブラザースは、狂騒的で、観ていて疲れる。でも、それは彼らでしか出来ない芸であることは確かだ。本作はグルーチョが大学の学長に。しかし、騒々しいだけで学問、教育に対する批判も問い詰めることもない>>続きを読む

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

2.6

第1作(76)の前日譚だが、つじつま合わせのようで、1作目にあった驚きがなく、スケールも小さい。修道院ホラーとしても、『死霊館のシスター』に遥かに及ばない。
最初のステンドガラスが割れるシーンから肩透
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

2.6

邦題に釣られて見てしまったが、音楽映画ではない。息子とそのガールフレンドを助ける話で、凡庸というしかない。マリサ・トメイに喰われて、アン・ハサウェイほかの存在感がない。P・ディンクレイジも悩めるオペラ>>続きを読む

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

4.7

ファティ・アキンは音楽ドキュメンタリーでもわかるが、音楽、民族への造詣が深い。本作は音楽と民族(主人公はクルド人)に加えて、暴力、ギャング映画の面白さが力強さを与えている。まるでスコセッシ作品のようだ>>続きを読む

アラスカ珍道中(1946年製作の映画)

4.1

鉱山の地図の争奪戦コメディ。悪人から奪った地図を懐に、地図の持ち主(ヒロイン)のいる街にやってきた二人。ややこしいのは、悪人の名をかたっていること。そして、ヒロイン以外は悪人というのもすごい設定。犬橇>>続きを読む

毒薬と老嬢(1944年製作の映画)

3.9

キャプラにしては、強烈な毒気。訪問者を殺しては、低調に埋葬する老嬢。結婚報告に帰郷したカップル。夫は死体を発見。それを隠蔽しようとするが、警官、殺人鬼、医者などが参入。その落としどころは、というスリラ>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

原爆開発者が、核管理強化、水爆開発反対を主張したため、ソ連のスパイだの共産主義だの中傷にさらされ、共和党マッカーシズムの公聴会で証言を強いられ、結果、研究所から排除される。国家に貢献し、利用され、果て>>続きを読む

青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.1

仕事柄、70年、80年代は出張で名古屋によく行き、夕方から映画館にも立ち寄った。だが、シネラマ名古屋、中日シネラマというビッグキャパシティの大型劇場も、名宝スカラ座も今はない。名古屋東映、東映パラスに>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

4.1

見ていて、「殺人の追憶」を想起した。迷宮入り。サスペンスとコメディの融合。そこは共通しているが、韓国作品には冷ややかさがあったが、本作はどことなく明るさがある。
容疑者の証拠、アリバイの壁。容疑者の部
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ラ・カリファ(1970年製作の映画)

4.0

「永遠のフィルム・マエストロ/エンニオ・モリコーネ特選上映」
「死刑台のメロディ 4Kリマスター・英語版」と、本邦未公開だった「ラ・カリファ」。
『死刑台のメロディ』は渋谷パンテオンで観たが、よくぞあ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

素晴らしいイマジネーション。迫力ある殺陣と美が両立している。豪華なキャスティングで、それぞれのキャラクター造形に深みがある。見せるべき場面を大胆に省略する潔さ。それが観客の想像を促す。
ティモシー・シ
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変な家(2024年製作の映画)

1.3

変な映画。間取りのネタで興味を持たせるが、殺人部屋という凡庸な話に転じ、睡魔に襲われた。目覚めても、説明セリフが多いので、理解できた。画つくりが汚い。グロにも美学があるのに、これは汚いだけ。ウェス・ク>>続きを読む

恋わずらいのエリー(2024年製作の映画)

2.6

エリーの変顔とオーバーアクトが楽しい。だが、オミ君のキャラ設定がおとなしく、両者の演技バランスがとれていない。エリーばかりが印象に残った。オミ君の顔は昭和では二枚目ではないと、後期高齢者のワシは思った>>続きを読む

おんな番外地 鎖の牝犬(1965年製作の映画)

3.4

卑劣な男を刺して刑務所入り。ムショ仲間の思いやりと親切に、頑なな心が次第に開かれてゆく。だが、権力、支配には抵抗する、という展開だが、脚本が舟橋だから例によって凡庸。村山演出と、演技力の優れた女優たち>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.1

日本映画だが、日本=香港=タイ共同出資の金子修介監督作品。
次々と登場人物が殺される展開は、金子の『デス・ノート』を彷彿とさせる。大人(岡田将生)の殺人鬼を、突き落としを目撃したと恐喝する13歳の3人
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