IMAOさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

IMAO

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みれん(1963年製作の映画)

4.0

瀬戸内寂聴原作というせいもあるが、男女の理屈ではないやるせない肉欲と情念をとても巧みに描いている。こういうドロドロした男女関係の話は、この頃の映画の方が圧倒的に巧い気がする。最近の恋愛表現はもっと直情>>続きを読む

ストレンジャーズ6(1949年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

1930年代のキューバ。この当時、政治は腐敗し独裁政権が国を支配していた。その中で反乱分子として働いていた青年が、殺される。その現場を目撃した青年の姉(ジェニファー・ジョーンズ)は弟の復讐を誓う。国立>>続きを読む

真昼の暴動(1947年製作の映画)

4.0

監獄モノで、途中はあまりにも各キャラクターの説明が丁寧すぎることもあって寝てしまったが、ラストは文句なく素晴らしい!もう最後の方の看守と獄人たちの戦いは、久しぶりに手に汗握った。

深夜復讐便(1949年製作の映画)

3.7

『恐怖の報酬』みたいな話だが、運んでいるのは爆弾ではなくて林檎。でも昔の果物取引ってそんなに荒っぽかったのか?と勘ぐりたくなるような脚本だが、面白い。ただ、主人公の恋人が最初はラブラブなのに後半いきな>>続きを読む

不審者(1951年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

警察官の主人公(ヴァン・ヘフリン)は不審者の通報のあった家へと同僚と向かう。そこには元芸能人の人妻(イブリン・キース)が住んでいる。彼女のことを一目で好きになったヘフリンは、見周りと称して彼女の家をま>>続きを読む

呪いの血(1946年製作の映画)

4.0

1920年代。少女マーサと少年サムが列車で逃げようとしている。ほどなくして、マーサは警察に捕まり叔母の家へと連れ戻される。そこには住みつきの弁護士の息子ウォルターがいる。警察から逃れたサムが戻ってきて>>続きを読む

マリの話(2023年製作の映画)

3.5

これ観たその日はそうでもなかったんですけど、翌日まで色々と残ってたので、そういう映画は自分にとって良い映画だと思いました。誰にとっても良い映画ってあるもので、逆にいえば、どんな映画にもファンはいると僕>>続きを読む

サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.5

相変わらずなんだけど、安定した面白さ。いわゆるウッディ定食って感じだが、ここ数本はずっとストラーロが撮影を担当していて、それも含めて品質保証がある感じです。

様々な名作映画の引用も、ウディがやるから
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香港の夜 A NIGHT IN HONGKONG(1961年製作の映画)

3.0

どちらかというと凡作なんだけど、流石スタジオシステム!というところは何ヶ所かあり。

司葉子が、宝田明のホテルにやってきて、尤敏の母親の居場所を教える前に、宝田に寄りかかる。外は夕暮れで、彼らの表情は
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

3.5

面白く観れました。
中学で合唱部部長の岡聡実は、ひょんなことからヤクザの成田凶児と知りあい、カラオケのレッスンを頼まれる。もちろん、最初はいやいや付き合うことになるが、次第に彼のレッスンに付き合うこと
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ファニー・ページ(2022年製作の映画)

3.6

18才のロバートはコミック作家志望の少年。彼は高校の美術教師に気に入られていて、大学に行くよりもコミック作家になれと鼓舞されている。だが、その教師は突然死んでしまう。ロバートは教師の言葉にしたがって、>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.7

ヴェンダースは一体何本日本で映画を撮っているだろう?彼が偏愛する小津安二郎へのオマージュに満ちたドキュメンタリー『東京画』に始まり、『都市とモードのビデオノート』『夢の涯てまでも』そして本作と主に東京>>続きを読む

波影(1965年製作の映画)

5.0

観たいと思っていてなかなか観れていなかった本作。ラピュタ阿佐ヶ谷でニューブリでやっと観れた。
これはもう日本映画最盛期の一本であると同時に、豊田四郎にとっても若尾文子にとっても代表作に値する傑作だと思
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クオリア(2023年製作の映画)

4.0

今年観たインディーズ映画の中でも、個人的にとても気に入った作品。人間の不確かさ、不可解さ、動物としての人間…様々な視点が縦走していて、それが全て解決されるわけではない。でもその不思議なアンバランスがこ>>続きを読む

アンダーカレント(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

銭湯の女主人・かなえ(真木よう子)は、夫・悟(永山瑛太)が突然失踪し途方に暮れる。なんとか銭湯を再開すると、堀と名乗る謎の男(井浦新)が「働きたい」とやってきて、住み込みで働くことになり、二人の不思議>>続きを読む

はこぶね(2022年製作の映画)

3.8

チケット買っていたのですが、なかなか行けなくてポレポレ東中野の最終日に間に合いました^^

事故で視力を失った西村(木村知貴)は、叔母(内田春菊)の助けを借りながらも一人暮らしをしている。彼は元漁師で
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

4.0

この映画を最初に観たのは、多分35年くらい前。大学生だった僕は「仏文特殊講義」という講義を受けることになった。その講義はフランスの映画批評についての講義で、ジル・ドゥルーズの「シネマ 1」「シネマ2」>>続きを読む

ダンサー イン Paris(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

パリ・オペラ座でエトワールを目指すエリーズ。しかし、彼女は公演中に恋人の浮気を目撃してしまい、ステージで失敗する。足首を剥離骨折した彼女は、しばらく休業しなければならなくなった。元ダンサー仲間だった友>>続きを読む

