みんと

第七の封印のみんとのレビュー・感想・評価

第七の封印(1956年製作の映画)
4.1
敷居の高さから一向に解放されないベルイマン監督作品。
ジャケから既に高尚さがモレモレだけど、蓋を開けてみれば、意外とわかり易い作品だった。ちょっと笑える余裕すら。

コレは宗教哲学と皮肉を盛り込んだベルイマン的ロードムービー?そしてコメディ?
生と死、神の存在、更には愛について深く考えさせられる作品だった。

十字軍の遠征を終え、従者ヨンスを従え帰途に着いた騎士アントニウスは、十年もの苦戦と長旅に憔悴していた。懐疑的になっていた彼の元に死神が訪れ、死期が迫っていることを悟るが、死神にチェスの試合をいどみ、勝負がつくまで生命の猶予を乞うのだった……。


死神のビジュアルがちょうど良い(ジャケの方)。白塗り具合が怖すぎず、面白過ぎず、突然現れる衝撃のみ。笑


神とはいったい何なのか。存在するのか。

結局、逃れようといくら足掻いても死は避けられず、神の存在は求めても遠く、求めない人にいちばん近かったと言う事なのかな?
ある意味ラストはハッピーエンドと受け止めた。

何れにしても、終始神々しさすら湛えたモノクロの映像美に息を飲む。モノクロにチェスの映えること!

そして、数珠つなぎで踊り死神に連れ去られる人々の姿が寓話的で面白い。
みんと

みんと