netfilmsさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】(2021年製作の映画)

4.0

 まぁこのオリヴァー・ストーンのケネディ大統領暗殺事件への生涯かけての執念にはただただ頭が下がる。『JFK』におけるケネディ大統領暗殺事件の捜査に執念を燃やす地方検事ジム・ギャリソン(ケビン・コスナー>>続きを読む

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.7

 少女の名前はモナ・リザ(チョン・ジョンソ)というが、決して微笑まない。なぜなら精神病院に12年もの間、隔離されているから。拘束衣で身動きが取れず、12畳ほどの個室にはベッドしかなく、実に殺風景だ。し>>続きを読む

スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.7

 ある日、犬のレジーは、飼い主ダグに家から3時間も離れた遠い場所に捨てられてしまう。しかしピュアなレジーは、投げられたボールを取りに行く。その時はいつもの「取ってこいクソッタレ」ゲームだと信じていた。>>続きを読む

クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

3.5

  いつものネトフリJAPAN映画というか、2000年代の三谷幸喜映画か2010年代の鈴木雅之映画の焼き直しのように、役者の豪華さで衆目を引くような映画であり、それ以上でも以下でもない。もう本当に正月>>続きを読む

デシベル(2022年製作の映画)

3.9

 韓国の大都市、釜山。ある一軒家で爆破事件が起こり、そのニュースを目にした元海軍副長カン・ドヨン(キム・レウォン)の元に、一本の電話が届く。電話の相手であるテロリスト(イ・ジョンソク)は、「次のターゲ>>続きを読む

ぼくは君たちを憎まないことにした(2022年製作の映画)

4.0

 2015年11月13日金曜日の朝。ジャーナリストのアントワーヌ・レリス(ピエール・ドゥラドンシャン)と息子メルヴィル(ゾーエ・イオリオ)は、仕事に急ぐ妻エレーヌ(カメリア・ジョルダーナ)を送り出した>>続きを読む

花腐し(2023年製作の映画)

4.2

 ある日突然、男(吉岡睦雄)と女の心中死体が海岸に打ち上がる。物語は最初から湿っている。祥子(さとうほなみ)と同棲していたはずのピンク映画の監督・栩谷(綾野剛)だけが取り残された。心中相手は同じ監督仲>>続きを読む

蟻の王(2022年製作の映画)

4.2

 1960年代イタリア、ポー川南部の街ピアチェンツァ。詩人で劇作家であり、蟻の生態研究者としても知られるアルド・ブライバンティ(ルイージ・ロ・カーショ)が主催する芸術サークルには、未来の夢を持った多く>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.2

 冒頭の佐々木佳道(磯村勇斗)の注いだコップのように、危険水域に達した者の境地というのは当事者にしかわからない。コップに注がれた水が全編を覆う水のメタファーもやはり、普通の一般人には到底わからないフェ>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.8

  『ワンダヴィジョン』から駆け足で雪崩れ込んだMCUのフェイズ4も殆ど核心部分を見せぬまま、静かにフェイズ5に移行したわけだが、フェイズ3までとそれ以降との決定的な違いとして、劇場版だけではなくドラ>>続きを読む

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.0

 日本軍の占領を免れた上海の英仏租界は、当時「孤島」と呼ばれる奇跡の空間を作り上げていた。それは治外法権を破る程の特殊な磁場であった。当時は魔都と呼ばれた上海では、日中欧の諜報部員が暗躍し、まるでスパ>>続きを読む

唄う六人の女(2023年製作の映画)

3.6

 森の中の崖スレスレのオンボロ道を宇和島(山田孝之)が疾走する辺りはかなりの期待を抱かせたのだが、う〜んこれはあれこれ詰め込み過ぎたか。『唄う六人の女』のタイトルに私は『黒い十人の女』のような現代的寓>>続きを読む

パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

4.2

 パトリック・スミス略してパトスミの例に漏れず、パトリシア・ハイスミス略してパトスミとどや顔で言っていたら本編ではパットの愛称で呼ばれていて心底戸惑う。1921年、アメリカ・テキサス州フォートワースに>>続きを読む

人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした(2023年製作の映画)

3.6

 率直に言ってタイトルが長い。長過ぎて覚えられない。一応便宜的な略称として「詰んドル」と呼ばれているらしいが、それならば最初から「詰んドル」で良い。元アイドルの安希子(深川麻衣)は、幸せで充実した人生>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

 1930年代、パリ。新人女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)はようやく役にありつけたと思った途端に映画プロデューサーのセクハラに遭い、すんでのところで逃げ仰せたものの、その日の午後に刑事がや>>続きを読む

さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

4.0

 豊かな海に囲まれた美しい島で、一人前の漁師を目指すアキラ(アフロ)は、「ほや」を獲るのが夏の間の仕事だ。船に乗ることが出来ずにいる弟のシゲル(黒崎煌代)と 2 人、島の人々の助けを借り、なんとか暮ら>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.0

 まぁあの簡素なタイトル・ロゴと逃げ惑う人々の予告編を観て何と言うか嫌な予感がしていた割にはそんなに悪くないゴジラ。というかゴジラは最強の極悪怪獣で明らかに悪いのだが、前半からこれ程人間ドラマに特化し>>続きを読む

Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

4.1

 ビー・ガンの15分の新作短編がワンコインで観られるということで宮下公園前に喜び勇んで馳せ参じたものの、限定ポスターやビー・ガンのグッズを一通り買っていたらあっという間に数千円行き、『ロングデイズ・ジ>>続きを読む

