たかちゃんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

たかちゃん

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真昼の暴動(1947年製作の映画)

3.2

残虐な刑務所長、人情家の医師、脱獄計画を密告する囚人、といったキャラの活かし方が巧い。女優陣が豪華。しかしチョビっとしか出演シーンがないのが残念。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.8

中国人との友情。彼がいたから生き延びられた。二体の白骨は、最後まで一緒だった証だ。登場人物は個性的だが、どうも好きになれないし、ハナシに奥深さが感じられない。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

渋谷区の公園公衆トイレの清掃人は几帳面だ。仕事ばかりか、生活のリズムも大切にする。起床から仕事(鏡まで使う)、帰ってからの銭湯も鼻の下まで必ず湯船につける。その日々が丁寧かつ簡潔に描かれる。相方の若者>>続きを読む

ハンガー・ゲーム0(2023年製作の映画)

3.8

前三部作の前日譚。迷宮のようなゲーム。蛇と歌で切り抜けるヒロイン。そしておしゃべりな鳥が危機を招く。教育係の人道的な青年が、のちに独裁者に変貌するのだが、端々にその兆候を垣間見せる。お子様向けのようで>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.3

黄金色の小径。ラストの円周パンニング。映像の力強さ。音楽不使用が成功している。ポーリーヌ役のボニー・シャニョー・ラボワールの初々しい美しさ。トラン・アン・ユンの実験映画の成果ともいえ意欲作。

きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

2.3

ヘンなタイトルだが、見合い結婚には愛がないという話なので、なるほどその通りのタイトルなのだ。パキスタン人、見合い結婚、ドキュメンタリー製作というおかしな組み合わせの、つまらない作品だが、リリー・ジェー>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

2.8

白人至上主義の集団に壮絶なリンチにより殺害された黒人少年。白人ばかりの陪審員による裁判。母親の怒りが公民権運動につながる、という作品だが、不思議なのは、殺される黒人少年の描き方だ。事実に基づく描写なの>>続きを読む

マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

1.7

レナードの妻・フェリシアが主人公。恋愛結婚、乳がん、夫が男色家であることに悩み。夫婦仲は最悪に。ところが「夫は憎しみを抱いていなかったのね」と突然の和解。レナードの履歴はフェリシアとの会話で説明される>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

4.0

ギャスパー・ノエが描く、老いの恐怖と哀しさ。夫、妻の同時間の行動を、画面分割で描く。夫は痴呆症の妻を心配しているが、その妻に救われる。夫は妻を守っているようだが、押しつけがましい。息子は両親を心配し、>>続きを読む

上陸第一歩(1932年製作の映画)

4.8

フランス映画のようにモダンで、素っ気ない会話。物欲しそうな態度をとらない男。女も愛を語らずとも、説得力のある行為を見せる。難を言えば、銃弾を3発食らっているのにピンピンしていることか。島津はどの作品も>>続きを読む

怪物の木こり(2023年製作の映画)

3.0

脳内チップが壊れ、サイコキラーに変貌。主人公は弁護士という設定だが、依頼人と話すシーンはなく、法廷場面もないのが物足りない。これでは弁護士の設定という必然性がない。法廷で暴れてほしかったな。菜々緒の刑>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.1

婚姻届のシーンで始まり、婚姻届で終わる。その間、過去に遡る。しかも時間軸が飛んだり戻ったり疲れる。市子の性格も掴みにくく、杉咲花としては最良とは言えない。演技が悪いのではなく、脚本(構成)に問題がある>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.6

飛行中の航空機が雷にやられ、フィリッピンの島に着陸。そこは武装グループの居住地だった。本作は『スネーク・フライト』のような機内を舞台にしているシーンは少なく、武装グループから乗客を救おうとする機長と護>>続きを読む

名人長次彫(1943年製作の映画)

2.2

彫り物師が彫った観音像を、「魂が入っていない」と女に言われる。役人に追われる友を匿う彫り物師。役人に騙され、密告するハメに陥る女。その心の揺れ動きが見どころなのだが、そこに至るまでが苦痛。

我が家の風(1943年製作の映画)

1.3

女性が涙を流す場面が幾度も出てくる。しかし、その涙は出征することへの涙ではない。男と離れることへの涙であり、反戦思想はない。田中重雄は軍部の要請に応えた戦意高揚映画を佐々木康と並んで多数作っている。し>>続きを読む

隣人X 疑惑の彼女(2023年製作の映画)

2.0

登場人物は、揃って相手の気持ちが理解できない。平然と裏切ることが出来る。雑誌記者はターゲットの女性に近づき、家族をも利用する。最初から恋愛感情などなかったのだ。これを恋愛とかロマンスで括ることは間違い>>続きを読む

バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

3.4

スペイン映画のリメイク。韓国版のリメイク作は見ているが、やはり話はほとんど同じなので、どちらが優れているか、という比較はあまり意味がない。元ネタを探れば、『スピード』、『新幹線大爆破』だが、本作にはビ>>続きを読む

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

2.0

第1作の続編というが、まったく新しいエピソード。しかもフリードキンの音に対するこだわり、実験精神は本作にはない。3日間行方不明という3日間も活きていない。悪魔祓いなら、『死霊館のシスター』の方が遥かに>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

ナポレオンがフランス軍に加わるところから始まるサクセス・ストーリーであり、次々と戦いシーンを見せてくれる。だが、本作の肝はジョセフィーヌへの愛に苦悩し、裏切られつつも、別れてからも文通を絶やさなかった>>続きを読む

