この映画、友人が学生時代に観て号泣したという話を聞いて、ずっと観たかった映画。まあ、かなり大雑把な作りではあるけど、最後は確かにちょっと泣ける。今回もラピュタ阿佐ヶ谷ですすり泣きの声が…
昭和初期の>>続きを読む
溝口健二の『噂の女』『新・平家物語』『赤線地帯』など脚本家として知られる成沢昌茂の監督作。この人は監督作が五本しかないけど、以前観た『花札渡世』が傑作で、この『四畳半物語 娼婦しの』もなかなかの傑作で>>続きを読む
僕が少年時代、確か「シネマスクウェア東急」とかで公開していたけど、あまりの不穏さに観る機会を失っていた作品。今回地味にアップリンク吉祥寺でレトロスペクティブやってくれて、やっと観れました^^
19世>>続きを読む
20年くらい前にパリを一人旅行した。その時に観たクリス・マルケルの作品はコレだったか?記憶は定かではないけど、この映画の存在そのものが、記憶を巡る物語。80年代の東京も夏目雅子もジェームス・スチュアー>>続きを読む
初見だと思っていたら、あるカットで昔観ていた事に気づいた。年とるとこういうことがあって嫌ですね^^
でも今回観直して本当に良かったです。これはある程度年取らないとわからない部分もあるし、中盤からはずっ>>続きを読む
WOWOWでは今日(2022年5月8日)歴代キングコングの特集を放送してくれた。どのキングコングも好きなのだが、僕にとってのキングコングはやはりこの1976年のジョン・ギラーミン版なのである。なんとい>>続きを読む
ほぼ斜めに入ることなく、正面からフィックスで捉えられた日常。そのワンカットワンカットは途切れることなく、連続したリアルタイムで捉えられている。この映画は日常の反復を描くが、その反復が澱となって積み重な>>続きを読む
池広一夫のデビュー作。
これもまた池広一夫は最初から池広一夫だった、という証の様な作品。テンポの良いカット割と移動ショット。そのリズムは後の座頭市シリーズなどにも引き継がれている。ただ理屈抜きにこの映>>続きを読む
一作目の『混血児リカ』を観逃して、こちらから鑑賞。中平康の演出は初期に比べると緩いけど、随所に工夫はしている。殿山泰司、鈴木瑞穂、峰岸徹など脇を固める役者たちがなかなか良い。
全体的には70年代プログ>>続きを読む
『裏窓』+『野良犬』+『張込み』って言う感じだけど、面白かった。刑事と犯人に関わる男達が、同時にある女を張り込んでいる、というプロットに工夫がある。
劇中の刑事の台詞がなかなか沁みる。「人間というのは>>続きを読む
新作『カモン カモン』が良かったので、コレを久しぶりに家で観直しました。マイク・ミルズの映画はどれも初見は「良かったな〜」という程度なんだけど、次第に心に沁みてくる。この映画も何度か観直しているけど、>>続きを読む
楽しみにしていたマイク・ミルズの新作。ちょっと寝てしまったけど、やっぱり好きだ。多分、もう一度観る事になるだろう。(僕は午後に映画を観ると結構寝てしまう。でも気に入った映画はまた観直すことがある)
こ>>続きを読む
岡本喜八デビュー作。テンポが良くとても観やすい。よく一作目にその作家の全てがあると言われるけれども、この映画にもそれは現れている。
映画の細部や解説は他の方にお任せするとして、やはり戦後10数年経った>>続きを読む
ジョン・フォードのミューズとして知られるモーリン・オハラがこんなに踊れるとは知らなかったが、それを観れただけでも大満足!でも考えてみれば、ActorとはActionの人であるべきで「立つ」「歩く」「走>>続きを読む
話としては現実味はないが、フィクションとして世界を構築することで、別の次元でのリアリティーを出そうとしている。そのチャンレンジをきちんとした予算規模と技術的な裏付けと、そして優れた役者で挑んでいる点は>>続きを読む
谷口千吉監督デビュー作。
銀行強盗の三人組が北アルプスへ逃げる。三人の内一人は雪崩に巻き込まれるが、残りの二人は警察の追手から逃れ、ある山小屋へとたどり着く。大雪で閉ざされたその山小屋には、老人とその>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
1996年4月にオーストラリアのタスマニアで起こった無差別銃乱射事件『ポート・アーサー事件』。この事件をベースに描かれたフィクション。この映画は所謂ホラーではないが、人間の本当の怖さについて描いていて>>続きを読む
高度経済成長期の高揚感に満ちた一作。タイトルが示す通り、この時代は本当に夢があふれ前向きだ。全てが円環状にまとまった構成と脚本。不幸があっても、それは努力と工夫で必ず乗り越えられるべきものだったのだ。>>続きを読む
