papandaさんの映画レビュー・感想・評価

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カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~(2024年製作の映画)

4.1

人生を生き生きと生きていらっしゃる。やりたいことをやり、見たいことを見、味わいたいことを味わう。そういう境地に達するまでにどんなことを踏まえてきたのだろう。文を書くということ、ものを作るということは積>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

冒頭の空を見上げて森の中を移動するかなり長いワンショットシーンから、音楽も含めて不穏な感じがする。薪割りのシーンはかなり遠くからこれもかなり長いワンショットで、人に近づかないのは人間への感情移入を拒ん>>続きを読む

不死身ラヴァーズ(2024年製作の映画)

3.8

けっこう面白かった。俳優さんたちが生き生きしてた。今を精一杯楽しもうとするのはよく言われるけど、あの病気を抱えている人には切実なことなんだな。僕はあんなにひたむきに人を愛したことも、まして誰かに愛され>>続きを読む

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.3

こんなに面白いとは思ってなかった。冒頭の急峻な山岳地帯から次第に麓へ降りてくる映像の美しいこと! 色彩に溢れ歌や踊りも楽しく、何より人の善意や信頼に満ちているのがいい。インドとパキスタンの間には歴史的>>続きを読む

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)

3.8

イギリスのハマーフィルム製作の名作を久しぶりに見た。ホラー映画だけど、これはストーリーや演出で見せる作品。今見るとストーリーが非常にコンパクトにまとめられていて、展開もスピーディー。終始伯爵の出方とそ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

平山さんって自分のやりたいことをやり、見たいものを見、聴きたいものを聴き、無欲で質素だけどかなり豊かな生き方してるな。木漏れ日、公園の一隅に咲く小さな花、鳥の声。無欲に自然と語らい会うような感じは理想>>続きを読む

水深ゼロメートルから(2024年製作の映画)

3.8

高校演劇作品の映画化ということで、「アルプススタンドのはしの方」を意識してしまうが、本作品は女子高生と女性教師だけの登場人物なので女性のリアルな考えが写し出されている。ココロが水泳の授業で体験したこと>>続きを読む

マイ・スイート・ハニー(2022年製作の映画)

4.7

初恋っていいものだが、45歳のおじさんの初恋とは意表を突かれた。このおっさんが世間知らずで純情でお人好しで無垢で、この恋の顛末をつい応援したくなる。一方の女性は前向きで明るくてちょっと勝ち気なシングル>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.8

突然の死で最愛の息子と別れなければならなかった夫婦。ただ人恋しさに見知らぬ男に救いを求める男。でもその両親も息子がゲイであることを受け入れられるのに時間が要った。日本版は親子のほのぼのとした交流を描い>>続きを読む

バジーノイズ(2023年製作の映画)

4.1

誰とも関わらず自分の中で完結していた世界が、突然のに闖入者よって他人と関わることで起こる化学変化を体験してより大きく深い世界を目指していく。若さの柔軟さがいいな。対して大人の世界は搾取する者される者、>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.1

やっぱ初恋って特別だ。しかもひとり旅、人との出会いと別れ、夏の台湾と冬の日本、もうそれだけでもビンビンくる。ジミーにとってもアミにとっても旅の途中出会う人たちがみんないい人ばっかり! 物語は現在のジミ>>続きを読む

あまろっく(2024年製作の映画)

4.2

こんな若くて綺麗な娘があんなおっさんと? あり得へん! あのふたりはこういう展開? あり得へん! とあり得ないことばっかりなのに、終わるときにはほのぼのとした気分になっていた。制度面で家族になることは>>続きを読む

辰巳(2023年製作の映画)

3.8

このジャンルの映画を久しぶりに見た。辰巳兄弟以外の男達の顔圧強すぎ。よくもこれだけ悪面の俳優を集めたものだ。演技力もすごいんだろうけど。日本の裏社会の話だけど、組織の末端では義理人情なんて関係なく、金>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.2

アニメだからと今まで気乗りしないで観なかったのだが、それはとんでもない色眼鏡だった。たしかにいかにもアニメっぽいキャラクターデザインだけど、こども目線の周囲の描写はもちろん、それを大きく包む世の中の情>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.2

この世界観、全然乗れなかった。すげえド派手。そしてな~んにも残らない。ものすごい金かけてるのは分かる。でもこれってゴジラが出る必要全然ないじゃん。コングだけで十分。アメコミのヒーローがよってたかって集>>続きを読む

リバウンド(2023年製作の映画)

4.2

高校生スポーツ青春映画はやっぱりいいな。展開も結末もおおよそ想像がつくけど、ひたむきに競技に打ち込む姿の瑞々しいこと。しかもこれが実話なんだって。見終わって清々しい気分になって元気がもらえる。こういう>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.1

あのあとコットはどうなるのかな。あまりハッピーエンドは期待できなそうだけど。あの親父、ご馳走してくれた皿にタバコを押し付けて消すその行為だけで人間性が見える。母親もなんか放ったらかしだし。でも、以前の>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.9

両親を亡くした今この映画を見ると、以前とはずいぶん違う見方になった。“異人たち”の思いに想いを馳せてしまう。急な事故でたった一人の息子を世間に放り出さなくてはならなかった若い夫婦、人恋しさに潰れてしな>>続きを読む

陰陽師0(2024年製作の映画)

