豚肉丸

Guy and Madeline on a Park Bench(原題)の豚肉丸のレビュー・感想・評価

4.0
音楽を通じて若い男女が仲を深めていくお話

ダミアン・チャゼル監督の卒業制作映画。
最初から明確に「クラシック映画意識してます」と宣言するかのようなオープニングから始まって笑う。
ストーリー面はただ男女が親密になって離れていく様を描いただけでかなり単調さは感じてしまうものの、意外にも映像や演出が面白かった。映像はかなりカサヴェテスとヌーヴェルヴァーグが混ざり合ったような質感の映像で、ブレブレの手持ちカメラで人物の顔や身体を画面いっぱいに映したかのようなショットが多い。これだけで進行していくドラマパートはいかにも「卒業制作」の映画のように思えたが、ミュージカルパートに入ってから印象が一気に変化する。と言うのも本作は、人物が歌い始める・踊り始める動作すらドラマパートと変わらない質感の映像で映し出す。カサヴェテスやヌーヴェルヴァーグのような質感の映像のままミュージカルが始まり、タップダンスが起こる。意外にもそれがかなり気持ち良くて、一つのミュージカルの手法を見せつけられたような感じ。
本作では主軸となるトランペットの演奏もかなり良く、意外と普通に面白い映画だった!
豚肉丸

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