豚肉丸さんの映画レビュー・感想・評価

豚肉丸

豚肉丸

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.6

ボスの用心棒を務める若い男がギャングのトップに上り詰めていくお話

テンポが良すぎて面白い。90分の中にギャング映画の美味しい部分が詰め込まれており、まさにギャング映画の伝説的な古典作品となっているの
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最強女子コーセー伝説 キョーコVSゆき(2000年製作の映画)

2.0

殺し屋として育てられてきた女子高生と援交おじさんをぶん殴って金だけ貰ういただき女子が色々あって殺し合いの決闘をすることになるお話

勝手に闘え!
終盤の決闘後の二人の身体が血塗れになったスプラッターの
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アスファルト・ジャングル(1950年製作の映画)

4.6

刑務所から出所したばかりの男が仲間を集めて今までで一番デカい宝石強盗を企てるお話

まさに教科書的なノワール映画という感じで面白い。仲間が集まり、強盗が起こり、最終的にそれぞれが破滅に向かっていく..
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世界の終わりにはあまり期待しないで(2023年製作の映画)

4.8

交通安全ビデオ制作のために女性スタッフが奔走するお話

大傑作!
過労の女性スタッフがキャスト集めに奔走し、実際に撮影するまでの過程という「何でもない」ようなことがラドゥ・ジュデ監督の自由奔放な演出と
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アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013年製作の映画)

4.2

女性に変貌したエイリアンが次々に男性を誘惑して捕食するお話

ヘンテコすぎて大爆笑した。普通のスリラー映画かと思いきや、普通のスリラー映画に陥ることを徹底的に拒否したような物語と画面の絵面に目を見張る
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

5.0

田舎にグランピング場建設の話題が持ち上がるものの、そこに住む住民は納得していなくて...というお話

大傑作!
全ショットが美しすぎて驚いた。誰にも寄り添わず、ただその空間を映し切り取ったようなカメラ
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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

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マリウポリがロシア軍に占領されるまでの20日間を映したドキュメンタリー映画

スコアの付けようがない。
映像が世界中に発信されたことが明らかになる場面で一瞬だけ流されるめざましテレビの映像にハッとさせ
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黄金の馬車(1953年製作の映画)

4.4

植民地に置かれた宮廷に劇団が訪れて公演を開くものの、劇団の座長に3人の男が恋をして宮廷内が荒れるお話

初ジャン・ルノワール。
初っ端から舞台劇を意識したような画面構成に目を見開く。「黄金の馬車」が提
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Reise nach Agatis(原題)(2010年製作の映画)

3.6

旅行の最中の女性がある夫婦にクルーズ旅行に招待され、クルーズ旅行に同行するものの、その夫婦はヤバい夫婦で...というお話

マリアン・ドーラ監督作品にしてはかなり地味。尺が1時間程度しかない割にはスロ
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Bulletproof(原題)(2020年製作の映画)

4.4

アメリカの銃社会の構造について学校教育の面から着目したドキュメンタリー映画

生徒、教員、学校職員、親、防犯ビジネスの職員など、様々な視点を通じて銃社会の構造を多角的に明らかにされていく様が面白い。
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ゆけゆけ二度目の処女(1969年製作の映画)

4.6

少年が屋上で輪姦された少女と出会い、「殺して」と頼まれるお話

初若松孝二。
閉塞感に満ちた屋上、無気力な少年、謎の少女、ポエム、輪姦、死。記号的で退廃的なエロゲのような青春が強烈でアヴァンギャルドな
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夜よ、こんにちは(2003年製作の映画)

4.5

イタリアの首相を誘拐して家に監禁するお話

徹底的に主人公の誘拐メンバー側の女性の視点に終始していて凄い。誘拐メンバーは主人公の女性以外にも複数人いるにも関わらず、徹底して主人公からの視点に終始してい
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快楽(1952年製作の映画)

4.8

モーパッサンの三つの短編を映像化したオムニバス映画

初マックス・オフュルス。
マジでみんな走り回るしカメラは動き回るしで面白すぎる。「みんな走りまくる」って言われて観たけど本当に走りまくってて笑う。
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アワーミュージック(2004年製作の映画)

4.8

女子学生がイスラエル/パレスチナの非対称性を映画のイメージと重ね合わせた講義を聴きに行くお話

大傑作!
中期ゴダールに見られた脈々の無い会話や意図不明の行動などの描写が無くなってかなりストレートな劇
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.8

女王陛下の寵愛を受けるために女王陛下の幼馴染と新人召使が争いを繰り広げるお話

滅茶苦茶面白すぎる。とんでもない程の超広角レンズで映し出されるドロドロドラマが普通に面白い。
部屋に忍び込んで本を読んで
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.5

映画サークルの新歓にて。
小学生以来の再鑑賞だけどやっぱり純粋に面白くて凄い。明らかに問題のある諸々の表現や終盤の説得力に欠けるカタルシスなど気になる点は多いのに、それでも純粋に面白いから凄い。

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.3

ロデオの最中に落馬し脳に傷を負った男が再びロデオに挑戦しようとするお話

クロエ・ジャオ監督らしい雄大な自然の風景が心地良い。家族や周りからどんなに止められても自分のエゴを貫き通して馬に乗ろうとする男
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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.3

時が止まった世界で謎の少女と出会うお話

キスがエロすぎて最高。なんか所々にフェチズム的なエロい描写が多々あるなとは感じたけどあのキスの場面でこの映画が間違いなくエロであることを確信。押し倒す動作の反
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.5

