KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 60ページ目

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マイ・オンリー・サンシャイン(2008年製作の映画)

4.9

[ムシェットとロゼッタのトルコ人の妹、その名はハヤット] 99点(OoC)

以前「裸足の季節」を見た際、三女を演じたエリット・イシジャンのみ女優経験があるということを知ったものの、実際に彼女がジャケ
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鉄路の白薔薇(1922年製作の映画)

4.9

No.18[ガンスが病床の妻に捧げた恋慕の情、"運命の輪"に轢かれた男たちへの鎮魂歌] 99点(OoC)

アベル・ガンスの4時間半に及ぶ"運命の叙事詩"であり、鬼のような量のカット割り、読ませる気の
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霊魂の不滅(1920年製作の映画)

4.0

No.11[圧倒的な映像美を誇る『クリスマスキャロル』的"悔い改める男"の旅路] 80点

シェストレムは「Ingeborg Holm」以来二回目なのだが、このふたつは彼の作品群でも特異らしい(そうい
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時の外何物もなし(1926年製作の映画)

2.4

[時間の次元を持った"映画"は"絵画"より優れているのか] 48点

アルベルトは読んだり読まなかったりするカヴァルカンティのデビュー作。"絵画"は時間の次元を持っていない→命を吹き込めるのは時間の流
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ファスタープッシーキャット キル!キル!(1965年製作の映画)

3.8

No.444[クレイジーゴーゴーガールズ vs.ソーヤー一家] 73点

ラス・メイヤーという巨乳大好きおじさんのキャリア中期の傑作で、カルト監督として有名なメイヤーの中でもカルト的な人気を誇っている
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カビリア(1914年製作の映画)

4.9

[「イントレランス」の原点、サイレント映画史に燦然と輝く忘れられた大傑作!] 99点(OoC)

リビアでの戦争に勝ったイタリアは歴史的叙事詩を映画化し始め、遅ればせながら映画史に名前が残り始める。そ
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ファントマの偽判事(1914年製作の映画)

3.9

[さよならファントマ!パリを股に掛ける犯罪者ファントマの幕切れ、ファントマと時代の肖像⑤] 80点

本作品はフイヤード版「ファントマ」映画群の第五篇であり、小説第十二巻『泥棒判事』を原作としている。
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ファントマ対ファントマ(1914年製作の映画)

3.6

[ファントマがいっぱい、ファントマと時代の肖像④] 71点

本作品はフイヤード版「ファントマ」映画群の第四篇であり、小説第六巻『ならず者警官』を原作としている。原作全三十二巻のうち最も内容が濃い小説
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ファントマの逆襲(1913年製作の映画)

3.0

[悪は日常生活の目と鼻の先にいる!、ファントマと時代の肖像③] 60点

本作品はフイヤード版「ファントマ」映画群の第三篇であり、小説第三巻『殺人する死体』を原作としている。ちなみに、五作ある映画では
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ファントマ対ジューヴ警部(1913年製作の映画)

3.4

[迷宮都市パリを縦横無尽に駆け巡る追跡劇、ファントマと時代の肖像②] 70点

本作品はフイヤード版「ファントマ」映画群の第二篇であり、小説第二巻『ジューヴ対ファントマ』を原作としている。

ジューヴ
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ファントマ(1913年製作の映画)

3.7

[すべての犯罪はファントマだ!、ファントマと時代の肖像①] 78点

「ファントマ」シリーズはフイヤードの連続映画の最も成功した作品であり、新聞に掲載された悪党小説『ファントマ』をもとに第一次世界大戦
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カサバー町(1997年製作の映画)

3.0

[ある姉弟の一日、ジェイランが両親に捧げた記憶の叙事詩] 60点

Wikipediaのジェイランの写真が高校同期にそっくりだったので、我が家ではジェイランは彼の名前で呼ばれている。初ジェイランだが、
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ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

-

No.772[ ]

見た時期が悪いと思いたいが何の感情も湧かなかった。自分でも不思議なくらい、頭が内容を跳ね返した
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今晩は愛して頂戴ナ(1932年製作の映画)

2.5

No.70["大量生産ミュージカル"と"スクリューボールコメディ"の中途半端なハイブリッド] 50点

何ともムカつく邦題であるが「今晩愛して頂戴ナ」で当局に差止めを食らったらしい。そして”は”を入れ
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邪魔者は殺せ(1947年製作の映画)

3.5

No.209[負傷した現代のオデュッセウスが押し込められる事なかれ主義の監獄] 70点

ジェームズ・メイソンは大好きな俳優の一人であるが、私が好きなのは声とその表情であって、本作品のメイソンは常に顔
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ルシア(1968年製作の映画)

2.5

No.501[三人のルシアが見つめたキューバの近代史、三つの短編の継ぎ接ぎ映画] 50点

ルシアはラテン語の”光”という意味から来ているらしい。あまり光を感じることのない結構陰惨な話だが、第一部のエ
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少女ムシェット(1967年製作の映画)

4.5

[理解者の不在が招いた最後の解決策、ブレッソンと薄幸少女②] 90点

私は前作「バルタザールどこへ行く」と本作品をジャン=クロード・ギルベール二部作とか薄幸少女二部作とか呼んでいるが、そう呼べるほど
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バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