人肌観音 第一篇(1937年製作の映画)

2.2

笛がマクガフィン。その笛が簡単に敵に奪われたり、他愛もなく奪い返したりするのがちょっと安易過ぎる。そして高田浩吉までいるのにユーモア皆無。そこが衣笠らしいのだが…。

自来也/忍術三妖伝(1937年製作の映画)

3.5

1937年の忍術映画は、姿を消したり、ガマの上に乗って、敵をガマに吸い込んだりと、他愛もないのだが、マキノは特撮を楽しんで作っているようだ。そしてマキノ好みの勝気な娘、そしてユーモア。

ほかげ(2023年製作の映画)

4.1

少年の地獄めぐり。登場人物に幸せな人はいない。戦争が不幸の原因なのだ。本能的に食料を求める。上官への復讐は、殺さない。生かしておく方が辛いのだ。塚本は『野火』同様、戦争と飢えを描き続ける。

白日青春 生きてこそ(2022年製作の映画)

4.2

香港のタクシー・ドライバー(アンソニー・ウォン)が、父を事故で亡くしたパキスタン難民の少年と知り合い、少年を守ろうとするが…。盗みのグループに利用され、労働力を搾取されている少年。タクシー・ドライバー>>続きを読む

ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター(1980年製作の映画)

4.4

1979年7月、ジャマイカで開催された第2回レゲエ・サンスプラッシュのドキュメンタリー。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズに痺れる。だが、本作はジャマイカの闇をも見せてくれる。ジャマイカのガンジャ(大麻>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.7

朝鮮王朝時代。清から人質となっていた王子が帰ってくるが、毒殺される。宮廷で働く盲目の鍼医師が、それを’見て‘いた。その犯人を宮廷にしらせようにも、相手が犯人側かもしれない。ようやく信用できる人物に知ら>>続きを読む

サウンド・オブ・サイレンス(2023年製作の映画)

3.7

音をたてると何者かが現れる。決して音をたててはいけない、という設定は目新しいものではない。しかし新しい仕掛けがあちこちにめぐらされており、結構はらはらさせられた。ヒロインのエマは父親が入院したため、N>>続きを読む

暗黒街大通り(1964年製作の映画)

1.5

三兄弟の、父親殺しに対する復讐譚、のはずなのに、それぞれ女に惚れ、兄が弟の女に「弟に近づくな」と言って兄弟喧嘩になり自滅。その兄もワルの罠に簡単に引っかかり、殺される。女たちも兄弟も死んで、ワルは生き>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.3

死体が累々と倒れているさまを俯瞰で見せる場面は、一幅の絵画のように怖く、そして美しい。話はやくざ映画の脚本に変更も可能な面白さ。男優陣の顔も演技も半端じゃない。存在感の競い合いだ。暴力と裏切り。支配と>>続きを読む

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.9

前作がヒットしたためか、今回はかなりカネをかけて作っている。脚本作りも、大阪、滋賀、和歌山の取材成果を活かしており、物凄い情報量を惜しげもなく注ぎ込んでいる。(出演者の藤原紀香まで俎上に)。鉄道ネタ(>>続きを読む

黄色い家の記憶(1989年製作の映画)

4.0

「黄色い家」とは刑務所のことだ、と冒頭のナレーションは言う。しかし『監獄の記憶』のような感動的要素は本作にはなく、『神の結婚』のように理路整然とした作りでもない。ブラック・コメディと呼ぶにはあまりにも>>続きを読む

危険な関係(1957年製作の映画)

1.6

醜悪で不快。井上梅次の70年代駄作群を凌ぐ愚作。コメディのつもりのようだが、まったく笑えない。ホテルの従業員の鼻をかむ繰り返しがギャグのつもりらしいが、鼻をかむ行為がなんの効果も生んでいない。階段の接>>続きを読む

蟻の王(2022年製作の映画)

3.8

同性愛は犯罪であるとして、精神病院で電気ショックや、脳をいじくりまわして廃人にしてしまう。放っておいても無害なのに…。現在でも犯罪としている国は多い。異物を憎悪する権力の恐怖。裁判のやりとりは、無力な>>続きを読む

法廷遊戯(2023年製作の映画)

1.9

タイトルから裁判劇かと思って観たのだが、がっかり。検察と弁護側の対決はなく、判決前に回想で真相を明かしてしまうので、ミステリーにもなっていない。原作もそうなのか、脚本で何とかならなかったのか、役者の演>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.2

良い作品だと思う。それにしても、人の心を斟酌できない検察官の存在が恐ろしい。そういう人だから、自分の子供の気持ちも理解できないのだろう。水を浴びたい。対面できない。これはもうひとつの『渇水』だ。小生も>>続きを読む

夜の狼(1958年製作の映画)

2.5

葉山と金子の内紛が芦川の幸福への再出発を奪う。やくざの気質の娘への贖罪。『冬の華』の原型のようにも見える。芦川の役柄は面白味に欠け、反発と依存の振り幅があまりにも極端。心変わりのきっかけが看病だけで不>>続きを読む

月蝕(1956年製作の映画)

2.1

井上梅次の『死の十字路』と同じ56年作品。相変わらず楽団が出てくるのは井上の趣味のようなものか。本作は、主演の三橋の静かな演技に対して、相手役の月岡の演技がうるさいのだ。目をきょろきょろさせ、落ち着き>>続きを読む