ふみあき

嵐の中でのふみあきのレビュー・感想・評価

嵐の中で(2018年製作の映画)
4.3
 ミステリ作品のお手本のような伏線と回収、非常に綺麗な物語の構成となっていて、かなり見やすく、ミステリ作品を聞かれたらとりあえずこれをオススメしておけばハズレないだろう、というぐらい完全度が高い。本筋はもしかしたら予想しやすいかも?ただラストで主人公が自分のいた世界線に戻るためにとった行動は個人的にはかなり震えた。
 主人公の行動原理が「愛する娘」のためなのだが、娘との会話シーンが少なすぎて観てる側からすると「めちゃくちゃ必死やん」とかなり温度差を感じてしまう(親からしたら子供のためにめちゃくちゃ必死になるのは当然だけども)。見ず知らずのニコという子供を助けた理由も、母親としての本能が働いたためであろうが、その辺も娘の登場時間が少ないので説得力を欠いているように見えて、作品にのめり込めない人もいるかもしれない。個人的に最も気になったのは、夫のアレは放ったらかしになってるけど良いの………?ってとこだけど、本筋にはあまり関係無いので野暮かもしれない(が、やっぱり気になる)。
 話としては気になる点が所々あるが、ミステリとしての完成度はかなり高いのでそこそこ自信を以ってオススメできる1作となっていると思う。
ふみあき

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