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みれんのIMAOのレビュー・感想・評価

みれん(1963年製作の映画)
4.0
瀬戸内寂聴原作というせいもあるが、男女の理屈ではないやるせない肉欲と情念をとても巧みに描いている。こういうドロドロした男女関係の話は、この頃の映画の方が圧倒的に巧い気がする。最近の恋愛表現はもっと直情的か、その反対でアッサリしすぎているような感じがする。まあコレは時代もあるだろう。今はマッチングアプリで恋人を探す時代である。目と目があって…みたいな感覚を味わえない人が多くなっているので、こういう映画が作りにくいのかもしれない。
でも何はともあれ、池内淳子ですよ。この人は昨年川島雄三の『花影』を観て以来、その最盛期の色香にやられてしまい、この作品も是非観たくなったというのもある。で、やっぱりすごいです。この人の色気がスクリーンからダダ漏れしているが、エロがなんでも観れてしまう現代にあって、本当のエロさをこの人は体現していました。
この原作『夏の終わり』は熊切和嘉が2013年に再映画化しているので、そちらも機会あったら観たくなりました。
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