IMAOさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

IMAO

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希望の乙女(1958年製作の映画)

3.0

これは結構珍作だった。
美空ひばりのアイドル映画なので、最初のうちはコレ大丈夫?という感じで観ていたが、山村聰、高倉健、ダークダックスなどスターも出ていてお得感あり!
後半、美空ひばりが踊るシーンは吹
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午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

4.0

1980年台のパリ。ミッテランが大統領となり、世界的バブルの時代。エリザベート(シャルロット・ゲーンズブール)は二人の子供を持ち、夫と別居したばかりだった。今までほとんど就労経験がなかった彼女だが、ラ>>続きを読む

洲崎パラダイス 赤信号(1956年製作の映画)

4.0

学生時代にVHSで観て以来だから、多分30年ぶりくらいに観たことになります。

まだ赤線だった東京の洲崎に、義治(三橋達也)と蔦枝(新珠三千代)というカップルがやってくる。二人は駆け落ち同然で逃げて来
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太陽の墓場(1960年製作の映画)

3.8

1960年の大阪。そのドキュメンタルな風景の中で描かれる、チンピラたちの生き様。時代的に確かにヌーヴェルヴァーグの影響が顕著だが、実はもっと洗練させている。ただ、群像劇でちょっと感情移入しにくいのは、>>続きを読む

ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう/見上げた空に何が見える?(2021年製作の映画)

3.0

ちょっと寝たりした。まあ確かに長いかもしれないけど、ワンカットワンカット丁寧なフィルム撮影で、きちんと計算されている。「引き」の画がとても映画なんだけど、フレームの外をとても意識している感じもすごく好>>続きを読む

こんな私じゃなかったに(1952年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

女子大学生が生活に追われて、仕方なく芸者として働き始めるのだが…というストーリー。
芸者のイメージは今とは随分違っていたのだろう。かなりスキャンダラスな感じで描かれている。だが今でも奨学金を返すために
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東京画(1985年製作の映画)

3.7

ほんとに久しぶりに観直しました。
何が面白いと言って、ヴェンダースの小津安二郎への想いが濃厚なところかも。彼が感じている東京の外人目線のイメージとかいらないかも?とも思える部分もあるが、その後の彼の映
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天草四郎時貞(1962年製作の映画)

4.0

この映画がどの程度史実に忠実であるかは知らないが、大島渚の「本気汁」全開って感じの迫力に観終わってドッと疲れる。でもそれほどの映画ってなかなか無いですよ。大島渚との出会いがあまり良くなくて、後期作品に>>続きを読む

箱根山(1962年製作の映画)

4.0

高度経済成長期の日本。レジャーブーム、マイカーブームの中で都心から近い箱根のレジャー開発が進んでいる。その中で二軒の老舗旅館がしのぎを削っている。先祖代々続く玉屋と若松家だ。玉屋の若番頭・夫男(加山雄>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

コレ実は相当地味な話ですが、それをキチンと面白く観せるのは非常にハリウッドテイスト。

1984年、スポーツシューズメーカー・ナイキはジョギングシューズで成功を収めていたが、バスケットシューズではアデ
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明日は月給日(1952年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

八人の子どもを抱える真面目一筋の経理課長が、給料遅配に立ち向かうサラリーマン喜劇。月給日をめぐる騒動に、大家族それぞれのエピソードが絡んで、やがてハッピーエンドにいたる。(ここまでラピュタ阿佐ヶ谷の解>>続きを読む

いらっしゃいませ(1955年製作の映画)

3.5

高度経済成長期の幸福なコメディー。瑞穂春海監督、1955年作品。

四十一歳になる男やもめの区々均平(森繁久彌)はデパート婦人服誂部の臨時雇員になる。そこで知り合った女店員のみどり(香川京子)に助けら
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嵐の中の男(1957年製作の映画)

3.5

谷口千吉監督、1957年作品。

日露戦役終結の頃、下田警察に一人の男がやってくる。この警察署の柔道師範として赴任してきた渡三郎(三船敏郎)だ。彼は偶然、柔道師範の専任だった清水悠山の娘・秋子(香川京
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オマージュ(2021年製作の映画)

4.0

想像以上に面白かった。映画を観ていて、そういう時は純粋に嬉しいものです。(もちろん、逆の場合も多々ありますが^^)

映画監督としては泣かず飛ばずのジワン(イ・ジョンウン)。三作目のホラー映画も動員数
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ダルデンヌ兄弟の映画は『イゴールの約束』から全て観ていると思いますが、今回は良い意味でも悪い意味でも、彼らの集大成の作品という感じがしました。

アフリカからベルギーのリエージュにやって来た少年トリと
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森繁よ何処へ行く(1956年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

すごくベタな話だし、演出的には突出したモノはないと思うけど、ちょっと泣きそうになった。

トンネルを専門とする土木工事建築家の森繁久彌。彼は酒癖が悪くやたらと喧嘩ばかりしていたが、知り合いの医者から女
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風船(1956年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

大佛次郎原作、川島雄三、今村昌平脚本による1956年の作品。

かつては画家を目指していた村上春樹(森雅之)は、今はカメラ会社の社長となっている。彼には息子の圭吉(三橋達也)と娘の珠子(芦川いづみ)が
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花影(1961年製作の映画)

4.0

大岡昇平原作、菊島隆三脚本、川島雄三監督による文芸作品。
銀座のホステス葉子(池内淳子)は、三年付き合ってきた大学教授の松崎(池辺良)と別れたばかり。ホステスとしては曲がり角の時期だが、昔から好意を持
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愛のお荷物(1955年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

