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リップヴァンウィンクルの花嫁のKHのレビュー・感想・評価

4.0
安室と出会ったことにより、七海の「普通の人生」から次第に脱落していく。
そこでは、人は何かに依存し、搾取されて(もちろんそれ以上に何かを与えられて)、演じないと生きていけない事が示されている。
人の善意も優しさも幸せも、全部全部が痛々しい。
こんな不健全で乾ききった空虚な世界でも、人前で裸になると恥ずかしいし、涙もいっぱい出てくる。
あまりにシュールだけど、よろこびに満ちたシーンだった。
無菌室にいた七海は、きっとこの物語で普通の生活からは脱落したかも知れないけど、成長したんだと思う。
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