KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 61ページ目

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シモン・マグス(1999年製作の映画)

5.0

[エニェディのマジックリアリズム、世紀末の素晴らしき魔法] 100点(ATB3位)

「心と体と」をオールタイムベストに格上げしてからというもの、エニェディ作品を探し求めていた。どうやら「私の20世紀
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黒猫(1934年製作の映画)

4.0

No.86[悪魔崇拝という弱すぎる&唐突なまとめ] 80点

ベラ・ルゴシ=ドラキュラとボリス・カーロフ=フランケンシュタインが初共演ということで有名な本作品だが、流石は非線形天邪鬼と言うべきか「魔人
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戯夢人生(1993年製作の映画)

2.5

No.859[戯夢人生っていい題名だね] 50点

お薦めいただいた「風櫃の少年」でシャオシェンを封印しようとしたのだが、VHSは万年借りられてるし、第一”1001の映画2011”には「悲情城市」と本
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黄金時代(1930年製作の映画)

3.0

No.54[「ソドム百二十日あるいは淫蕩学校」とキリスト重ねたら、そりゃ怒られるでしょ] 60点 

私にとってブニュエル5作目なのだが、これで初期のシュールレアリズム期の作品群は制覇した。前作「アン
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キャット・ピープル(1942年製作の映画)

5.0

No.154[魔女の末裔か情欲の魔物か] 100点

猫顔のシモンが猫を演じるとなれば見る以外の選択肢は無い。「獣人」では欲情すると突発的に殺意を抱く男に殺されたシモンだが、今回は欲情すると豹になる女
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極北の怪異/極北のナヌーク(1922年製作の映画)

3.0

No.15[結構嘘くさいけど、言いたいことは届いたよ] 60点

今年の9月に「モアナ」をやるらしいのでその応援企画。フラハティはドキュメンタリーの父と呼ばれているらしいが、処女作の本作品は”真実”と
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灼熱/灼熱の太陽(2015年製作の映画)

4.5

[『ビフォア・ザ・レイン』の後、ユーゴスラビアはどうなったのか] 90点

想い出記録。「ビフォア・ザ・レイン」はマケドニア人とアルバニア人だったが、本作品はセルビア人とクロアチア人の話を描いている。
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ビフォア・ザ・レイン(1994年製作の映画)

5.0

[完全無欠なメビウスの輪] 100点(ATB)

昔ユーゴスラビア内戦について調べていた時にたどり着いた。ユーゴスラビアとは”七つの国境,六つの共和国,五つの民族,四つの言語,三つの宗教,二つの文字,
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白い風船(1995年製作の映画)

4.0

No.896[善きサマリア人のたとえ話] 80点

塾講時代から思っていたことなのだが、哀しいかな実は子供が苦手らしい。だからなのか、最後の手段として散見される”子供と動物”みたいなお涙頂戴系映画に涙
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淪落の女の日記(1929年製作の映画)

3.5

[あなたは他人を愛せるか、私とルルの時代(後編)] 70点

「パンドラの箱」以降、取り憑かれたようにルルの影を追い求めた私が同じくパープストが監督した本作品を見つけるのに時間はかからなかった。正直に
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パンドラの箱(1929年製作の映画)

5.0

No.46[無邪気な妖婦、私とルルの時代(前編)] 100点(ATB)

一時期サイレント映画を狂ったように追っていた時期があった。その時に出会ったサイレント期の大傑作たちを忘れることなどあり得ないの
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In the Year of the Pig(1968年製作の映画)

2.5

No.515[常時戦勝国アメリカの傲慢と呪い、単調な歴史の授業]  50点

記念すべきレビュー100本目に本作品を選んで見てしまった私の精神状態のほうが心配だが、気にせず書いてみることにする。私は現
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極楽特急(1932年製作の映画)

3.0

No.74[ウィットの濃度が濃すぎる] 60点

古き時代の映画はスクリプト重視型の映画がほとんどで、私の好みに合うことが多い。この当時から青田買いをしていたハリウッドに移ったルビッチがMGMで作り上
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真実の囁き(1996年製作の映画)

3.8

[悪のグレースケールの先に善はあるのか] 78点

クリス・クーパーは本当にいい仕事をする俳優だから大好きなのだが、悪人面も手伝って最近じゃ出番も少ないお父さん役とかでしか見ない。同年公開の「アメリカ
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動物農場(1954年製作の映画)

2.5

No.273[普通に楽しめるスターリニズムの甘口寓話] 50点

ジョージ・オーウェルの歴史的傑作である寓話「動物農場」の映画化作品であり、他の映画化作品同様ある程度の改変が行われているが、短くまとめ
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アクメッド王子の冒険(1927年製作の映画)

4.5

No.32["火の山の魔女"強くね] 90点

現存する世界初の長編アニメーションである本作品はドイツで作られ、しかも女性監督であるという二重の驚きなのだが、レベルとしては今の作品をも凌駕出来るほど高
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「太陽」を売った少女(1999年製作の映画)

4.9

[男の子が出来ることは、女の子でも出来るんじゃい!] 99点

短いから見るかくらいのテンションだったのだが、短編ベスト10に入るくらい面白かった。監督の名前も聞いたことなかったのが、「Touki B
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ザ・ウォー・ゲーム(原題)(1965年製作の映画)

4.0

No.434[冷戦が直接戦争になるとき] 80点

”怪しい勧誘に注意”だとか”オレオレ詐欺の被害”みたいな被害報告PV的趣の作品だが、それにしてはあまりにリアルで寒気がする。事実に即していないとの指
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ファイアーズ・ワー・スターティッド(原題)(1943年製作の映画)

