5年前のテレビドラマ感がどうしても拭えなかった。
上質なエンタメが量産される時代に、割と宣伝費を掛けてこの仕上がりは厳しいのでは。
新文芸坐にて
濱口監督の東京藝術大学院時代の卒業制作作品。会話劇があまりに秀逸すぎて最早映画というより文芸作品なのではと言いたくなる。
調和を保っていたある男女混合グループのあるカップルがみんなに結>>続きを読む
水深ゼロメートル(水のないプール)に集まった4人女子高校生の会話劇。
個々としては仲良くても、普段の教室では交わらないであろう4人が、なぜ水のないプールに集まっているのか(水の張ったプールで泳げないの>>続きを読む
原作が漫画だからか誰にフォーカスを当てているのか曖昧で、映画全体の軸がブレていたため感情移入できなかった。
原作があるから難しかったのかもしれないけど、もっと脚色しないと映像にするときついシーンが多々>>続きを読む
戦争ものの映画はエンタメとして描くか、批評的に描くかに別れると思う。
この映画は、戦争についてはエンタメとして描き(少なくともタリバンを絶対悪とすることで単純化され観客は殺されていくタリバンを安心して>>続きを読む
安室と出会ったことにより、七海の「普通の人生」から次第に脱落していく。
そこでは、人は何かに依存し、搾取されて(もちろんそれ以上に何かを与えられて)、演じないと生きていけない事が示されている。
人の善>>続きを読む
俳優たちの演技が映像から浮いていたけど、それがこの世界の空虚さを表現するのに良い方向に作用していた。
この映画に出てくるあみ子以外は、リアルの痛々しいものから目を逸らして、空っぽな人形を演じている様だ>>続きを読む
モンタナの自然に囲まれた川で、一定のリズムを持って糸を投げるシーンが印象的だった。ノーマンたち家族にとって釣りとは、宗教との境界を持たず精神的行為の一種として描かれる。
その日その日を生きる弟と、着々>>続きを読む
シアター・シエマにて
団地が並ぶ高蔵寺ニュータウンの脇に、雑木林に囲まれながらひっそりと建っている津端家の1日から始まる。
次第にこのニュータウンを計画したのは、津端修一であると明かされるが、このニ>>続きを読む
大阪万博(1970)の象徴であり、岡本太郎の代表作である「太陽の塔」に迫るドキュメンタリー。
経済成長をし続ける当時の日本はファンタジーに包まれた世界だったのだと改めて感じた。外国人でさえも日本人には>>続きを読む
「誰も知らない」でカンヌの男優賞を取った柳楽優弥の2作目の作品。
常盤貴子、蒼井優などいい俳優がたくさん出てた。(嫌な感じで武田鉄矢が出てきたのが面白かった)
この家族はみんな不器用すぎる。1番伝えた>>続きを読む
シネマシティ(35mmフィルム上映)にて
キリスト教の権威が強かったりテレビが台頭したりなど、様々な時代の潮流を経て変わっていく映画館と年代を越えた2人の友情を撮った物語。
今の配信の時代では考えら>>続きを読む
父親の虚勢を張った姿も、機転の効かない不器用な所も、ラストの盗みに手を染めようとするあの後ろ姿も、全てのシーンに子どもの無垢な眼差しが介在していて、最後には子供の涙によって父親が救われるなんてあまりに>>続きを読む
こういう痛々しい高校生の女の子を主人公にした映画はもはや一つのジャンル(レディバードなど)だと思う。
周りの環境の辛さも、主人公自身の残酷さも全て含めて甘酸っぱい感じがしてこの手の作品は割と好き。
た>>続きを読む
コナンファンだったら絶対にアツいんだろうなってシーンがたくさんあった。
映画版コナンは殆ど観たことなかったけど、ドラマ的展開とファンタジーの多さに驚いた。内容というより、魅力的な登場人物を楽しむ映画だ>>続きを読む
新宿武蔵野館にて
ジャワ島の夜明けの青い光に照らされたシーンから始まる。夜をこんなに美しく撮っている映画に初めて出会った。
歴史的惨事の裏側であったとしても、人間同士の機微な関係性によって動かされてき>>続きを読む
