豚肉丸

快楽の豚肉丸のレビュー・感想・評価

快楽(1952年製作の映画)
4.8
モーパッサンの三つの短編を映像化したオムニバス映画

初マックス・オフュルス。
マジでみんな走り回るしカメラは動き回るしで面白すぎる。「みんな走りまくる」って言われて観たけど本当に走りまくってて笑う。
物語自体はどれも短編作品だからかよくある古典映画なものの、それにしても撮影が神がかっていて本当に最高。
第一部はダンスとマスク、第二部は列車と花、第三部は喧嘩とラスト、と言ったようにそれぞれの話にしっかりと印象的な場面やアイテムがあり、それぞれの話に驚きが満ちていて滅茶苦茶面白い。

第一部のダンスは言わずもがな、倒れた男の介抱をしている最中に感じる顔の違和感(喋っているはずなのに顔が一切動いていない)を見せた後、その顔がマスクであった!と判明するくだりが凄く良い。第二部は導入部分の喧嘩の場面(画面の奥で起きている喧嘩を見て逃げようとした瞬間に喧嘩の規模が大きくなる流れ!)や列車でのクローズアップ演出と追い出される場面、そして最後の花を摘む場面と別れが物凄く良すぎて最高。列車を追いかけて疾走する際のトラッキングショット!第三部は部屋の中を疾走しまくって物を破壊しまくる大喧嘩の場面に爆笑したものの、ラストのあのカメラワークに鳥肌が立って衝撃に打ち震えた!人物の会話を捉えたよくあるショットから一転して主観視点ショットに切り替わるあの衝撃!マジで意味わからないぐらいにヤバすぎて本当に凄まじい...カットを入れずに主観視点に切り替わるの本当に凄まじすぎてヤバくないですか?これ...
本当に面白かった!
豚肉丸

豚肉丸