3.0

No.167[それでも彼らはイタチを追い続けなければならない] 60点

1943年のイギリス映画なんて言われれば全身全霊を込めたプロパガンダ映画を想像するが、そこがやはり斜に構えたイギリス人、プロパ
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.0

[人間マネキンは男の母親となり得たのか] 80点

PTAと私の関係も本作品に似ているように思える。いくら彼を待っても私の愛に応えてくれない。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「パンチドランク・ラブ」は
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椿なきシニョーラ(1953年製作の映画)

3.0

[椿やさだめに留まらず、旬やら愛やらも失ったシニョーラ] 60点 

私の考える映画内幕ものと言えば「8 1/2」「アメリカの夜」「ザ・プレイヤー」で、手元に「聖なるパン助に注意」もあるからそのうち見
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北京オペラブルース(1986年製作の映画)

4.5

No.752["男らしさ"と"女らしさ"] 90点

この手の勧善懲悪映画を楽しんでしまう私の甘さをお許し願いたいが、こういう甘さが私を私たらしめていると願っている。TSUTAYAに無かったが大学の映
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地中海(1963年製作の映画)

4.5

No.410[過去の永い夢に囚われ続ける地中海世界の神秘] 90点

実験的な映画は好きと嫌いで大きく振れるのだが、本作品は前者の部類に入る。私自身も自分の好みが一貫していないので困っているのだが、好
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レ・ヴァンピール -吸血ギャング団-(1915年製作の映画)

4.5

No.4[連続映画、それは圧倒的映像体験] 90点

坂本安美さん応援企画。ゴーモン特集の予習としてこの圧倒的映画について書いてみることにする。想い出記録。

内容は、新聞記者フィリップが悪の集団”ヴ
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ディザレット(原題)(1995年製作の映画)

1.0

No.887[申し訳ないけどユタ州の歴史とかどうでも良いわ] 10点

私の精神衛生向上期間に見ようと思った”誰もレビュー書いてない映画”なのだが、「David Holzman's Diary」ほど惹
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David Holzman's Diary(1967年製作の映画)

4.0

No.480[虚構と現実の間に生まれた世界初のユーチューバー] 80点

こういう誰も見ていない作品に対するレビューを書くこと自体が私の非線形天邪鬼な心をくすぐる出来事である。ので、あまり私らしくもな
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ヘンリー(1986年製作の映画)

4.0

[日常の非日常、非日常の日常] 80点

アメリカは世界最大の殺人鬼排出国だ。ジョン・ウェイン・ゲイシー=殺人ピエロ、ジェフリー・ダーマー=ミルウォーキーの食人鬼、テッド・バンディ、デヴィッド・バーコ
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クラム(1994年製作の映画)

4.0

No.879[あぁ!何と最悪に輝いているのだろう!] 80点

ロバート・クラムというと「フリッツ・ザ・キャット」くらいしか知らないのだが、彼の中では三番目くらいに有名とのことだった。一番目は「Kee
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野性の葦(1994年製作の映画)

1.0

No.877[主人公の存在感のなさはなんなん?] 10点

何かを好きになったり嫌いになったりという感情を抱くにはエネルギーが必要だから、"可もなく不可もなく"っていう何の感情の波風を立てない映画は本
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五毒拳(1978年製作の映画)

4.0

No.633[カンフーで味を整えた緊迫のサスペンス] 80点

この時代低質カンフー映画が大量に作られたけど、どれも凄技カンフーを見せるための映画だから、脚本とかほぼ同じでほんとに退屈なんだけど、本作
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カラヴァッジオ(1986年製作の映画)

3.0

No.750[二次元を三次元に昇華させようした野心的作品] 60点

デレク・ジャーマンとか究極のビジュアル先行型の一人だろと思っていたら本当にそうだった。例に漏れず脚本は支離滅裂で、多分明日には内容
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愛と殺意(1950年製作の映画)

3.0

[邦題にご注意] 60点

この映画を上映するという告知を受けた瞬間から楽しみにしており、なんなら新文芸坐の職員の人に苦笑されながらも前売り券発売当日の朝っぱらから一人で1時間並んでた(から当然1番目
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レディ・バード(2017年製作の映画)

2.0

No.1201[知らないお姉さんのアルバムを一緒に読んだ感じ] 40点

「フランシス・ハ」で世界的に有名になったニューヨーク・インディーズの女神グレタ・ガーウィグの初監督作であり、「フランシス・ハ」
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ウェディング・バンケット(1993年製作の映画)

4.0

No.864[二兎追う者は一兎も得られないと見せかけて五兎も得た話] 80点

非線形天邪鬼としては金熊と金獅子を二回ずつ受賞したアン・リーを複雑な目線で眺めているのだが、やはり演出や脚本は巧みである
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ベイブ(1995年製作の映画)

2.0

No.922[ブタの痛快サクセスストーリー] 40点

人間界ならリース・ウィザースプーンとかザック・エフロンとかがやってそうな映画。見る前から1ミリも期待していなかったのだが、本当に期待通りだった。
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カラスの飼育(1975年製作の映画)

5.0

No.603[アナ・トレントという怪物に撓垂れ掛かったサウラ] 100点(ATB)

初めて見たのが国立二次試験前日だったのだが、Jeanetteの"Porque te vas"の破壊力が凄すぎて試験
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