KHさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

セリフも伏線もキャッチーな設定も模範的なシナリオのはずだけど、クライマックスの演出を除いて、画というか舞台の作り込みが凡庸ですごく眠たくなった。

スワロウテイル(1996年製作の映画)

4.0

パラレルワールドの日本。
こんな空虚で乾ききった様な世界観の日本は嫌だけど、日本語と中国語と英語が混じったセリフは挑戦的なやり方だし新たな言語の発明だと思う。
冒頭の音楽、「むかしむかし」から始まるエ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

5.0

中洲大洋劇場の閉館前記念のリバイバル上映で鑑賞。
確か高校生の時「コーダ」を初めて映画館で見たのも中洲大洋劇場だった。
やっぱりコーダは傑作だと思う。(サブタイトルを除いて)
ろう者の家族で唯一耳の聞
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

4.0

2024年春映画ドラえもん!
毎年3月の第一金曜日は、何があっても映画ドラえもんを観に行くって決めてる。
予告編から薄々感じてたけど、今回地味そうだなって予感は的中。
でもファーレ(音楽)とノイズの設
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カランコエの花(2016年製作の映画)

2.5

自分が善意と思って行動しても、そこに自分が気付かない程の小さな悪意というか、エゴが介在する事ってある。
その悪意(エゴ)が連鎖的にこの映画では発生する。
最初の1人は女子生徒のどこにでもある単なる恋バ
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.5

同じ制服着て、同じクラスで、だけどそれぞれ境遇が全く違うのって当たり前だけど不思議に思った。
「卒業」というテーマに向かって繰り広げられる少女たちの群像劇。ストーリー性を前に出すより、卒業式前の独特の
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.0

なんでティモシーシャラメって世を憂いたお坊ちゃん役がこんなにハマるんだろう。ウォンカの無垢に垣間見える狂気さもいいけど、やっぱりこっち系の役がハマっている。
NY行きのバスではあんなに投合していた会話
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.0

監督・タイカワイティティの箸休め?
ドキュメンタリーを基にしているせいか、独自の世界観や作家性が薄まって爽やかさだけが残ったような作品。
物足りなさは確かにあるけど、もっと気楽に生きようっていう監督の
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.5

1つの島国に大体1つの民族しかなくて、信義のある特定の宗教を信じていない日本人にはカソリック(南北のアイルランド統一を求める少数派)とプロテスタント(英国への帰属を求める多数派)の対立がいまいちピンと>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

3時間という尺を使って壮大なボケを見せられている様な感覚。
誰もツッこんでくれないから、もはや1人で笑うしかないし、久しぶり映画館でこんなに笑った。
ボーが母の元へと戻る物語。治安の悪いゾンビ街のよう
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.0

物語構成は王道。
中盤までは良かったけど、最後の怒号の改心とハッピーエンドとのオンパレードは感動しろ!って押し付けられてる気がして興ざめ。
あと主人公自身は基本的に能動的で全ての展開において、周りの流
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.5

配役、演技、フィルムの雰囲気、どれも良かった。
原作が小説で作品自体の内容は文章映えしそうで綺麗な感じで、それをフィルムの世界観に落とし込んでて凄いマッチしていた。主人公同士の会話(掛け合い)が凝って
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

初監督っぽい物語の構成に凝った作品。青春が圧倒的に眩しかった。
映画の未来にはマニア向けの難解な作品もマス向けのラブコメ作品も両方必要だし、単にラブコメを否定するだけじゃなくて和解する所が良かった。
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

4.5

メッセージとかテーマとか、どうでも良くて肉子ちゃんとキクリンの生活と、それを取り巻く漁港の描き方が本当に素晴らしい。
西加奈子の原作の厚みと、アニメーションの演出力とが相乗することでパワフルな映画にな
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映画ドラえもん のび太の月面探査記(2019年製作の映画)

4.5

八鍬新之介監督×辻村深月(脚本)が制作した映画ドラえもん。公開当時、映画館に3回観に行った思い出。
ミステリー作家としての作家性(多層的なミステリー構造)を入れつつ、藤子・F・不二雄的世界観のSFを踏
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Saltburn(2023年製作の映画)

2.5

フェリックスは浮世離れで、純度があまりに高すぎたんだと思う。だからこそ、自分に欠けているオリヴァーの圧倒的リアリティに惹かれたんだと思うし、逆も然り。
中盤まではオリヴァーに共感出来たし、その人を惹き
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.5

サンセバスチャンの街並みがオシャレ過ぎるし、映画全体の色味が鮮やかで美しかった。
所々、劇場に笑いが起きてて良かった。素直になれない主人公を取り巻く人々とのやり取りに、終始にやにやしてしまった。
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君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

3.0

一つ一つのシーンは俳優の演技、演出も含めて良いシーンが多いし、若干セリフが浮いてる所もあるけどキャラクターの個性もあって良かった。
ただ物語の性質的に原作漫画とかアニメみたいに長尺で少しづつ魅せていく
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フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

