たかちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

たかちゃん

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緑の夜(2023年製作の映画)

4.0

空港の保安検査員の女性が薬物取引に巻きこまれ、二人の男を殺しての逃避行。中国の女性監督、ハン・シュアイのスリラー。ジャンプカットの多用、極限まで削り込んだセリフは、会話のキャッチボールがほとんどない。>>続きを読む

ニューヨーク・オールド・アパートメント(2020年製作の映画)

3.8

クロアチア人の女性、クリスティンの話をしよう、というペルーからアメリカにわたってきた少年の主観で描かれる悲惨な青春映画。英語学院で知り合う兄弟とクリスティン。兄弟の母親は男にだらしがない。兄弟はそんな>>続きを読む

パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

3.4

パットは、レイシストで支配欲の強い母親から逃れ、フランスへ。そこでも警察の介入により、スイスへ。パットは恋人(同性愛)と暮らすが、やがて静かな暮らしを択び、猫に囲まれて亡くなる。彼女は「居場所」を求め>>続きを読む

秦・始皇帝(1962年製作の映画)

1.9

『モンペさん』
田中重雄の戦意高揚映画(44年)。戦闘機製造工場や、隣組での訓練などが描かれるが、面白味に欠ける。飛行機製造の必然性がなく、病院勤務だってかまわないのだ。
『別れも愉し』 
これも田中
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.1

フランソワ・オゾンの犯罪コメディ。いや、無名の女優であるヒロインは犯罪を行っていないのだが、(同性愛の)弁護士と結託して無罪を勝ち取り、売れっ子女優となる。そこへ真犯人が現れる…。ネタは盛沢山だが、深>>続きを読む

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.1

ロウ・イエのスパイ・サスペンス、しかしロウ・イエがエンタメ系の作品に仕上げるわけがない。やはり劇中劇と現実をだぶらせ、話をわかりにくくしている。これがチャン・イーモウだったら『崖上のスパイ』のようにメ>>続きを読む

香港ノクターン(1966年製作の映画)

1.8

『踊りたい夜』のリメイク。悪い箇所の手直しはせず、そのまま。手品師の父親の搾取、飛行機事故もそのままで、良いところを見出すことはできなかった。

踊りたい夜(1963年製作の映画)

1.9

小生が井上梅次を評価しないのは、彼の作品をリアルタイムで見始めたのが60年代末から70年代という駄作を連発していた松竹時代で、彼に対する信用はゼロだった。それでも『死の十字路』、『第三の影武者』など、>>続きを読む

唄う六人の女(2023年製作の映画)

3.8

石橋義正は、『狂わせたいの』、『オー!マイキー』で忘れられない映画作家だ。そして本作は、『マイキー』の静止画のような女たち、日常と非日常を行き来する会話も『マイキー』的だ。しかし、女たちの集落の説明が>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

4.1

RRの監督作はいつも大満足を与えてくれる。『スパイキッズ』、『マチェーテ』から『シンシティ』まで、自分の納得できる世界観を作り上げる。本作は。催眠術、超能力という陳腐な題材でありながら、強引で斬新な、>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.3

本作のキーワードは「理由」。理由があるはずだ。いや、理由はないのです。このやりとりが諄いまでに強調される。だが、家族が集まってからは、世渡りの不器用な人々の、怒り、妥協に不快感が残る。実際にはお近づき>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

殺し屋がターゲットを狙いながら、オフのセリフで、自戒などを述べる。次の章は、一転してセリフを極限まで削った、メルヴィルを思わせる静かな世界だ。そして、レストランでのティルダとの会話は緊張感がありながら>>続きを読む

マイ・ハート・パピー(2023年製作の映画)

2.4

婚約者は犬アレルギーだった。そのため愛犬を手放すことに。従兄と一緒に愛犬の里親探し。しかし、訪問先では逆に犬を押し付けられ、犬の数が増えてゆく。犬肉鍋店に売られそうな犬を買い取ったり、捨て犬を拾ったり>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

5.0

オクラホマの先住民オーセー族の富を、殺害などの方法で搾取する白人たち。ディカプリオは結婚という方法で搾取を計画する。インシュリンに毒物を混合するのだが、妻はそれを知っていながら受け入れていたのか。ヒッ>>続きを読む

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)

2.1

公的な事件が、次第に私的事件に矮小化される。視点も定まらず、これは孫娘の母親の視点で描くべきではなかったか(母親の様子をまったく描いていないから、母親の狂言かと思った)。議員秘書も有能な日常の仕事ぶり>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.1

AIロボットを護ろうとする男と、抹殺しようとするグループ。AI少女のキャラは可愛げがなく、『ゴールデン・チャイルド』のようなユーモアもなく、闘いの繰り返しで話を転がしたエンタメ作品の域を出ていない。ど>>続きを読む

リゾートバイト(2023年製作の映画)

2.4

「きさらぎ駅」が面白かったので観てみたが、前作には及ばなかった。脚本に問題があるのだろうか、視点が定まらず、これなら番頭の視点で描くべきではないか。坊主の説明セリフから経文とカミフダに依存するので、面>>続きを読む

マリの話(2023年製作の映画)

3.2

本作はエンタメ系の作りではない。商業性に左右されることのない、作家主義の映画である。従って、面白さを見出せるか否か。観客を選ぶ作品といえよう。
4つのエピソードで構成。話は繋がっているが、独立している
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.5