左手に気をつけろ(2023年製作の映画)

4.2

 前作『だれかが歌ってる』を恵比寿で観た時点で、金井姉妹プロデュースの非常に限定された環境でしか公開しないプライベート・フィルムに近いものかと思ったし、正直言って京都行きまで真剣に考えていたのだが、4>>続きを読む

烈火青春 4Kレストア版ディレクターズカット(1982年製作の映画)

4.4

 裕福な家庭で育ったお金持ちのルイ(レスリー・チャン)はデヴィッド・ボウイやイッセイ・ミヤケに憧れ、デザインの勉強中だった。そこへ日本に留学していた従姉妹のキャシー(パット・ハー)が突然、帰ってきた。>>続きを読む

トンソン荘事件の記録(2020年製作の映画)

3.0

 2019年、寺に放置された車から門外不出の謎の映像素材が見つかった。それは1992年に起きた殺人事件を追った映像記録だった。映像は一度は検察が押収したものの、制作会社が訴訟を起こし取り戻す。この映画>>続きを読む

エア(2023年製作の映画)

3.9

 傑作映画『戦争と女の顔』を観た今ではそこまで珍しくないものの、第二次世界大戦当時の女性の兵隊と女性パイロットの話である。祖国の勝利を信じ、若い女性戦闘機パイロットが前線にやってくる。男たちは最初、慰>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.8

 これは良くてあれはダメなどと個別に断罪するつもりはないが、何より石井裕也という監督は題材による当たり外れが大き過ぎる。ほぼ同時期に公開された『月』は、相模原障害者施設殺傷事件という実際に起きた事件を>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.3

 冒頭がもう思いっきりアルフレッド・ヒッチコックの『裏窓』で泣けたのだが、この『裏窓』という映画はデヴィッド・フィンチャーのオールタイム・フェイヴァリットとして知られている1作だ。フランス・パリのホテ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

 東京国際映画祭を開催している有楽町とは目と鼻の先の日比谷で今週末だけ上映があると知り、最後まで行くかどうか迷ったのだが、不覚にも泣いてしまうほど完璧な映画だった。これは本公開までに観ておいて良かった>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.9

 第二次世界大戦末期の1944年。ソ連の侵攻を受け、ナチス・ドイツに国土を焼き尽くされたフィンランド。凍てつく荒野を旅する老兵アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)は戦闘機にも戦車にもまったく動じる素振>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

3.6

 刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は、作業療法士がカチカチとリズミカルに叩く音に静かに正気を取り戻す。今作の冒頭5秒、あなたは既に騙されているの台詞通り、なんだか霧に包まれたような物語のスタート>>続きを読む

サンタクロースの眼は青い 4Kデジタルリマスター版(1966年製作の映画)

4.2

 空気も凍てつくようなクリスマス・シーズンの仏南西部ナルボンヌ。いつになったらダッフル・コートが買えるのかというジャン゠ピエール・レオー(ダニエル)の独白により幕が開く物語は、モラトリアムな時代の鬱>>続きを読む

グリーンフィッシュ 4K レストア(1997年製作の映画)

4.1

 兵役を終えたマクトン(ハン・ソッキュ)が故郷イルサンに向かう列車の中で運命の女に出会う。ガタガタと揺れる列車から風景を見ようと窓から顔を出した瞬間、彼女の赤いスカーフが不意にマクトンの顔を包んでしま>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

3.8

 アフガニスタンの砂漠で、タリバンによる韓国人23名の拉致事件が発生。タリバンは、韓国軍の撤退と、刑務所に収監されたタリバン戦士23名の釈放を要求。与えられた猶予は24時間で、そこに韓国政府が差し向け>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

4.0

 黒沢清好きが漏れなく好きなのはかつては塩田明彦や青山真治や万田邦敏で、今は濱口竜介に移行しつつある過渡期であると思う。『月光の囁き』以降の塩田作品はもれなく大好きで、『黄泉がえり』と『どろろ』以外は>>続きを読む

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.4

 外の世界は汚染されていると言いながら、自分はガスマスクで買い物に出掛けて行く母親の姿はやけに気味悪い。外の世界も知らぬまま、35年も不潔な地下室に閉じ込められ、詰られ叩かれ、夜はその母親と近親相姦ま>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.8

 イギリス発ウェールズの日本文化ヲタクだったギャレス・エドワーズは『スター・ウォーズ』シリーズに魅了された生粋のSF映画ヲタクだが、2014年にハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の監督に抜擢され>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

 水曜夜の時点で上映時間を確認したら、206分となっていて思わず頭を抱えてしまった。3時間26分は流石に長ぇわと。ここのところのスコセージ映画長尺化の背景には彼の深い映画愛があるのはわかるのだが、『ア>>続きを読む

白石晃士の決して送ってこないで下さい(2023年製作の映画)

3.8

 ある種、白石晃司監督がモキュメンタリーの領域で偶然見つけたのは、ハライチの漫才のようなニッチな世界ではないか?それはお題を変えればそこから数通りのパターンが生まれるという費用対効果で言えば常人離れし>>続きを読む

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.8

 Instagramのストーリーを見ながら、他人の人生に憧れる人々の不毛についてはこれまで何度も言及して来たし、何もない自分の姿にただただため息をつく若者に対してはInstagramを見るな、自分でい>>続きを読む