フランシス・フォード・コッポラ、1973年の作品。事あるごとに観直すが、その度に発見がある。
ある盗聴屋がいる。世間から見れば裏の商売だが、その道ではベテランで名が通っている。この男が何者であるのか?>>続きを読む
『語るべき物語があって、聞いてくれる人がいるのなら、人生も悪くない』というのはこの映画の台詞だが、こういう語り口の映画が最近少なくなってきた気がする。つまり、現実を寓話として描くという語り口だ。
この>>続きを読む
あからさまに溝口だったりヒッチコックだったり…『ヴァンダの部屋』しか観ていなかった自分としては、この作家がこんなに映画狂だったのか?と今更ながら気付かされた。
白黒のトーン&マナー、そして美しい構図は>>続きを読む
製作年が2002年で公開時に観た時以来だから、18年ぶりに観直したことになる。初見の時も思ったことだが、この作品は多分ポランスキーの魂そのものだ。
ポランスキーは結構な職人監督で、余興で撮っているとし>>続きを読む
劇場で観たいと思っていたが、コロナの影響もあり観逃していて、いつの間にかWOWOWでやってくれていた。ピアノと映画というのはとても相性が良くて名作も多いが、諸刃の剣の様なものでなかなか難しい題材でもあ>>続きを読む
レースにはもう何年も出ていないし、都内移動で乗るくらいですが、一応ロードレーサー乗り(ローディー)なので、観ないわけにはいかない(笑)
で、結論から言うと結構面白いです。何よりもキャストが全員一応チャ>>続きを読む
グレゴリー・ペックの存在感…何よりもそれが強い。この人が出てきた途端、この作品は括弧付きの『映画』となる。とはいえ、途中までは結構見せ場が少なく、戦争物にしては会話劇なので眠くなる。しかし、後半の空中>>続きを読む
1942年、マーヴィン・ルロイの作品。初見だが、とても良かった。記憶喪失ものの定番となった物語だろうが、今観てもハッとさせられるシーンが何箇所もあった。一番良かったのはロナルド・コーマンがスーザン・ピ>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その14】
『アデルの恋の物語』を観直す。
これを一番最初に観たのは大学生の時。正直、迷惑な女の映画だな〜という印象だった。何しろ簡単に言うと「女ストー>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その13】
『映画に愛をこめて アメリカの夜』を観直す。
フランソワ・トリュフォーの映画といえば『大人は判ってくれない』と、この『アメリカの夜』を思い浮>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その12】
『私のように美しい娘』を観直す。
この映画を最初観た時は「トリュフォーにしては、ふざけた映画だな」と思い、あまり好きになれない一本だったが、>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その11】
『恋のエチュード』を観直す。
確か一番最初に観たのは昔の文芸坐だった。随分と文学的な映画だと思ったし、良くわからなかった。今もこの映画を十分>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その10】
『家庭』を観直す。
この映画は今までに何回か観て、トリュフォーの映画の中でワーストワンだと思っていた。でも今回観直してみたら結構面白い。ある>>続きを読む
大林宣彦にはアンビバレンツな気持ちを持っている。とても好きな作品もあるが、嫌いな作品もあるからだ。だが、彼は自分の人生を見事に使い切ったのだ。何よりもこの作品が、それを証明している。
大林は70年代に>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その9】
『野性の少年』を観直す。
1799年にフランス・カンヌの森アヴェロンで推定年齢11歳の子供が発見される。この子供は裸で、言葉も喋れず、感情の起>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その8】
『暗くなるまでこの恋を』を観直す。
フランソワ・トリュフォーの長篇8作目にして、カトリーヌ・ドヌーブとジャン=ポール・ベルモンドという二大スタ>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その7】
『夜霧の恋人たち』を観直す。
(本来ならここで『黒衣の花嫁』を観るはずだが、やはり家に『黒衣の花嫁』が見つからないので『夜霧の恋人たち』。今回>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その6】