ガイ・リッチー、ジェイソン・ステイサムのアクション・コメディ。AIを奪い返すのに、俳優を仲間に引き込んだり、段取りは面白い。しかし、作戦を実行に移すととたんに盛り上がらなくなる。それは指示役がいるから>>続きを読む

アナログ(2023年製作の映画)

4.2

静かで、無駄なセリフを排除し、少ない登場人物で作り上げた感動作。ヒロインの上品で清潔なキャラクター。男も誠実で応援したくなる人物だ。北野武監督脚本の「あの夏、いちばん静かな海。」と共通する世界だ(やく>>続きを読む

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.3

取り敢えずは面白い。しかし、粉飾過多で、蔵の鍵はなくても話は成立するし、階段の油などの寄り道は本筋の伏線になっていないので、いらない。写真からの推理は強引だが、ぎりぎり許容範囲か。出演者は豪華だが、客>>続きを読む

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.7

若き尼僧が、悪魔祓いの使命を帯び、イタリアの学校(元協会)へ。学校のエピソード(校長の娘がいじめられている)と尼僧のエピソードが、イタリア到着でひとつになる。広々とした田園風景と閉塞的な学校の対比。生>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

救いのない、ダークな世界。殺戮の基準が、心が残っているか、否かというもの。要介護でない若者にも心のない人間は巷に溢れているから、説得力はない。むしろ「救済」と言った方が理解できる。出産を対比しても、鑑>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

4.3

塩田明彦のコメディ。登場人物は変な人ばかり。悪人は登場しないが、柄本佑がちょっと毒のあるキャラクターでヒロインを翻弄する。先生も真の性に目覚め、ヒロイン弓子も成長(あるいは転落)する、変なハッピーエン>>続きを読む

君ゆえに(1954年製作の映画)

3.3

人物のキャラクター作りは見事。しかしあまりにもご都合主義的設定は目に余る。足に障害があったり、隠し子がいたり、それが押し付けられた結婚から救うことになるのだが、女性が奮然と式場を後にするシーンから列車>>続きを読む

続・向う三軒両隣 第三話 どんぐり歌合戦(1950年製作の映画)

2.3

斉藤寅二郎にしては、笑いが乏しい。脚本に問題があるのだろう。貧富格差、傷痍軍人、孤児といった終戦後のすさんだ世相を反映しているのだが、それがコメディから逸脱させ、斉藤寅二郎の持ち味を奪っている。

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

4.0

冨永の音楽映画であるが、井上梅次のような、小手先でつくったような安直な印象はない。しかし、凝り過ぎて意図が読み取れないところもある。池松の二役の狙いなど、最初は混乱した。そして終盤のゴミ捨て場の不条理>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.7

1作目はホームセンターのシーンが印象的なサスペンスであった。本作も『ジョン・ウィック』のように世界観が大きくなっていく。3作目はシチリア、ナポリ、ローマとイタリアが舞台。薬物取引のマフィア組織を壊滅さ>>続きを読む

娘の季節(1968年製作の映画)

3.9

樋口弘美という監督が気になる存在だった。日活児童映画の監督で、一般映画は本作だけ。役者の立ち位置をよく考えており、芦川と和泉の対立は背中合わせで会話させている。バス会社の合理化に反対する労働者の置かれ>>続きを読む

大森林に向って立つ(1961年製作の映画)

2.9

野村孝の丁寧で誠実な演出が、本作にはまるで反映されていない。内容も「渡り鳥」と「ギャンブラー」を混合したようで、丹波哲郎も宍戸錠のキャラのコピーかと思うほど、丹波らしさが失われている。そして、アキラが>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.4

原田眞人は『さらば映画の友よ』からの付き合いで、失敗作も含めて楽しませてもらっているが、本作は失敗作に近い出来と言わざるを得ない。主人公の姉弟はバッドだが、それを許容できるキャラクターになっていない。>>続きを読む

ロビンソン漂流記(1954年製作の映画)

3.0

ブニュエル作品の中では、失敗作と位置付けられているが、なにしろメキシコ時代の作品だ。再評価すべき作品かもしれない、との期待も込めて接したのだが、ブニュエルらしさは見出すことが出来なかった。まず、一人称>>続きを読む

⾼野⾖腐店の春(2023年製作の映画)

3.2

豆腐作りに始まり、豆腐作りで終わる。しかし、ハナシは豆腐とは関係ない。豆腐店の娘・ハルの結婚だ。つまり、鮮魚店でも床屋でも成立するハナシなのだ。娘の連れてきた男が父親は気に入らない。それが病院で見かけ>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

4.2

リチャード3世の死の真相を明らかにし、彼の名誉をさせようとする女性。一種の推理劇であり、探偵ものの要素がある知的作品。しかしスティーヴン・フリアーズにしては、どうも物足りない。『グリフターズ 詐欺師た>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.5

リンクレイターだから、ただのホームドラマではない。ブランシェットは壊れた主婦であり、優れた建築家。ママ友や近所とのお付き合いが苦手で、攻撃的になる。家族で南極旅行に行く計画を進めているが、トラブル発生>>続きを読む

突然の花婿(1952年製作の映画)

2.9

新婚のトニー・カーチス、軍務に戻らなければならない。新妻との時間を過ごしたいのだが、妻の実家では邪魔が入るし、義母はとんでもない毒母。妻の勤務先の社長からは、セメント運搬鉄道を敷くので、土地を売れと言>>続きを読む