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ローマの休日のKHのレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.0
今から約70年前に製作された作品であり現代の感覚で観ると王道的ストーリーだと感じるが、序盤と終盤とを対応した反復構造にすることでアン王女の成長譚を見せたり、2人認識のすれ違いを観客に俯瞰して見せたりなど綺麗なストーリー構造だなと思った。
 ドラマ的部分でも定期的にくすぐりを入ることでアン王女が魅力的に描かれていた。(個人的には吹き替え版でアン王女が父の職業を尋ねられた時、「広報関係」と答えていたのが強ち間違いでなく面白かった)
一番好きなシーンはラストの記者会見でのアン王女の力強い覚悟とその切ない表情がこの物語を集約していて良かった。2人でバイクに乗るシーンはどうやって撮っているのか気になった。
もちろん70年の年月が経つと作品としてのテーマであったりメッセージ性というのは陳腐化していくかもしれないが、映像に映るアン王女の美しさは時代を超えても多くの観客を魅了するからこそ名作として今なお観つづけられているのだなと思った。
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