豚肉丸

黄金の馬車の豚肉丸のレビュー・感想・評価

黄金の馬車(1953年製作の映画)
4.4
植民地に置かれた宮廷に劇団が訪れて公演を開くものの、劇団の座長に3人の男が恋をして宮廷内が荒れるお話

初ジャン・ルノワール。
初っ端から舞台劇を意識したような画面構成に目を見開く。「黄金の馬車」が提示された後劇団がやって来る→公演を開くうちに主要人物の三人のキャラクター性が提示される、といったように一人一人のキャラクター説明を丁寧に行い、その後「黄金の馬車」に絡めて登場人物同士の関係性が徐々に絡まり合っていくストーリー構成が単純に面白い。
序盤の公演中のトラブル、中盤の閣議会議の場面、そして終盤がそうなのだが、同一の時系列のまま別々の部屋を描写してそれぞれの出来事が持続したまま新たな出来事が発生したり、複数の部屋を行き来する動作が多くて面白い。閣議会議の場面はその代表と言ってもよく、明らかに不穏な空気が漂っている回義室を行き来しながら二人の女性の間を行き来する流れは笑ってしまった。
映画という媒体を用いながら「舞台劇」として着地させる物語も良くて(あの目をつんざくような光!)なかなか面白かった!
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