『華氏451』を観直す。これはトリュフォーにとって最初の海外資本の入った大作。原作はレイ・ブラッドベリの『華氏451度』で、本を読むことを禁止>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その5】
『柔らかい肌』を観直す。(順番から言うと『突然炎のごとく』が来るはずだが、今家になぜか『突然炎のごとく』が見当たらないので、この『柔らかい肌』>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その4】
『二十歳の恋』を観直す。
この作品はトリュフォーの長篇デビュー作『大人は判ってくれない』の続篇にあたる作品。トリュフォーは『大人は判ってくれな>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その3】
『ピアニストを撃て』を観直す。
多分トリュフォーの映画で、一番最初に観たのはこの『ピアニストを撃て』ではなかっただろうか?その辺の記憶は曖昧だ>>続きを読む
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その2】
『大人は判ってくれない』を観直す。
これはトリュフォーの代表作の一本であると同時に、ヌーヴェル・ヴァーグの代表作の一本でもあり、ジャン=ピエー>>続きを読む
コロナ自粛期間(2020年4月〜6月)にF・トリュフォーをかなり観直したので、こちらにも転載。
【この際だからF・トリュフォーを観直してみた。その1】
まずは『あこがれ』から観直す。
フランソワ・>>続きを読む
WOWOW録画にて鑑賞。
主人公は、試合数だけは多いが、負けた数の方が多いという45歳のボクサー。バイトで生活費を稼ぎつながら、娘と小さな息子、そして美容師の妻と慎ましく暮らしている。ある時、生活の為>>続きを読む
映画の演出で俳優に動きをつける人とつけない人がいると思うが、多分古厩監督は事細かに俳優の動きをつける人だと思う。それは、映画は"Motion Pictures"という名の通り「MotionがEmoti>>続きを読む
生きてゆくということは傷ついてゆくこと…ある程度生きて来た人ならその事が分かるだろう。その痛みは時には肉体的な痛みとなって現れる。主人公は映画監督として世界的名声を得ているサルバドール。しかし、彼は数>>続きを読む
個人的にはスプリングスティーンにあまり思い入れが無いが、面白く観れる。それはそのスプリングスティーンへの愛が尋常ではないからだし、そうした素直な熱情は映画をスムースにドライブさせる。
イギリスにおける>>続きを読む
「雨は良い。人生の歩道から、思い出を洗い流す」というのはウディ・アレンの言葉だが、その彼が正に雨のニューヨークを撮った。でも『アニー・ホール』にしたって『マッチポイント』にしたって、肝心な時に雨を降ら>>続きを読む
フランスのカソリック系教会で起きた「プレナ神父事件」。神父による子供たちへの性的虐待が暴かれた事件で、まだ審議が続いているそうだが、この事件を脚色、演出したのが今やフランス映画界を代表する監督の一人フ>>続きを読む
佐々木昭一郎の作品を初めて見たのは、偶然NHKでやっていた『川の流れはバイオリンの音』だった。僕が浪人の時で、お茶の間に流れたその映像はとても異質で、今流れた映像は一体なんだったのだろう?と思ったと同>>続きを読む
ユーロスペースにて『はちどり』二回めの鑑賞。
映画が終わって観客たちが出てゆく時「昔の山田太一のドラマの様だね」と呟いている人がいた。ある意味それは間違っていないと思う。山田太一はかつて「どんな小さな>>続きを読む
イタイ、イタすぎる…若い頃、寄り掛かって暮らしていた2人。途中から主人公の男をぶん殴りたくなるほどの怒りを感じたが、それは若い頃の自分に対しての怒りだ。心がチクチクとイタい…
自転車のシーンはとても良>>続きを読む
「最近のことは忘れてしまうのに、遠い過去の人々の記憶はなぜか消えない」そう語る主人公のモノローグから始まるこの映画は、記憶の物語でもある。そういう意味でも20世紀のマスターピースに相応しい映画。
好き>>続きを読む
この映画が作られたのは1970年だが、日本公開はずっと後で僕がテアトル新宿で大学生の時に観たのはリヴァイヴァル上映だったと思う。
初めてヨーロッパ映画を面白い!と思った。この映画には、エロス、政治、サ>>続きを読む
映画をある程度観るようになると、ストーリーなどどうでも良くなってくる事がある。それよりもそこに写っている表情や仕草や風景に感動するのだ。もちろんそれはストーリーあってのものだろうが、それでもその表情や>>続きを読む
安田監督は実家が農家だそうだ。彼は映像作家となったが、そのスピリッツは多分農業にある。その想いがこの映画を作らせた。だからこの映画そのものは嘘だが、その想いには嘘がない。そこがこの映画の最大の強みで、>>続きを読む