時代的にも本当はもっとシビアな世界なんだろうけど、それをあえて喜劇にするチャップリンが大好き。得意の謎の反射神経に今回も笑った。
チャーリーみたいなちょっと間抜けで優しい(落語でいう与太郎みたいな)人>>続きを読む
この手の作品(ストーリー性のない作品)にしては、映像があまりに俯瞰的過ぎると思う。
作品自体は内容的にも河瀬直美の影響を大きく受けているのは明らかであるが、気持ち悪さ(勿論いい意味で主観的な表現)がな>>続きを読む
再開発によって失われていく街の面影を最後に記録した映画。
大きなストーリー性はないものの、主人公の上京を始まりとして静かに展開していく。
一つ一つの画が遠近を映すことで立体的になっていて、こだわってい>>続きを読む
ヤクザと中学合唱部部長なんて設定はファンタジーだけど、世界観とテーマが映画にハマってて面白かった。
一方向的に進んでく青春と成長に対する不条理への怒りと哀愁(もちろん本人たちは目の前のことに精一杯なん>>続きを読む
「かたつもり」で被写体となった監督自身の養母を描いた最後の作品「塵」では、おばあちゃんが老衰していき死を迎えるシーンまでを映像に収めている。
「かたつもり」では監督が初めて映像を撮っていくことで個人的>>続きを読む
今から約70年前に製作された作品であり現代の感覚で観ると王道的ストーリーだと感じるが、序盤と終盤とを対応した反復構造にすることでアン王女の成長譚を見せたり、2人認識のすれ違いを観客に俯瞰して見せたりな>>続きを読む
映画的に上手いと思うし、大人になると好きって感情だけでは結婚できない感じがリアルだと思う。
ただ恋愛だけをテーマにしてると、結局は共感でしか成り立たないし、それ以上でもそれ以下でもないんだなって。
2>>続きを読む
へんてこドキュメンタリー。
この独特のゆるさと、少しのリアリティとが心地よかった。
ホラーに対して苦手意識あったけど、驚きはしたものの全然怖さを感じなかった。
最初の不穏さは怖かったが、ある程度ファンタジーだと分かったら耳を塞ぐだけで乗り越えられた。
1968年のアメリカの話。
中絶をテーマにした映画ではあるが、その正当性や是非を観客に問う映画というよりは、ただ目の前にいる女性たちを救う物語。
性行為により望まない形で子を孕むのは女性だけで、実際の>>続きを読む
4つの時間軸(留学から第二次世界大戦下の核開発、戦後の原子力委員会の議長、オッペンハイマーの弾劾、ストローズの弾劾)が同時に進行していく。
この映画の難解と言われる部分は時系列にあるため、オッペンハイ>>続きを読む
初代のアホっぽさやわちゃわちゃ感は薄れて、シリアスなシーンや感動的なシーンなど現代に則したエンタメになっていた。平均的に皆んなが楽しめる仕様。
それでも、メカメカしくなったエクトワンや小ネタがたくさん>>続きを読む
おっさん四人組がニューヨークをぶっ壊しながら、ギャグを交えてわちゃわちゃやってるゴーストバスターズとはまた違う。でも前作の小ネタがたくさん散りばめられてて興奮した。
多分当時の空気感で作っても、当時観>>続きを読む
ギャグもストーリーも1の方が好きだけど、2もその空気感を楽しめた。
前作も今作も当時の高級マンションを舞台にしたセットがワクワクした。
エクトワンはギラギラしてい前作の方が絶対にカッコよかった。
もうちょい考えて!ってツッコミどころ満載だけど、おっさんたちがニューヨークでわちゃわちゃしてて面白い!
B級感半端ないけど何故か憎めないこの感じが好きだった。
マシュマロマンはこうやってできたんだ笑
IMAXで絶対に観たい映画。
地面にまで続く大きなスクリーンも、サンドワームの振動も映像の中に入り込んだ錯覚に陥った。
既視感のある展開だとしても圧倒的スケールで描いてるため最強のエンタメだった。
アテネフランセ文化センターで鑑賞。
「かたつもり」「天、見たけ」「塵」3部作の同時上映。最初2作は実際のフィルムを映写機にかけ上映。
河瀬直美監督が実の養母を被写体に撮ったセルフドキュメンタリー形式。>>続きを読む