4.4

No.457[あてどなく(オ・アザール)歩いたバルタザールが行き着いた先には?ブレッソンと薄幸少女①] 89点

ロバと聞いてキリストのエルサレム入城に代表されるキリスト教的シンボリズムが頭に浮かばな
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

5.0

No.350[ブレッソン映画の素人演技って精進料理みたいだよね] 100点

多くのシネフィルたちが"ブレッソン的"という言葉を使うほど愛されるブレッソンだが、その意味は人によって微妙に違うというのが
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無謀な瞬間(1949年製作の映画)

4.0

No.227[悩めるベネット、惹かれるメイソン] 80点

以前「忘れじの面影」という思わぬ地雷を踏んづけた私は、以降オフュルス恐怖症を患ってしまった。今となってはどの部分に怒り狂っていたのか思い出せ
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上海特急(1932年製作の映画)

3.0

No.69[ディートリッヒ以外興味ないってのが潔い] 60点

スタンバーグはディートリッヒ以前、ディートリッヒ、ディートリッヒ以後の3時代に区分できるのだが、やはり狂ったようにディートリッヒを撮って
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ロアン・リンユィ/阮玲玉(1991年製作の映画)

2.0

[真実と虚構を映画内映画で分断して結合するという不思議な手法] 20点

ロアン・リンユィという女優は聞いたことがなかった。若くして自殺した彼女は伝説となっているらしいが、それが若くして自殺したからな
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オフィシャル・ストーリー(1985年製作の映画)

1.0

No.724[普通の映画としてもお涙頂戴系の告発映画としても考えうる最悪の結末] 0点

一日に五本も見たのだが、中でも最後に見た本作品は人生ワースト級に最悪だった。最初に言っておきたいのだが、最悪な
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落穂拾い(2000年製作の映画)

3.0

No.941[ゴミ漁り?いえいえ、都会の落穂拾いです] 60点

ミレーの描いた落穂拾いは貧農の苦しみをストレートに表した作品だが、本作品は現代まで受け継がれた”落穂拾い精神”を探りつつ、現代フランス
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カンヌ映画通り(1981年製作の映画)

2.5

[空回りするおバカなシネフィル姐さん] 50点

ダニエル・シュミットの名前をよく聞くけど見たことがなかった。最初に選ぶ作品でなかったことは反省している。

テレビ局に頼まれて製作されており、1981
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天使の復讐(1981年製作の映画)

4.0

[クズな男どもは45口径で吹き飛ばせ!] 80点

前々から狙っていたのにMUBIのレンタルから消えてしまったのだが、よくよく探してみるとVHSがあったので助かった。フェラーラは初めてだけど中々興味深
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WR:オルガニズムの神秘(1971年製作の映画)

1.5

[セックス=革命という方程式は成立せんぞ] 20点

60年代末のゴチャついた空気感を持つ映画(「キャンディ」とか)が案外好きだったりするのだが、マカヴェイエフは私の好みの範疇からはズレているようだ。
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マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

5.0

[LIKEとLOVEは違うもの、愛すべきマリア・ブラウンに献杯!] 100点

映画をそれなりに見ると、題名やポスターだけで名作と分かってしまう瞬間が訪れる。勿論外すこともあるが、そんな例はほとんど無
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ナスティ・ガール(1989年製作の映画)

4.0

[] 80点

"真実は常にひとつだが、実に多様な顔を持つ"というのは常々私が感じていることである。決してちびっ子名探偵にケチを付けているわけではない。世界史なんかを学んでいると、人間という動物はそれ
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紅夢(1991年製作の映画)

4.5

No.828[大傑作!紅に染まった妾たちによる狂気の権力戦争] 90点

主人公が静かに発狂する。素晴らしい。なんて私好みの映画だろう!主役のコン・リーは強かに見えるが、役柄的には感情論で動くおバカさ
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拳銃魔(1949年製作の映画)

4.5

No.233[ヤンデレ系ファムファタールという特異解] 90点

ジョセフ・H・ルイスの異色B級ノワールと紹介されることの多い本作品だが、ノワール映画をあまり見ない私にとって本作品がノワールなのか異色
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ミュリエルの結婚(1994年製作の映画)

2.5

No.884[ぐうたら女子の小さな成長譚は正直見飽きたよね] 50点

結婚というくらいだから「フォー・ウェディング」的な結婚映画なのだろうという前提で見たのだが、結婚に取り憑かれた女の話だった。真の
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サリヴァンの旅(1941年製作の映画)

4.9

No.148[人は経験したことしか語れない、ハリウッドの自己肯定] 99点

プレストン・スタージェスは脚本家出身でスクリューボール・コメディの名手だが、意外にもスラップスティック的な場面展開を重用し
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私の20世紀(1989年製作の映画)

5.0

[20世紀、それは"映画の世紀"だ] 100点

"闇の中に見たこともない光が灯った。それは20世紀の光だった―――"というキャッチフレーズも詩的で美しいエニェディの監督デビュー作。『嵐の孤児』から『
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ラブ・セレナーデ(1996年製作の映画)

4.2

[女たらしの”愛の搾取”に対する小気味の良い復讐] 81点

MUBIのカンヌ応援企画で配信されていたのだが、オーストラリア訛りが聞き取れないので見送ってしまった。ミランダ・オットーがクソ可愛いヘンテ
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