なかなか良いタイトル。でも、ちょっと長い。良いシーンもいくつかあった。特に主演二人の会話には時々リアリティーがある。でも時々無理もある。(脚本協力に首藤凛)踊れる池松とあまり踊れない伊藤…その身体性の>>続きを読む
コレを若い時に観ていたら、きっと「予定調和」だと馬鹿にしていたかもしれない。でもこの演出、演技、技術の美しい「ハーモニー」は、日本映画最盛期ならではのモノだと思う。ラストに向けて全てのピースがピタリと>>続きを読む
これはとても良かった。
パリの郊外にある「ガガーリン団地」。1967年に建造されたもので、老朽化が進んで取り壊しが検討されている。そこに生まれ育ったユーリはなんとか取り壊しを阻止したいと奔走しているが>>続きを読む
もうなんだか映っているものが凄すぎる。画面の端から端まで「本物」づくしで、高級食材を使った高級レストランで食事した様な気分になる。もうどのカット観ても、そこに映っている役者、ダンス、衣装、美術、小道具>>続きを読む
城定秀夫監督。今泉力哉脚本ですが、これはもう確実に今泉ワールド。やってる事はずっと同じで、「好き」の周りを巡るアホらしくも愛おしい人々のお話。冷静に考えればドロドロなお話ですが、後味悪くならないのがこ>>続きを読む
罪の意識(加害者と被害者)と時事問題をうまく組み合わせた良い脚本。そして当て書きされた良いキャスティング。そこに無理がなく嘘がない。映画に対してとても真摯に向き合っている感じがする。ワンカットワンカッ>>続きを読む
ヒューマントラストシネマ渋谷でやっている『未体験ゾーンの映画たち』で鑑賞。ほとんど予備知識無しに観たが、忘れ難い作品になった。
主人公の若い女は友人を亡くす。その友人の家を訪ねてみると、そこにはカセ>>続きを読む
良かったです。これは元ネタはフランス映画『エール!』だそうですが、脚本家のシアン・ヘダーがかなりオリジナルのストーリーにしたそうです。主演のエミリア・ジョーンズもとても良いですが、その家族を演じた俳優>>続きを読む
昔、ファッション番組を担当していたことがあって、その時は東京コレクションとか含めて、ハイファッションのランウェイショーとか結構観に行ったりした。流石にパリは行かなかったけど、一流ブランドのコレクション>>続きを読む
長らく観たいと思っていて、やっと観れた。といっても54分の中編で、最初の方は少し寝てしまったのはちょっと残念。
これは高峰秀子と成瀬巳喜男の初タッグとなる作品で、題名が示す通り高峰秀子のアイドル映画>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
新文芸坐シネマテークにて鑑賞。
ロッセリーニは、学生時代に代表作を何本か観て以来かもしれない。トリュフォーのファンとしては重要な作家であるのは分かっていたけど、今回この作品を観てやっぱり偉大な作家だっ>>続きを読む
新文芸坐の伊藤大輔特集にて。伊藤大輔は『王将』と脚本作を数本観ていましたが、これは初見。
父親を殺された武士の結城新太郎と、奴の訥平は敵討ちの旅に出る。しかし、途中病気となった新太郎はある城下町で乞>>続きを読む
TIFFで4Kリマスターバージョンを初見です。
脚本に小津安二郎が参加していることもあるけど、演出も小津チックです。ただ、こういう所は小津なら絶対にしないだろう、という所もあり、そこはやはり田中絹代の>>続きを読む
鋭いフレーミング。鋭い照明。最近の学生映画は鋭いな〜、と思ったら撮影監督は芹澤明子。しかし、それをさしおいても、鋭い演出であるのは間違いない。ロケ地に三鷹駅前^_^
このレビューはネタバレを含みます
この映画は聴覚障害についての映画ではあるが、人と人とは絶対的に違う存在なのだ、という事について語った映画なのだと思う。
ドラマーのルーベンは恋人のルーと共に二人でバンドを組んでいる。しかし、ある日耳>>続きを読む
アップリンク吉祥寺にて『リッちゃん、健ちゃんの夏』と『春』の二本立て。
『リッちゃん〜』は渋谷短編映画祭で観て以来好きな作品。今回で多分3回目。最初のバージョンとはちょっと編集が変わっている。好みもあ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この映画は昨年「渋谷短編映画祭」で鑑賞していたが、今回また「ダマー国際映画祭」で再見。今回このダマー国際映画祭で、グランプリを受賞。
ある女の子がいる。訳あって祖母と二人暮らしで、毎日祖母が弁当を作>>続きを読む
加藤泰は後期作品を数本観ているだけで、この前『骨までしゃぶる』があまりにも良かったので、サブスクで代表作を観始めました。
明治末期。車屋の辰五郎が大阪で一旗あげようとやってくる。ある時、芸妓の喜美奴>>続きを読む