映画監督が映画制作とプライベートの両方に行き詰まり、妄想と現実の狭間が曖昧になっていくお話

初フェリーニ。
想像していた何倍も意味わからなかったけどシュールでおもしれ〜〜〜。
描かれることは「映画制
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PascaLs しあわせのようなもの(2023年製作の映画)

4.3

急死したメンバーを追悼するために行われた追悼ライブの演奏を捉えたドキュメンタリー映画

予想以上に良い音楽ドキュメンタリー映画。
本作は『This much I know to be true』や『T
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異人たち(2023年製作の映画)

4.6

マンション内に住む謎の男と出会ったことを機に、幼少期に亡くなったはずの両親が現れるお話

ネオンライトに包まれたかのような画面の色彩がとにかく最高で痺れる。幼少期の頃に亡くなった両親が再び現れる...
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Guy and Madeline on a Park Bench(原題)(2009年製作の映画)

4.0

音楽を通じて若い男女が仲を深めていくお話

ダミアン・チャゼル監督の卒業制作映画。
最初から明確に「クラシック映画意識してます」と宣言するかのようなオープニングから始まって笑う。
ストーリー面はただ男
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何も変えてはならない(2009年製作の映画)

3.8

ある女性歌手のレコーディング風景を収めたドキュメンタリー映画

初ペトロ・コスタ。
「変えてみよう」という声に合わせて表示される『何も変えてはならない』というタイトル、一つ一つがバチバチにキマったモノ
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.6

東京上空に謎の巨大な物体が浮かんでいる世界で女子高生達が平和な日常を過ごすお話

原作も浅野いにおも知らないまま観たけど素直に面白い。
教室や学校の中は平凡な日常と何も変わらない光景が広がっているが、
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郊遊 ピクニック(2013年製作の映画)

4.3

「人間立て看板」の仕事で身銭を稼いで廃墟を家にして子供を養う貧しい父親のお話

ツァイ・ミンリャン監督特有の狂ってるとしか言いようがない長回しが見事に父親の生活を描くに相応しいリアリズムを演出していて
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Neighbouring Sounds(英題)(2012年製作の映画)

4.3

ブラジルの集合住宅街に新しい警備会社が入ってきたことをきっかけに周囲に亀裂が走るようになるお話

まさに最近マンションに引っ越ししたからこそ本作で描かれる集合住宅の「音」の問題が身近に感じられて笑っち
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ミュージック(2023年製作の映画)

4.6

誤って男を殺してしまった青年が刑務所に入り、そこで出会った看守の女性と音楽を通じて恋に落ちるが...というお話

期待していたアンゲラ・シャーネレク監督の最新作。『家にはいたけれど...』は全くよくわ
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湖畔の2年間(2011年製作の映画)

4.2

社会と断絶したような湖畔で自給自足で生活するおじさんのお話

一切説明もナレーションもセリフも無いまま映画が始まり、これがドキュメンタリーなのかフィクションなのかすらも判然とせず曖昧な印象を残したまま
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The Plains(原題)(2022年製作の映画)

3.7

弁護士の中年男性が帰宅しながら家族や同僚と会話するお話

3時間永遠と固定の車内カメラから男が運転しながら会話をする様子が続く。それ以上でもそれ以下でもなく、本当にただずっと(時折挟まるドローン映像を
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関心領域(2023年製作の映画)

4.6

強制収容所の隣で平和な生活を送る家族のお話

強烈。平和な生活を送る家族の日常風景から垣間見える強制収容所と虐殺された人々の声。カメラは家族の日常を映すことだけに徹し、私達観客は登場人物と同じく虐殺さ
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檻囚(1962年製作の映画)

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緑がかった画面で映される意図不明の映像の羅列。運動の映画?

トマトケチャップ皇帝(1971年製作の映画)

4.0

抑圧されてきた子供達が大人達に反逆を起こし、国家を築き上げるお話

初寺山修司
ファシズム国家に反発して完成した新たな国家権力が結果的にファシズムを再生産することに至るまでの過程?
文字通りアングラと
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アンナ・マグダレーナ・バッハの日記(1967年製作の映画)

4.2

バッハの妻視点で語られるバッハの生涯についてのお話

大学図書館にて。
マジで永遠と音楽を演奏してるだけで凄すぎる。バッハの生涯、事件、家族の死などの出来事は殆ど資料とナレーションのみで語られ、それ以
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Yannick(原題)(2023年製作の映画)

4.6

つまらない演劇に激怒した観客が自らの手で面白い演劇に変えていこうとするお話

変なシュールギャグ映画ばかり作ってるカンタン・デュピュー監督の最新作。本作は荒唐無稽なシュールギャグとは一線を画し、観客と
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

普通に面白かったけどオッペンハイマーが原爆を作るまでの経緯とそこから赤狩りによる没落を描いただけの映画でかなり普通。特に印象的な演出や映像も無く、ただただ半生を映すだけ。時系列の交差も序盤中盤は裁判か>>続きを読む

The Mirror(英題)(1997年製作の映画)

4.5

学校帰りに迎えに来てくれるはずの母親が居ないことに気づいた少女が、母を探して街中を駆け巡るお話......しかし途中で少女を演じている主演の子が撮影を放棄して逃げ出してしまう。

『友だちのうちはどこ
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