突然の花婿(1952年製作の映画)

3.8

ダグラス・サークのハリウッド隆盛期の幸福な一本。何よりもテンポが良い。よく考えてみれば第二次世界大戦下の話だが、全体的に余裕がある。日本とは大違いな印象。
最初の方で妻と夫の台詞。
「あなたは何を願っ
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イスマエルの亡霊たち(2017年製作の映画)

3.7

デプレシャンの未公開作。少し寝てしまったが面白かった。割とパーソナルな話をサスペンス調に見せる手腕は流石。
上映後にトークショーがあり、なかなか良い話を聞けた。僕がデプレシャンの映画と一番出会ったのは
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦末期のドイツで、あるカップルが結婚する。マリアとヘルマンだ。しかし、夫のヘルマンは戦地へと向かい、戦死したと帰国した弟から知らされる。それを信じたくないマリアは夫を探すが、米軍専用の酒場>>続きを読む

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.7

一夏の甘酸っぱいラブストーリーかと思いきや、コレはサスペンスとホラーをミックスしたハイブリッド映画だった。女優として活躍してきたシャルロット・ル・ボンの監督デビュー作。

この映画の中で重要なことは、
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おーい!どんちゃん(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

男三人のシェアハウスに赤ん坊が来て、仕方なく育児してゆくうちに…という話はどこかで聞いたことのあるプロットだし、決して新しい話ではないが、この映画の面白さはその製作過程を含めたリアリティにあると思う。>>続きを読む

デジレ(1937年製作の映画)

4.0

夢で好きな人を声にだして呼んでしまう。これはそのままトリュフォーの『隣の女』で継承されているネタだった。今回、数本しか観れなかったけど、トリュフォーがサッシャ・ギドリに如何に影響を受けていたのかがわか>>続きを読む

あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

4.0

後半、いきなりメロドラマになるが、そこのセリフがとても素晴らしい!やはりこの雰囲気はそのままトリュフォーへと引き継がれていったのがよくわかる。
それにしても女性からモテるわけですよ。(ギドリは5回結婚
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毒薬/我慢ならない女(1951年製作の映画)

4.5

サッシャ・ギドリはほとんど観ていなかったが、コレは傑作!さすが当時舞台俳優&演出家、そして映画監督としてトリュフォーなどからも尊敬されていた傑物だと思いました。

ある夫婦がいる。30年連れ添っている
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裸体(1962年製作の映画)

3.7

脚本家として昭和の名作の多く手がけた、成沢昌茂の監督デビュー作。

船橋の銭湯の娘として育った岡村佐喜子(嵯峨三智子)は、税理士事務所で働いていたが、ふとした事でその所長の佐々木(千秋実)の愛人となる
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望郷子守唄(1972年製作の映画)

4.0

九州の小倉の炭鉱に生まれ、母(浪花千栄子)一人で育てられた田川正一(高倉健)。彼は近衛兵として軍隊に入隊するが、背中の刺青のおかげで上官から睨まれてしまう。度重なるいじめに耐えきれず、遂には上官に反抗>>続きを読む

命の満ち欠け(2022年製作の映画)

4.0

仕事の一環として、試写で観ました。だからちょっとバイアスかかってる部分あると思うけど、魂の映画でした。もちろん、技術的にも手法的にも凸凹の部分はあるし、必ずしも好みの映画ではないけど、そういったモノを>>続きを読む

世界で戦うフィルムたち(2022年製作の映画)

-

なんだろう、このモヤモヤした気分は…この映画の監督・亀山睦木さんが努力しているのは分かるし、彼女の姿勢は前向きで、その行動力は尊敬に値する。でも問題なのは、その方向が主に自分に向かっているところかもし>>続きを読む

ウィリーが凱旋するとき(1950年製作の映画)

4.0

ジョン・フォード特集の2回目はあまり通えなかった。観ていた作品も多かったのだけれど、観逃したのも多い。でも、コレはなかなか快作で観れて良かった。何よりもテンポが良い。
第二次世界大戦の戦記高揚映画の一
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

良い映画は観た直後も良かったと思うけど、その後反芻する映画は心に残る作品だと思う。とても地味だと思うし、万人受けするとは思えないけど、この作品はそんな風に「想い出」になってゆく映画。
全てのカットは、
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カルメンという名の女(1983年製作の映画)

4.0

高校生の時になぜか両親と観て以来だから、約40年ぶりに観直したたことになります。この作品が僕にとってのゴダール初体験。いやはや…40年ぶりに観る映画という体験が出来るほど年取ったってことですね。でもそ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

映画全体のスタートが遅い感じ。なかなかテーマが見えてこないけど、途中から面白くなる。ただ、個人的にはちょっと長いと思う。
町山智浩によれば、これはパワハラ的な男を女が演じた映画、とある。まあ確かにそう
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公のサンドラ(レア・セドゥ)は通訳者で、小さな娘を持つシングルマザー。父親が病気になり、兄弟たちと介護をしつつ毎日の生活に追われているが…と書くと、なんだか暗く悲惨な話になりがちだが、この映画のポ>>続きを読む

茶飲友達(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

新聞に「茶飲友達募、集中」と三行広告が出る。新聞広告なので、そこに集う人々は高齢者がメインだが、実はコレは高齢者専門の売春システムなのだ。そのシステムを運営していたのは、風俗で働いてきた経験のある佐々>>続きを読む