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レ・ミゼラブル ザ・オールスター・ステージ・コンサートのSolidarityのレビュー・感想・評価

4.0
ブルーレイで「レ・ミゼラブル ザ・オールスター・ステージ・コンサート」を繰り返し見ていますが「BILLY ELLIOT」とは、全然違います。まあ、コンサート形式なので実際の動きはわかりませんが、ダンスがないのは確かです。「オペラのカジュアル版」といったところでしょうか。

オールスターというだけあって歌は超一流です。代表曲「夢やぶれて」はやはりスーザン・ボイルには敵いません。このメロディーは劇中に何度も出てきます。作曲家も気に入っていて繰り返し使いたかったのでしょう。私は、今までオーケストラ一辺倒で歌が入るのを毛嫌いしてきたのでオペラには興味がなく、唯一見たのは「フィガロの結婚」だけです。でも、ちょっと変わってきました。ミュージカル「BILLY ELLIOT」を見てから総合芸術の素晴らしさに気付き、私の偏見は払拭されつつあり、オペラのカジュアル版もありかな、と思うようになりました。「レ・ミゼラブル」には「夢やぶれて」の他に気になるメロディーがいくつかあります。エポニーヌが歌う失恋の歌。シャン・アコという歌手が歌っていて才能を感じます。

他にテナルディエ役のマット・ルーカスが歌う「宿屋主人のテーマ」?これがテンポよくて手拍子を誘います。この歌手はベテランで完全に舞台を支配します。これが本当のミュージカルスターだと思います。テナルディエ夫人役のケイティー・セコンベもがさつな表現でいい味を出しています。二人の演技を観てると役者ははっちゃけてなんぼの世界なのだと改めて思いました。

「BILLY ELLIOT」でマイケル役を好演したザック・アトキンソンはいいミュージカルスターになるでしょう。86歳で亡くなったアン・エミリーのように。こういう才能に出会うと本当に心が和みます。

「レ・ミゼラブル」は最後に派手な合唱曲で大団円を迎えます。これも聴き応えがありますが「BILLY ELLIOT」のようにストンと落ちて来ません。この大団円だけは自分だけが置いてけぼりにされたような感じがして一体感が味わえません。平和ボケした私には共感できない世界なのだと思います。
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