ピンヒールすぐ痛くなる

ファーザーのピンヒールすぐ痛くなるのレビュー・感想・評価

ファーザー(2020年製作の映画)
3.0
「"父親" "認知症"」この涙腺崩壊セットはずるいよなーと。絶対泣くだろうなーと。
まあ泣く、泣かない抜きにしてもスコアが高いから割と期待値高めで観たんですが、そうでもなかった(はい、きた、ワタシカンカクズレテマスカ案件)。

アンソニー・ホプキンス演じるアンソニーおじいは認知症の振りをしているとかそんな壮大な意表を突かせてほしいor大どんでん返しの展開を期待していたんだけど、そういった「まじで?!」な展開はなかった。

シンプルな感想は「ホプキンスおじいの芝居秀悦that's it👵」です。
ほぼほぼホプキンスおじいの一人芝居を観させられているだけの映画なので、あのー娘さんたちのバックグラウンドなどちょいと垣間見せていただけませんかね?という願い届かず!
まあそのあたりはさ、大体想像してくださいよという監督の描き方。個人的に物足りなかったかなー😇

一時期、認知症の人と暮らしていたので、そうだね、こうなるんだよね、でもこれ本人のせいじゃなくて病気のせいなんだよねって思いながら鑑賞した。
(とはいえ、アンソニーの様に頑固でプライドが高くこだわり強い人の介護や介助は本当に心がやられちゃいますしお寿司🍣)

だから、認知症の家族の介護を他人に任せて自分の人生を考えたり、個の時間を大切に生きる事は逃げでも恥でもないと思う。

だって、
「むしろ私は娘の財産を相続してやる その逆はない そして娘の葬儀ではスピーチしよう いかに冷酷で腹黒い女だったか」

ああこんな事を我が父に言われたら私は心が崩壊してしまうよ。想像しただけで胸が痛くなったのはこのシーンかな。

一方で、父親とは娘が見えなくなるまで見送るものなのかという愛に触れる場面もあり、中々うまくまとまらないままレビューを締めくくります。

家族👪とは。

▷MEMO🗒️
・アペリティフという私が大好きな言葉
・何が現実で何が幻覚かわからなくなる。幻覚だと分かってホッとする辛いシーンがある。
・認知症が悪化していくと、ものが見当たらない→誰かに盗まれた、この家には泥棒入ったんか⁉️となるんだよなー
・へ?夕食チキン🍗だけ?へ?
・義理の息子の噴火やば、気持ちは分かるが、そして正論

▷残った台詞✒️

「酒のためなら何もかも捧げる」

「もう身を横たえる場所も分からない だが腕時計が手首にあるのは分かってる」

「いいお天気は続かないもの」