3.7

正直、また山﨑賢人か、と思ったが、意外によかった。誰とも連れ合わず人嫌いで孤独に生きながらもまだ未成熟で危なっかしいところもある、そんな感じが似合っていた。アクションはそんなに多くはないけど、武器を持>>続きを読む

鴨川ホルモー(2009年製作の映画)

3.7

昨日舞台を観て、久しぶりに映画版も見たくなった。鬼達の戦いぶりや、京都大学名物の吉田寮の様子、京都のあちこちの名所など、映画ならではの面白さがあってこれはこれでいい。やっぱり要は大学のサークル活動の様>>続きを読む

鬼平犯科帳 血闘(2024年製作の映画)

3.8

完成披露上映会で鑑賞。出演者の皆さんと監督の舞台あいさつがあった。数ある鬼平原作からいくつかのエピソードと人物を取り上げて入れ換えたりしてひとつの作品にしたのだが、けっこう面白かった。今回は北村有起哉>>続きを読む

霧の淵(2023年製作の映画)

3.5

奈良の山奥の小さな村。かつては栄えたが今は古い建物も痛んできているのが映像でよく分かる。山には毎日のように霧が立ち、水が湧き、木が育つ。そういう場所で暮らす人達を少女の目を通して見つめている。本当に美>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

4.1

辛い映画だった。事件からまだ70年も経っていないのか。南部の白人がこのリンチ殺人を「よくあること」と言っていたが、胸くそが悪くなる。同じことが白人同士で起こったら彼らはどうする、彼らの善悪の基準はどこ>>続きを読む

春の饗宴(1947年製作の映画)

3.6

戦後2年で世の中がまだまだ騒然として不安なとき、もちろんテレビもない時代、こういう華やかなレビューやスターを見られる映画は本当に娯楽だったんだろうな。ストーリーもあるけどやっぱりいろんな歌や踊りに目が>>続きを読む

真剣勝負(1971年製作の映画)

3.8

内田吐夢監督、中村錦之助(萬屋錦之介)主演の宮本武蔵シリーズの番外編。監督は元々この宍戸梅軒のエピソードをシリーズとは別に映画化するつもりだったらしい。剣は生きる道か相手を倒すための技か。シリーズの最>>続きを読む

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)

3.5

大筋は男と女の恋の流れを追っているらしいが、いろんな映像がいろいろ入ってきてわけが分からん。面白いっちゃあ面白いけど。目玉を切り裂くシーンとか女性の裸の胸や尻を撫で回すシーン、掌に蟻が湧き出すシーン等>>続きを読む

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.8

16㍉フィルムでの上映。音楽はなく全くの無音での上映だった。だから正真正銘の映像とほんの少しの字幕だけでストーリーを追っていった。それでも分かるのは考えや感情を言葉でなく映像で見せるからだろう。サイレ>>続きを読む

ビヨンド・ユートピア 脱北(2023年製作の映画)

4.4

隠しカメラや携帯で撮影された映像が脱北の現実をこれでもかというほどしっかり見せている。これ以上のドキュメンタリーがあるだろうか。80歳の老母とふたりの小さな子どもを連れて山やジャングルをひたすら歩く行>>続きを読む

ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.9

おもしろかった。メインの夫の浮気もあるけど、潔癖性とか恋愛依存症とか人種偏見、移民問題、宗教など、いろんなものが見え隠れして、ラストにはそれらがなんとなく落ち着く所に落ち着いた感じ。でも、日本語のタイ>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

大人の物語だなと思った。男は過去にこだわり女は過去にけじめをつける、なんて単純に言い切れないけど、気持ちが微妙にすれ違いタイミングがずれて、二人の関係は流されてしまう。現実的だな。「イニョン(縁)」と>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

いろんな人が次から次へと出てきて、いろんな時代が入り交じって、殆ど休みなく会話ばっかりで、難しくて付いて行かれなかった。この映画は恐らくオッペンハイマーというひとりの科学者と彼の生きた時代を描くのが目>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

フィンランドの映画って初めてかも。何かが大きく変わったり大きなことが起こったりすることもなく、市井に生きる人達の姿を淡々と描いていてそれがいい。生活のくたびれ感、なかなか進まない恋のじれったさ、そうい>>続きを読む

パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜(2023年製作の映画)

3.8

パティシエのサクセスストーリーなので明るく軽くポップなものかと想像していたら、実話ベースの暗く重いものも含んでいたのが意外だった。そしてこの手のものには主人公を時にくさし時に励ます恋人がいるけど、この>>続きを読む

最悪な子どもたち(2022年製作の映画)

3.8

なんかすごいものを見た、という感想。素人の子ども達を使って映画を撮るというノンフィクションのフィクションはそれぞれが重なりあって、その子ども達の人間性を露にしていく。そのリアルこの上ない感じが怖いくら>>続きを読む

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.7

とにかく映像がきれい。真っ白なウユニ塩湖、プラハの町並み、アイスランドの真っ黒な砂浜、行ってみたくなる。日本の風景も綺麗に切り取られている。3人の愛の描写は僕にはちょっとわからないけど、これは人生経験>>続きを読む

戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

4.2

ものすごい物語。しかもこれが実話なのだから余計に重くのしかかる。人って他の人より上の立場になると優越感にのぼせ上がって普段なら絶対にしないような暴虐残虐行為を平気でやってしまうものなのか。あのナチスの>>続きを読む

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