テンポといいアイロニカルなストーリーといい、とても川島雄三らしいコメディー。ベビーブーム期の日本を背景に、その対応に苦慮する時の厚生大臣(山村聰)。しかし、その妻(轟夕起子)が48歳で妊娠したという。>>続きを読む

流転/流轉(1956年製作の映画)

4.0

シネマヴェーラの香川京子特集にて鑑賞。ご本人のトークショー付き。

花形役者と、その芝居の伴奏をする売れっ子三味線引き。しかし、二人の芸がぶつかり合い喧嘩別れしてしまう。三味線引きの男は偶然見つけた、
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

スピルバーグの映画の中で一番地味だけど、一番味わい深い作品かもしれない。とても一言では言い表せないほど深い部分もあり、アーティストとしての業と運命にスピルバーグでも苛まされきたのだ、という事の証の様な>>続きを読む

あした来る人(1955年製作の映画)

3.8

冒頭、山村聰のところに三國連太郎がやってきて、山村の娘の月岡夢路と三国が電車内で知り合った経緯などを話す展開は、とてもテンポが良く見せてくれる。そういうワクワク感のある出だしは、とても観やすい。こうい>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

三部構成で、実は一部めは相当寝ました。二部目を観ている間も、なんかバタバタしていて気分がノレなくて、人生がとても虚しく思えてきたりしました。(僕は映画観ている時でも平気で他のことを考えたりします)
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還って来た男(1944年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

実はかなり寝てしまったが、良かったです。
階段から始まり、階段で終わる構成。ラストで佐野周二が田中絹代に「僕は及第ですか?落第ですか?」と聞くと「小学校に落第はありませんわ」と答える田中絹代。(とても
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女であること(1958年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

弁護士・森雅之と妻の原節子は受刑者の娘・香川京子を養っている。そこに学生時代からの友人の娘、久我美子がやってきて、この家庭に波紋が起きてゆく…
原作が川端康成ということもあり、女性の心情はとても巧く描
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幸福(1981年製作の映画)

4.0

なんか突然観直したくなりDVDで再鑑賞。僕はこの映画、市川崑の隠れた名作だと思っています。

東京のある町の書店で、ピストルによる殺人事件が起きる。三人の被害者の中には現場に駆けつけた北刑事(永島敏行
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東京マダムと大阪夫人(1953年製作の映画)

4.0

こういう高度経済成長期の日本を舞台にしたコメディーは、この時期結構流行作られたのではないだろうか?例えば岡本喜八の『江分利満氏の優雅な生活』とか、成瀬巳喜男なら『驟雨』とか。この川島雄三の『東京マダム>>続きを読む

殺人者たち(1964年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

これ、ジョン・キャサベテス、リー・マーヴィン、そしてロナルド・レーガン出演というとても面白い組み合わせ。
殺し屋であるリー・マーヴィンとその相棒クルー・ギャラガーは頼まれて元レーサーのキャサべテスを殺
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女優須磨子の恋(1947年製作の映画)

3.8

実在の女優・松井須磨子と、その夫となる舞台監督・島村抱月との人生を描いた溝口健二1947年の作品。

日本映画の巨匠というと黒澤、溝口、成瀬と言われることが多いが、この中で黒澤も溝口は個人的にはあまり
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

井上雄彦が監督と聞いて普段あまりアニメを観に行かないのですが、鑑賞しました。噂に違わず良く出来ています。脚本は井上雄彦が書いたものなので鉄板ですが、かなりのバスケシーンをモーションキャプチャーしていて>>続きを読む

スープとイデオロギー(2021年製作の映画)

3.8

昨年観逃していて、高円寺のドキュメンタリーフェスティバルにて鑑賞。

映画監督のヤン・ヨンヒの高齢の母親は大阪で一人暮らしをしていた。彼女はかつて北朝鮮に貢献していて、三人の息子たちも北朝鮮で暮らして
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すべてうまくいきますように(2021年製作の映画)

4.5

今やフランスを代表する監督となった、フランソワ・オゾンの新作。

小説家のエマニュエルはある日、父親が脳梗塞で倒れたと連絡をもらう。病院にかけつけると、父親は集中治療室に入っている。父親は一命を取り留
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

コレ観た直後は??って感じだったのですが、ツラツラと思い出すとなかなか深い話ではあるかも…と思い始めました。

1923年、アイルランド西海岸沖にあるイニシェリン島。そこで暮らすパートリックとその友人
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された記事が世界を変えた。映画界で権力を誇る有名プロデューサーが、女優や従業員らに性的虐待を行ってきた衝撃の事実。報道の背景には、二人の記者による被害者への丹>>続きを読む

兄弟仁義 逆縁の盃(1968年製作の映画)

4.5

鈴木則文、1968年の作品。彼のフィルモグラフィーの中では割と初期の作品。北島三郎主演『兄弟仁義』シリーズの中の一本。

昭和初期、九州のある街に流れ者(北島三郎)がやってくる。彼は刑期を終えて、生き
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燃える平原児(1960年製作の映画)

4.0

これはなかなか深い話だと思った。西部開拓時代のある家族。兄弟がいるが二人は義兄弟。一人は白人だが、もう一人はアメリカ先住民との混血。そしてアメリカ先住民に知人が襲われたことで、この家族に次第に亀裂が入>>続きを読む