-

RUN!FOREST!RUN!
この言葉が呪いのように出てきて、フォレストガンプを助ける。
色んな要素がありすぎて、一回見ただけじゃ語れない。
歴史的事件の裏側にフォレストがいるのが最高に面白すぎる。
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.0

演出が最高にクール過ぎる!
ストーリー自体は寓話的で見覚えのある様なものだが、それらを全て刷新するようなエネルギッシュなアクションが最大の魅力。
また寓話的でありながら、現代の価値観や要素を掛け合わせ
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.0

笑いに取り憑かれた男の話。
主人公の「正しい世界」で生きたかったという嘆きがあまりに痛々しい。
この世界を生きるには、あまりにピュア過ぎたんだと思う。
勿論これは圧倒的少数の話だけど、1つの要素として
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

4.5

「僕らの世界が交わるまで」
タイトルは「交わる所」でも「交わる時」でもない。
従って意地悪な事に、この先「僕ら」が分かり合えるかもしれないし、分かり合えないかもしれない。
このタイトル、映画はそのどち
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

史上最もダークでエネルギッシュな作品。「バービー」と同時期に今作が公開されたのも必然なのかも。
1人の女性が無菌室からこの世界に創造され、世界の美しさにふれ、悪意にふれ、性の悦びをしり、途中実存主義
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.0

どこにでもある家族なんだけど、少しづつその中にある大きな傷というか、空洞が明らかになっていく。
親戚が一同に集まると、良い意味でも悪い意味でも色んなことで頭がフル回転する感じが表現されてた。
親と子、
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明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

3.5

緊張と緩和が交互に訪れて、そのギャップに所々クスクス笑ってしまう。
西部劇とバディ物のド真ん中を走り抜けるような作品。
馬に乗り移動していく画がどこをとってもかっこいい。
2人の掛け合いの時に賢くかっ
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(2023年製作の映画)

4.5

歴史的事件も何もかも、こんなバカバカしさと滑稽さで動いていたのかもと考えるとクスクスと笑える。
久しぶりに純粋にワクワクしながら観れる映画に出会えた。
当時の主従関係に伴う男色文化は、現代の感覚からは
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

3.0

世界で最も売れた自叙伝、「窓ぎわのトットちゃん」の待望の映像化。読んだことなくても学級文庫など、どこかしらできっと目にしたことがある作品。
アニメ全体の世界観が、とても可愛らしかった。アニメにしかでき
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リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

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今まで観てきたどんな映画より、ずっと密度が高くて夢の中に閉じ込められたような映画。
実際に起こる出来事も、それに伴う内面もどこまでがリアルでフィクションなのか分からない。
現実と虚構との遠近感が失われ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

良くも悪くも役者の演技が分かりやすくて泥臭いけど面白かった。
ゴジラ映画はシン・ゴジラしか観たことなく、ゴジラ映画の系譜を全く知らないけど、ゴジラの恐怖と絶望とが演出されていた。
ゴジラに何か目的や企
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.5

パンチとともに空気の破裂音が一定のリズムを持って、ホコリ被ったジムに鳴り響くシーンが印象的だった。
特に物語性はないけど、衝動をフィルムに収めたような作品。
後半になるにつれてケイコの叫びがその表情か
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

テンポ感の良い、力強いミュージカルで想像以上に良かった。
シナリオとかというより、体験型の映画だなと思った。島が舞台になってて閉鎖的だし、そこに住む市民たちもリアルさというよりファンタジー重視でディズ
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

繰り返される日常の中にある、可笑しさを優しくすくいとったような作品。
公開二日目で評価が高いから期待して観にいったら序盤、中盤とずっと退屈。
特に物語的展開もなく、繰り返される平山(役所広司)の日常
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市子(2023年製作の映画)

3.5

この映画の市子を徹底的に描く姿勢が素晴らしかった。多分この映画は市子に突き動かされて作られた映画なんだなと伝わってきた。
市子の時には観客に寄り添って時には突き放して、同化と異化のバランスが絶妙すぎる
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明日の食卓(2021年製作の映画)

4.5

原作が小説のため緻密な物語構成とミステリー的展開によって進んでいく事で物語としても面白く、演出や演技など含めて映像作品としてのクオリティも高い。
(尾野真千子のユウ君だけ多分文章だったら違和感ないのを
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

4.0

色んな映画を見ているとザ王道映画は斜に構えた見方になってしまいがちだけど、それを覆すぐらいのミュージカルとファンタジーだった。
やっぱり王道のストーリーを王道に楽しむのが映画の1番の楽しみだなと改めて
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アメリ(2001年製作の映画)

4.0

ロジックとかテーマとかじゃなくて、「見る」映画なのがまさにフランス映画って感じ。どこを切り取っても全てが画になるし、全てがおしゃれ。
フィルム映画のCGってどうやってるんだろう。赤と緑の配色が凄い良い
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